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2021年02月08日
災害時の避難所は伝染病を想定しているのか
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昨年2020年の緊急事態宣言で感じたことをこのところ書いていますが、コロナの感染拡大下で大勢が避難所に逃げ込む事態になったら、どうなるのだろうか。
これが気になったのは、2019年の秋、台風で河川の氾濫などのため避難勧告が出た地域において、ホームレスが避難所に入れなかった事例が思い起こされたから。
区は、区民向けの避難所であり、区内に住所がない人は帰宅困難者向けの場所があった。住所を書けない人に対してのマニュアルがなかったと話していた。
区内に住所があって家屋への被害がある可能性があるという人と、移動手段を失ったために今は動けないという人とでは、求められる対応が異なり、避難所を分けるというのはいい対応かもしれない。しかし、既に台風が近い中、安全に他の避難所に移すことも、目的が違う避難所かもしれないけれど当面の安全を提供することもなく返してしまった。マニュアルの抜けとは恐ろしいものです。
秋のことでしたが、例年であれば間もなくインフルエンザが流行が始まる時期。インフルエンザ患者だって、自宅が流されるかもしれないなんてなったら、避難して来なければならない。マニュアルはあるのだろうかと当時思ったものです。
避難所、場所によって違いはあると思いますが、体育館のような大部屋に大した仕切りもなく、大勢が息をひそめて詰めている、こんな状態になると思います。
新型コロナの緊急事態中に、集中豪雨とか地震があったらどうなるのか。
もし2020年の春先だったら、マスクも品薄で充分にはありません。今だって災害の種類によっては、それぞれが避難所に、何日分者マスクを持って出る余裕があるのか分かりません。職場から直接逃げてきた帰宅困難者は、その日のマスクしか持っていない人が多いでしょう。
マスクも消毒液も不足、人と人とを隔てるパーティーションもない、そんな場所で大勢が一泊、二泊、あるいはそれ以上。パニックになるのではないでしょうか。もしかしたら、感染が多い地域からの人は入れるなとか、マスクを切らした人には退去してもらえといったことを言い出す人が出るかもしれません。
こればかりはどうにもならない、解決策はないと思います。無症状者から避難所での感染は避けられないと思いますし、交通が遮断されたならマスクや消毒液の不足も避けられない。ソーシャルディスタンスを保った上でみんなが屋根の下で寝られるような場所を確保することも難しいでしょう。
だから、こんな状況を想定したマニュアルがあるのかが気になるところです。
避難所のコロナ対策、各都道府県、市区町村でガイドラインは作られています。検索すれば出てきます。全ての自治体でつくられているかは分かりませんけれども。
まずは自分が住んでいる自治体のマニュアルを皆がチェックし理解を示すことが必要だと思います。
しかし、感染の疑いがある人や自宅療養者と一般の方の距離をどう取るか、換気をどうするかといったことは書かれていても、マスクやハンカチ、消毒液やウエットティッシュが底をついてしまった時、用意できない人が現れた時の対応は見つかりませんでした。
私たちにできることと言えば、自宅から避難する場合は、なるべく十分な量のマスクを持って出る、ぐらいでしょうか。あと、動ける人は、避難所の中でも比較的空きがある場所に移動したり、あてがある人は早めにその地域を離れたり、避難所の密が早めに解消されるような行動も求められるかもしれません。
ただ、とっさのことでマスクの持ち合わせがない時に遭遇してしまう可能性は誰にでもあるので、マスクを切らせても入れなかったり追い出されたりすることがないよう願いたいものです。マスクできない体質の人も、入れる避難所がなく危険に身を晒すしかないという事態になってはいけないと思います。
考え方は人それぞれなので、避難所によって、マスクがない人は入れないとマニュアル化されてしまったなら、それはそれで仕方ないかもしれません。感染の心配が少ない、安心した避難場所であるべきという考えも理解はできますから。
ただ、マニュアルがないから職員判断で追い出さなければならない空気にはなって欲しくないです。
マスクも消毒液も届かないなんていう状態のマニュアルまで作るべきなのか。不要であってほしいです。けれど、書ける住所がないぐらいで避難所に入れない人がいた現実を思い起こしたならば、マスクを持ち合わせなかった人はもっともっと嫌悪されてしまうこと明らか。
どうあるべきか、災害が起こる前に皆が関心を持っていなければ、災害時に混乱が大きくなるだろう。
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