・新製品の広告を出したが、3ヶ月後に認知率が 10 % を超えたかどうか知りたい。
というような実践例が満載です。そして選択すべき統計手法とその手順が丁寧に示されています。本書のこのような例を参考にすれば、自分が所有するデータをどのように分析するべきかわかるはずです。
基礎から学ぶのは大変です! 統計学を基礎から勉強するのは大変な時間と労力が必要です。そもそも「統計学を学ぶために学ばなくてはならない数学」がたくさんあります(特殊関数などを含めて、大学レベルの微分積分を習得しておく必要があります)。ただ現実問題として、そうした数学的知識が現実のデータ分析に役立つかといえば、かなり微妙なのです。学問としての統計学は、あくまで「数学」であって、たとえば「中心極限定理を厳密に導く」というようなことに主眼が置かれています。もちろん統計データの深い所を読み取るためには、そうした知識があるに越したことはないですが、
統計学の専門家になるつもりもないし、統計解析のスペシャリストを雇うとお金がかかる。でもビジネスの現場ですぐに役立つデータが欲しい。だから自分で分析できるようになりたい。
という場合には、それだけの時間と労力を割く価値はないと思います(でも現役の理工学部の人は手抜かずに基礎からしっかり勉強してください)。
学問ではなく 実務としての統計学を習得する のであれば、むしろ「習うより慣れろ」という姿勢で臨んだほうが良いと思います。統計データをぱっと見た瞬間に「ん? このデータは何かおかしいぞ」というような直観力を磨くことのほうが大切です。ぜひ本書を参考にどんどん分析して「使える統計学」を身につけてください。
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