2011年06月17日
サザン・ロック・ショー・ケース
南部の顔役、なんて呼ばれている人です。
確か、レーナードの伝記映画のナレーションとかやってたと思います。
70年代からの生き残りであり、息の長い活動をしている人です。
単にサザン・ロックのボスではなく、カントリーに接近した立ち位置にいる人でもあります。
1. The South's Gonna Do It (Charlie Daniels)
2. Pride and Joy (Stevie Ray Vaughan)
3. Can't You See (Toy Caldwell)
4. Let Her Cry (Mark Bryan, Everrett Felber, Darius Rucker, James Sonefeld)
5. Homesick (Buddy Buie, J. R. Cobb)
6. Keep Your Hands to Yourself (Dan Baird)
7. Statesboro Blues (Willie McTell)
8. Peach County Jamboree Lombar (Dru Lombar)
9. Sharp Dressed Man (Frank Beard, Billy F. Gibbons, Dusty Hill)
10. Free Bird (Allen Collins, Ronnie Van Zant)
11. The Legend of Wooley Swamp (Crain, Daniels, DiGregorio, Edwards, Hayward, Marshall)
12. El Toreador (Crain, Daniels, Di Gregorio, Edwards, Hayward, Marshall)
13. The Devil Went Down to Georgia (Crain, Daniels, DeGregorio, Edwards, Hayward, Marshall)
本作は、99年にリリースされたもので、嬉しい企画盤です。
カバーもの大好きの私としては、本盤の存在を知ったとき、大好物を前に舌なめずりする気分でした。
本盤は、サザン・ロックの黄金期を内側から見つめ、支え続けた南部の顔役が、ミレニアムを目前に改めて南部音楽シーンへの変わらない熱い思いを、広く世界へ向けて発信したアルバムになっています。
ここには、オールマンからレーナードなどの黄金期のジョージア勢を中心に、中西部のテキサス勢までを含む広義の南部音楽への愛情あふれるカバーがたっぷり詰まっています。
曲が進むとともに、聴きなれたイントロや、忘れられないリフなどが次々と出てきて、そのたびに、思わず胸が熱くなります。
アルバムの構成は、冒頭、彼らのオリジナル曲(間違いなく自信作)でガツンと決めて、以降、サザン・ロック(テキサス含む)の名曲の彼らなりの解釈が、これでもかこれでもか、と続く堪らない展開になっています。
まず、アタマのオリジナル曲、"The South's Gonna Do It"が素晴らしいです。
このあと続く、黄金期の名作群に見劣りしないよう、全力で取り組む意欲がよく現れている傑作だ感じました。
曲調は、安易な表現では、アスリープのサザン・ロック版とも言えますが、別の表現をすると、レーナードのサザン・ブギに、フィドルをまぶしたようなスタイルです。
かといって、カントリーっぽい間延びした感じは全くなく、疾走感あふれるかっこいいロックに仕上がっています。
まさに、この後の展開へ期待を募らせてくれる名刺代わりの一発です。
ここから、早速怒涛のカバー集になります。
取り上げているのは、以下の通りです。
Stevie Ray Vaughanの"Pride and Joy"
Marshall Tucker Bandの"Can't You See"
Hootie & Blowfishの"Let Her Cry"
Atlanta Rhythm Sectionの"Homesick"
Georgia Satellitesの"Keep Your Hands To Yourself"
Allman Brothers Bandの"Statesboro Blues"
Grinderswitchの"Peach County Jamboree"
Z.Z.Topの"Sharp Dressed Man"
Lynyrd Skynyrdの"Free Bird"
このライン・アップは、素直に嬉しいです。
ただ、私にはほとんど馴染みがないバンドも含まれていました。
