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2024年09月18日

阿部公房の「飢餓同盟」で執筆脳を考える5

分析例

1 森四郎は飢餓同盟員であることを認める場面。
2 この小論では、「飢餓同盟」の執筆脳を「視覚と心的活動」と考えているため、意味3の思考の流れ、視覚に注目する。  
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3異化@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし  
4 人工知能 @視覚、A心的活動     
 
テキスト共生の公式    
 
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「アイロニーとユーモア」を作る。
ステップ2:現実を寓話と見る眼と現実を非現実と感じる心が購読脳の出どころと考えているため、「視覚と心的活動」という組を作り、解析の組と合わせる。  

A:@視覚+@喜+Aなし+@直示という解析の組を、@視覚+A心的活動という組と合わせる。
B:@視覚+C楽+Aなし+@直示という解析の組を、@視覚+A心的活動という組と合わせる。  
C:[@視覚+A聴覚]+C楽+Aなし+@直示という解析の組を、@視覚+A心的活動という組と合わせる。 
D:@視覚+B哀+@あり+A隠喩という解析の組を、@視覚+A心的活動という組と合わせる。
E:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@視覚+A心的活動という組と合わせる。   

結果  表2については、テキスト共生の公式が適用される。

花村嘉英(2020)「阿部公房の『飢餓同盟』の執筆脳について」より

阿部公房の「飢餓同盟」で執筆脳を考える4

【連想分析1】

表2 受容と共生のイメージ合わせ

A 森がトランクをさげて、仲通リを駅の方に歩いていくと、おまつり気分の人なみがぞろぞろ西の方に流れていくのに出会った。森の顔を見おぼえている子供がいて、温泉が出たそうだよ、見に行かないの、と教えてくれた。意味1 1、意味2 1、意味3 2、意味4 1、人工知能 1

B まだ二十分ある、のぞくだけは、のぞいてみようかと、流れについてしばらく行くと、県道をこえた畠地のあたりかで、やがて大きな人垣にぶつかった。その向こうに、しろい上記の柱が、サーチライトの光に照らし出され、発狂した薄布の束のようになって、うなりながら見物人の上で渦まいているのが見えた。
意味1 1、意味2 4、意味3 2、意味4 1、人工知能 1

C 拍手がおこり、それから楽隊の演奏がはじまった。ふと後ろから、群衆をかきわける、警備員の声がする。こじ開けられた人垣のあいだを、かき分けてやってくるのは、なんと花束をかかえた振袖姿の藤野うるわしではないか。うるわしは、ちらっと森に無関心な視線を投げかけると、そのまま前をとおりすぎ、ゆうゆうと人垣の向こうに吸い込まれていってしまった。意味1 1+2、意味2 4、意味3 2、意味4 1、人工知能 1

D 森は思った。まったく、現実ほど、非現実なものはない。この町全体が、まさに一つの巨大な病棟だ。どうやら精神科の医者の出るまくなどなさそうである。われわれに残されている仕事と言えばせいぜいのところ、現実的な非現実を、かくまい保護してやるくらいのことではあるまいか。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 2、人工知能 1

E 森は人垣はなれて、歩き出した。しかし、駅の方にではなく、いまやって来た道を、もう一度診療所の方へ・・・新しい勤め先がきまるまで、どのみちたっぷり暇なのだ。傷だらけになった、飢餓同盟に、せめて包帯のサービスくらいはしてやるがいい。森ははじめて、自分が飢餓同盟員であったことを、すなおに認めたい気持ちになっていた。正気も、狂気も、いずれ魂の属性にしかすぎないのである。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 2

花村嘉英(2020)「阿部公房の『飢餓同盟』の執筆脳について」より

阿部公房の「飢餓同盟」で執筆脳を考える3

3 データベースの作成・分析

 データベースの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
 こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。

【データベースの作成】

表1 「飢餓同盟」のデータベースのカラム

文法1 名詞の格 阿部公房の助詞の使い方を考える。
文法2 態 能動、受動、使役。
文法3 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法4 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ ありなし 。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。購読脳「アイロニーとユーモア」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能(視覚と心的活動) エキスパートシステム 視覚とは、光のエネルギーが網膜の感覚細胞に対し刺激となって生じる感覚。 心的活動とは、経験者の報告や表情、身振り、手ぶりといったその人の振舞いにも表れる。

花村嘉英(2020)「阿部公房の『飢餓同盟』の執筆脳について」より

阿部公房の「飢餓同盟」で執筆脳を考える2

2 「飢餓同盟」のLのストーリー

 阿部公房(1924−1993)は、八方塞がりの壁を突破する可能性を探り続けている。戦後、長期保守政権下にあった日本の政治を壁に見立てて、その縮図から突破口を探求していく。町の秩序に順応できない余計者からなる飢餓同盟は、一応人間の絶対自由を実現するための集まりである。リーダー格の花井太助は、自身で湯が出ない町の復興を夢見る男で、地熱探査技師の友人識木順一を担ぎ出し、温泉の吹き上がる蒸気で地熱発電所を作ろうと考える。
 突破口を破るには、金を工面し、役所の認可も要請しなければならない。しかしながら、こうした花井の計画は、現状維持を掲げる町長や開業医のボスに横取りされ、狂人として病院に収容される。理想を掲げる運動が紆余曲折を経て変わっていく様子が日常目の当たりになる。そして風刺や寓意を得意とする阿部公房の真骨頂が発揮される。
 佐々木(2011)によると、「飢餓同盟」の特徴としてもじりの手法を挙げている。花井の夢は幻であり、所詮挫折に通じるといった寓話ではなく、ほろ苦いアイロニーとブラックユーモアからなっているためである。そこで、「飢餓同盟」の購読脳は、「アイロニーとユーモア」にし、その出どころとして現実を寓話以上に寓話と見る阿部公房の眼と、さらに現実こそ非現実と感じる彼の心を想定しているため、執筆脳は「視覚と心的活動」にする。「飢餓同盟」のシナジーのメタファーは、「阿部公房と意識」である。 

