「わかる」ようになるまで徹底的にトレーニングしてくれる本です。問題総数はなんと 1000 問。1 日に 10 問解いて、100 日で終わるようになっています。いいですね、このボリューム。
「算数に近道なんてない。わからない所を丁寧に噛み砕きつつ、一歩一歩前進してゆくしかないのだ」
という信念が伝わってきます。やさしいところから緩やかな坂を上るように少しずつ難易度が上がるので、算数が苦手なお子さんにも無理なく学習できる構成となっています。
解く前の準備 本書は序盤の「解く前の準備」という箇所を読むだけでも気づかされることがたくさんあります。「筆算を減らす」、「約分できるかどうかを素早く見抜く」、「計算手順に注意する」、「図をフリーハンドで描く」というようなことを心得ておくだけでも、算数を学ぶストレスが軽減されます。「算数が苦手」だと思っていた子供が、案外こういう作業手順で引っかかっていて先に進めないということがたまにあるようです。
算数が得意だった人こそ読む価値ありです このブログの読者さんの中には「昔から算数が得意だった」、「理工学部に在籍中」、「数学に興味があるからここにきているんだ」という人も少なからずおられるでしょう。しかし、そういう人は家庭教師をしたり、自分のお子さんを教えている時に「何でこんな簡単なことがわからんのだ?」と戸惑うことがしばしばあるようです。「算数や数学で苦労しなかった人」が「算数の苦手な子」の視点に立つことは、かなり難しいのです。ですから、お子さんを教える立場にある人はぜひ本書に目を通して、「なるほど! こういうところに躓きの原因があるのか!」と開眼して(?)、今後の指導に役立ててください。
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