名前だけは知っていたけれど、一度も聴いたことがなかったのが、Grinderswitchです。
そして、全く初耳だったのが、Hootie & Blowfishで、「それって南部のバンドですか?」くらいのテンションになってしまいました。
演奏は、それぞれ原曲に近いものもあれば、少しフェイクしているものもあり、印象は様々です。
基本的に、原曲を崩しすぎす、しかし個性を出しているものが気に入りました。
まず、原曲のイメージをかなり忠実になぞっているのが、"Pride and Joy"です。
イントロのギターの入り方からして、いかにもそれっぽくてかっこいいです。
強烈なテキサス・シャッフルの魅力を再現しています。
ぶっといギターの唸りが快感です。
"Can't You See"は、曲の仕上がりも素晴らしいですが、全体の雰囲気というか、そのなりきりぶりが、まさにMarshall Tucker Band以外ではありえない、という感じで最高です。
Toy Caldwellの流麗な指弾きギターの再現度は、かなり高いです。
これを聴いて思ったのですが、Marshall Tucker Bandのサウンドは、ディッキー・ベッツと非常に近いものがあると強く感じました。
この曲でいえば、間奏でのソロは、容易に"Jessica"を連想させます。
久しぶりに改めて、Marshall Tucker Bandを(Toy Caldwellのギターを)聴きたくさせてくれた名カバーです。
私のお気に入りの3曲目は、"Peach County Jamboree"です。
これは好きなタイプの曲です。
Grinderswitchの当該曲は、Amazonで試聴した程度ですが、ぜひ全編聴いてみたいと思わせるものがありました。
このバンドも、カントリー・ブギ風味の味わいが私好みです。
オールマンのように、黒っぽいオルガンと、カントリー・テイストのスライドのバトルが聴きものです。
"Statesboro Blues"は、まず、オルガンがそれっぼくて嬉しくなります。
全体的に、少し冒険を抑えた仕上がりですが、楽しめます。
"Sharp Dressed Man"は、いかにもハード・ブギという感じの曲です。
なぜ、この曲なのかとも思いましたが、あるいはこの当たりが、Z.Z.Topのパブリック・イメージなのかも知れません。
ちなみに、私が好きでよく聴いていたのは、"Deguello"や"Tres Hombres"あたりです。
原曲のイメージが強力すぎて、若干押され気味かなと思ったのが、サテライツとレーナードです。
まあ、どちらも名曲中の名曲ですから、やむを得ない面はあります。
"Keep Your Hands To Yourself"は、頑張って雰囲気を出していて、十分合格ラインではありますが、あえて言うなら、もう少しやさぐれ感があってもいいかも知れません。
歌詞もそんな感じですから…。
"Free Bird"は、やはり「原曲が完璧すぎるなあ」というのが率直な感想です。
Charlie Danielsも頑張ってはいますが、ボーカルの色気といいますか、艶みたいなのが及ばないかな、と思います。
この曲がやりたかったのでしょうが、レーナードには小粋なブギもあるので、そっちの方がよかったかも…。
ただ、間奏でフィドルが入る箇所は、思いのほかマッチしていて、さすがの仕上がりだと思いました。
Hootie & Blowfishの"Let Her Cry"は、全く知らない曲ですが、ここでのCharlieのバージョンは良いです。
曲の良さも光っていると感じました。
ただ、若干アダルト・オリエンテッドな上品さも感じましたので、手放しで好きとはいいづらいです。
Atlanta Rhythm Sectionは、"Spooky"くらいしか知らなかったのですが、"Homesick"はなかなかです。
機会があれば、聴き返したいバンドです。
そして、最後に3曲、Charlie Daniels Bandのライヴが収録されています。
なかでは、ラストの"The Devil Went Down to Georgia"「悪魔はジョージアへ」は、バンドの代名詞的な1曲ですね。
当然盛り上がります。
でも、私は冒頭の"The South's Gonna Do It"の方が、より好きです。
本盤は、サザン・ロックの懐メロ集ではありますが、実によく出来たアルバムだと思います。
関連記事はこちら
ジョージア、オクラホマ、フロリダ、テネシー
確か、レーナードの伝記映画のナレーションとかやってたと思います。
70年代からの生き残りであり、息の長い活動をしている人です。
