いる問題のほとんどは、中学で習う方程式で解くこともできます。これは私の個人的な意見ですが、和算で解ける問題に方程式を持ちこむことは、時として「非常に野暮ったく」見えることがあるのです。
方程式はある種の「万能ツール」であって、色々な問題に等しく適用できるという利点がある反面、適用対象によっては必ずしも最適手法とはなりえずに、がちゃがちゃと無駄に文字をいじくり回して時間を浪費するといったことになってしまいます。
対して和算とは、それぞれの問題に応じた考え方を会得する「専用ツール」です。「専用ツール」であるがゆえに、その習得には方程式より時間がかかります。しかし和算技術を身につけることができれば、ある問題を見た瞬間に最適最速の解法を見つけ出し、ぱぱっとスマートに解いてしまう「粋な職人」となることができるのです。この本をきっかけに、皆さんにもぜひ和算の素晴らしさを見直してもらえたらいいなと思っています。
(C)F@N Communications, Inc.