花村嘉英(2020)「阿部公房の『飢餓同盟』の執筆脳について」より

阿部公房の「飢餓同盟」で執筆脳を考える1

1 先行研究

 文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。 
 執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。 
 筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。文学の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
 なお、メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと医学も含めたリスクや観察の社会論からなるマクロとを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。

花村嘉英(2020)「阿部公房の『飢餓同盟』の執筆脳について」より

国木田独歩の「武蔵野」で執筆脳を考える9

4 まとめ 

 国木田独歩の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「武蔵野」のLのストーリーをデータベース化して、最後に特定したところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
 この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。 

参考文献

片野善夫 ほすぴ162号 日本成人病予防協会 2018
花村嘉英 計算文学入門-Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風社 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日语教学研究会上海分会論文集 2018  
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 2019
国木田独歩 武蔵野 新潮文庫 2012
滝藤満義 武蔵野の解説 新潮文庫 2012

国木田独歩の「武蔵野」で執筆脳を考える8

表3 情報の認知

A 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1
B 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1
C 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 1、情報の認知3 1
D 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 2
E 表2と同じ。情報の認知1 3、情報の認知2 2、情報の認知3 1

A:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
B:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
C:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
D:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はB条件反射、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。

結果

 国木田独歩は、この場面で武蔵野の自然について自分に同感する人がいるという前提のもと、武蔵野の自然の素晴らしさを伝えようと考えた。そして、誰にも幸福感が訪れるような計画と問題解決に到達している。そのため「誠実さと想像力」そして「イメージと同感」という組が相互に作用する。  

花村嘉英(2020)「国木田独歩の『武蔵野』で執筆脳を考える」より

国木田独歩の「武蔵野」で執筆脳を考える7

【連想分析2】

情報の認知1(感覚情報)
 
 感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、B条件反射である。
 
情報の認知2(記憶と学習)
 
 外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。

情報の認知3(計画、問題解決、推論)
 
 受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。

花村嘉英(2020)「国木田独歩の『武蔵野』で執筆脳を考える」より

国木田独歩の「武蔵野」で執筆脳を考える6

分析例

1 武蔵野の自然を廻る場面。 
2 この小論では、「武蔵野」執筆時の国木田独歩の脳の活動を「イメージと同感」と考えているため、意味3の思考の流れ、誠実さのありなしに注目する。
3 意味1 @視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3誠実さ@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし
4 人工知能 イメージ@ありAなし、同感@ありAなし 
 
テキスト共生の公式

ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「誠実さと想像力」を作る。
ステップ2:誠実な精神状態から「イメージと同感」という組を作り、解析の組と合わせる。

A:「@視覚+A聴覚」+C楽+@直示+A誠実さなしという解析の組を、イメージと同感からなる@イメージありとA同感なしという組と合わせる。 
B:@視覚+C楽+@直示+A誠実さなしという解析の組を、イメージと同感からなる@イメージありとA同感なしという組と合わせる。
C:@視覚+C楽+@直示+A誠実さなしという解析の組を、イメージと同感からなる@イメージありとA同感なしという組と合わせる。 
D:@視覚+C楽+@直示+A誠実さなしという解析の組を、イメージと同感からなる@イメージありとA同感なしという組と合わせる。 
E:@視覚+@喜+@直示+@誠実さありという解析の組を、イメージと同感からなる@イメージありと@同感ありという組と合わせる。 

結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。

花村嘉英(2020)「国木田独歩の『武蔵野』で執筆脳を考える」より

国木田独歩の「武蔵野」で執筆脳を考える5

【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ 

武蔵野の自然を廻る場面

A 武蔵野に散歩する人は、道に迷うことを苦にしてはならない。どの路でも足の向くほうへゆけばかならずそこに見るべく、聞くべく、感ずべき獲物がある。武蔵野の美はただその縦横に通ずる数千条の路を当てもなく歩くことによって始めて獲えられる。意味1 1+2、意味2 4、意味3 1、意味4 1

B 春、夏、秋、冬、朝、昼、夕、夜、月にも、雪にも、風にも、霧にも、霜にも、雨にも、時雨にも、ただこの路をぶらぶら歩いて思いつきしだいに右し左すれば、随処に吾らを満足さするものがある。
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1

C これがじつにまた、武蔵野第一の特色だろうと自分はしみじみ感じている。武蔵野を除いて日本にこのような処がどこにあるか。北海道の原野にはむろんのこと、奈須野にもない、そのほかどこにあるか。林と野とがかくもよく入り乱れて、生活と自然とがこのように密接している処がどこにあるか。じつに武蔵野にかかる特殊の路のあるのはこのゆえである。意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1

D されば君もし、一の小径を往き、たちまち三条に分かる処に出たなら困るに及ばない、君の杖を立ててその倒れたほうに往きたまえ。あるいはその路が君を小さな林に導く。林の中ごろに到ってまた二つに分かれたら、その小なる路を撰んでみたまえ。意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1

E あるいはその路が君を妙な処に導く。これは林の奥の古い墓地で苔むす墓が四つ五つ並んでその前にすこしばかりの空地があって、その横のほうに女郎花など咲いていることもあろう。頭の上の梢こずえで小鳥が鳴いていたら君の幸福である。意味1 1、意味2 1、意味3 1、意味4 2

花村嘉英(2020)「国木田独歩の『武蔵野』で執筆脳を考える」より
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花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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