単にサザン・ロックのボスではなく、カントリーに接近した立ち位置にいる人でもあります。
Tailgate Party
The Charlie Daniels Band
The Charlie Daniels Band
1. The South's Gonna Do It (Charlie Daniels)
2. Pride and Joy (Stevie Ray Vaughan)
3. Can't You See (Toy Caldwell)
4. Let Her Cry (Mark Bryan, Everrett Felber, Darius Rucker, James Sonefeld)
5. Homesick (Buddy Buie, J. R. Cobb)
6. Keep Your Hands to Yourself (Dan Baird)
7. Statesboro Blues (Willie McTell)
8. Peach County Jamboree Lombar (Dru Lombar)
9. Sharp Dressed Man (Frank Beard, Billy F. Gibbons, Dusty Hill)
10. Free Bird (Allen Collins, Ronnie Van Zant)
11. The Legend of Wooley Swamp (Crain, Daniels, DiGregorio, Edwards, Hayward, Marshall)
12. El Toreador (Crain, Daniels, Di Gregorio, Edwards, Hayward, Marshall)
13. The Devil Went Down to Georgia (Crain, Daniels, DeGregorio, Edwards, Hayward, Marshall)
本作は、99年にリリースされたもので、嬉しい企画盤です。
カバーもの大好きの私としては、本盤の存在を知ったとき、大好物を前に舌なめずりする気分でした。
本盤は、サザン・ロックの黄金期を内側から見つめ、支え続けた南部の顔役が、ミレニアムを目前に改めて南部音楽シーンへの変わらない熱い思いを、広く世界へ向けて発信したアルバムになっています。
ここには、オールマンからレーナードなどの黄金期のジョージア勢を中心に、中西部のテキサス勢までを含む広義の南部音楽への愛情あふれるカバーがたっぷり詰まっています。
曲が進むとともに、聴きなれたイントロや、忘れられないリフなどが次々と出てきて、そのたびに、思わず胸が熱くなります。
アルバムの構成は、冒頭、彼らのオリジナル曲(間違いなく自信作)でガツンと決めて、以降、サザン・ロック(テキサス含む)の名曲の彼らなりの解釈が、これでもかこれでもか、と続く堪らない展開になっています。
まず、アタマのオリジナル曲、"The South's Gonna Do It"が素晴らしいです。
このあと続く、黄金期の名作群に見劣りしないよう、全力で取り組む意欲がよく現れている傑作だ感じました。
曲調は、安易な表現では、アスリープのサザン・ロック版とも言えますが、別の表現をすると、レーナードのサザン・ブギに、フィドルをまぶしたようなスタイルです。
かといって、カントリーっぽい間延びした感じは全くなく、疾走感あふれるかっこいいロックに仕上がっています。
まさに、この後の展開へ期待を募らせてくれる名刺代わりの一発です。
ここから、早速怒涛のカバー集になります。
取り上げているのは、以下の通りです。
Stevie Ray Vaughanの"Pride and Joy"
Marshall Tucker Bandの"Can't You See"
Hootie & Blowfishの"Let Her Cry"
Atlanta Rhythm Sectionの"Homesick"
Georgia Satellitesの"Keep Your Hands To Yourself"
Allman Brothers Bandの"Statesboro Blues"
Grinderswitchの"Peach County Jamboree"
Z.Z.Topの"Sharp Dressed Man"
Lynyrd Skynyrdの"Free Bird"
このライン・アップは、素直に嬉しいです。
ただ、私にはほとんど馴染みがないバンドも含まれていました。
名前だけは知っていたけれど、一度も聴いたことがなかったのが、Grinderswitchです。
そして、全く初耳だったのが、Hootie & Blowfishで、「それって南部のバンドですか?」くらいのテンションになってしまいました。
演奏は、それぞれ原曲に近いものもあれば、少しフェイクしているものもあり、印象は様々です。
基本的に、原曲を崩しすぎす、しかし個性を出しているものが気に入りました。
まず、原曲のイメージをかなり忠実になぞっているのが、"Pride and Joy"です。
イントロのギターの入り方からして、いかにもそれっぽくてかっこいいです。
強烈なテキサス・シャッフルの魅力を再現しています。
ぶっといギターの唸りが快感です。
"Can't You See"は、曲の仕上がりも素晴らしいですが、全体の雰囲気というか、そのなりきりぶりが、まさにMarshall Tucker Band以外ではありえない、という感じで最高です。
Toy Caldwellの流麗な指弾きギターの再現度は、かなり高いです。
これを聴いて思ったのですが、Marshall Tucker Bandのサウンドは、ディッキー・ベッツと非常に近いものがあると強く感じました。
この曲でいえば、間奏でのソロは、容易に"Jessica"を連想させます。
久しぶりに改めて、Marshall Tucker Bandを(Toy Caldwellのギターを)聴きたくさせてくれた名カバーです。
私のお気に入りの3曲目は、"Peach County Jamboree"です。
これは好きなタイプの曲です。
Grinderswitchの当該曲は、Amazonで試聴した程度ですが、ぜひ全編聴いてみたいと思わせるものがありました。
このバンドも、カントリー・ブギ風味の味わいが私好みです。
オールマンのように、黒っぽいオルガンと、カントリー・テイストのスライドのバトルが聴きものです。
"Statesboro Blues"は、まず、オルガンがそれっぼくて嬉しくなります。
全体的に、少し冒険を抑えた仕上がりですが、楽しめます。
"Sharp Dressed Man"は、いかにもハード・ブギという感じの曲です。
なぜ、この曲なのかとも思いましたが、あるいはこの当たりが、Z.Z.Topのパブリック・イメージなのかも知れません。
ちなみに、私が好きでよく聴いていたのは、"Deguello"や"Tres Hombres"あたりです。
原曲のイメージが強力すぎて、若干押され気味かなと思ったのが、サテライツとレーナードです。
まあ、どちらも名曲中の名曲ですから、やむを得ない面はあります。
"Keep Your Hands To Yourself"は、頑張って雰囲気を出していて、十分合格ラインではありますが、あえて言うなら、もう少しやさぐれ感があってもいいかも知れません。
歌詞もそんな感じですから…。
"Free Bird"は、やはり「原曲が完璧すぎるなあ」というのが率直な感想です。
Charlie Danielsも頑張ってはいますが、ボーカルの色気といいますか、艶みたいなのが及ばないかな、と思います。
この曲がやりたかったのでしょうが、レーナードには小粋なブギもあるので、そっちの方がよかったかも…。
ただ、間奏でフィドルが入る箇所は、思いのほかマッチしていて、さすがの仕上がりだと思いました。
Hootie & Blowfishの"Let Her Cry"は、全く知らない曲ですが、ここでのCharlieのバージョンは良いです。
曲の良さも光っていると感じました。
ただ、若干アダルト・オリエンテッドな上品さも感じましたので、手放しで好きとはいいづらいです。
Atlanta Rhythm Sectionは、"Spooky"くらいしか知らなかったのですが、"Homesick"はなかなかです。
機会があれば、聴き返したいバンドです。
そして、最後に3曲、Charlie Daniels Bandのライヴが収録されています。
なかでは、ラストの"The Devil Went Down to Georgia"「悪魔はジョージアへ」は、バンドの代名詞的な1曲ですね。
当然盛り上がります。
でも、私は冒頭の"The South's Gonna Do It"の方が、より好きです。
本盤は、サザン・ロックの懐メロ集ではありますが、実によく出来たアルバムだと思います。
The South's Gonna Do It です。
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ジョージア、オクラホマ、フロリダ、テネシー
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