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2017年09月26日
「ファール・プレイ」感想
原題:FOUL PLAY 制作:1978年/米 日本公開:1979年01月13日
ストーリー
ある夜、サンフランシスコの大司教が殺された。翌日、ゴールデン・ゲート・ブリ
ッジを望む別荘で、友人の結婚前祝のパーティに出席したグロリア・マンディ(ゴ
ールディ・ホーン)は、帰り道でヒッチハイクしていた男を自分の車に乗せた。男
は何者かに追われており、フィルムを入れた煙草の箱をグロリアに預け、映画館で
のデートを約束して去って行った。それを追う男。
映画館に遅れてやってきた男は「殺人が起きる、小人に気を付けろ」と伝えると、
座席で息絶える。驚いたグロリアは映画館の支配人を呼んでくるが死体はどこかに
消えていた。図書館司書の仕事をしているグロリアは、図書館で白色症の男に襲わ
る。何とか逃げ切ってアパートに戻ってくると、今度は頬に傷のある男が待ち構え
ていて、男から預かったものを渡せと迫ってきた。反撃して男を編み物針で刺し殺
してしまったと思ったグロリアは警察に電話をするが、男は立ち上がりまた襲って
きた、しかしその男はグロリアを追ってきた白色症の男に殺されてしまった。気を
失ったグロリアが目を覚ますと、心配そうに見つめるアパートの大家のランドロー
ド・ヘネシー(バージェス・メレディス)と警察から来たファーガソン警部とトニ
ー・カールソン警部補(チェビー・チェイス)がいた。トニーは、先日の友人のパ
ーティで見かけて、二言三言話した男だった。死体と、争った痕跡は綺麗に無くな
っており、大家も警察もグロリアがLSDをやっていたのではと勘繰る。
警察に信じてもらえないまま、翌日グロリアはまた白色症の男に襲われ拉致されて
しまった。グロリアの運命は...。
映画公開時のキャッチコピーは「結末はどんどん人にしゃべってください!?」でした。
ジャンルはサスペンスコメディ。海外のコメディはハマらなかったら全く面白くない
ので不安なところもありましたがそれも杞憂に終わり、主役のゴールディ・ホーンの
キュートさもあって楽しめました。
冒頭に起こる司教殺人事件。たまたま事件の手がかりを持って追われていた男を乗せ
てしまった主人公が、事件に巻き込まれていくという王道ともいえる導入部ですが、
追っ手から逃げる途中に協力を頼んだ男が変態だったり、小人というキーワードに過
敏になった主人公が、勘違いして小柄なセールスマンに大けがをさせてしまうとかコ
メディを織り交ぜながら軽快にストーリーが進んでいくのですが、結構人が死にます。
途中からチェビー・チェイス演じる刑事と出会い恋に落ち、事件は解決に向かいます。
予告編にもあったその最初の出会いのシーンでは、チェビー・チェイスは結構ドジな
ところを見せていたので、盛大に失敗はするけれど運で事件を解決していくタイプな
のかと思っていたところ、ドジなのはそのシーンだけで実は優秀な刑事でした。予告
編に騙された感じです。
事件の手がかりとなるはずの逃げていた男から知らない間に預けられた証拠のフィルム
は、ヒッチコックがインタビューでよく話していたようなマクガフィン(話を進めるた
めの仕掛け)であって、結局何が撮影されていたのかもわからず、途中で燃やされてし
まいました。
物語の舞台はサンフランシスコで、ゴールデンゲートブリッジの見える風景が美しかっ
たです。オープニングでゴールディ・ホーンが運転する黄色のフォルクスワーゲンがサ
ンフランシスコの湾岸を走る映像は、流れる主題歌のReady to Take a Chance Againと
も相まってとても心地よい感じがしました。また、サンフランシスコといえば、坂道の
多い街で、1968年のスティーブ・マックイーン主演の「ブリット」にも迫る?カーアク
ションも見どころのひとつです。
主人公は、古い映画が好きなようで、ヒッチハイクの男とデートの約束をして指定した
のは、「KILLERS WALK AMONG US」と「THIS GUN IS MINE」の二本立てでした。
実際に存在する映画なのかはわかりませんでした。
主人公が逃亡する際に二度も偶然に助けることになるダドリー・ムーア演じる変態男が、
主人公を部屋に連れてきて服を脱ぎ始めるときに、映画「サタディー・ナイト・フィー
バー」の主題歌「スティン・アライブ」が流れる中、楽しそうに踊っていました。二度
目に現れた時は風俗店の個室で女性を待っているところに主人公に乱入されていました。
そしてラストの逮捕劇の時にも意外な形で居合わせます。おいしい役どころでした。
主人公の棲むアパートの階下に住む家主の老人にはロッキーシリーズでトレーナーのミ
ッキー役のバージェス・メレディスが演じていました。1945年に空手の黒帯を取得した
有段者の設定で、レンガを手刀で割ったり、敵側の女首領と1対1の空手の肉弾戦を演じ
ました。結構激しい立ち回りで、スタントを使わず全部本人が演じていたのなら凄いと
思いました。
他にも日本ネタが多く、冒頭の殺されていた司祭が聞いていたレコードが、MIKADO(ミ
カド)というアルバムで、最後の逮捕劇の舞台となるオペラ座で演じられているオペラも、
1885年にイギリスで制作、初演されたオペラのMIKADOでした。また、坂道のカーアクシ
ョンで、車を乗り潰して3台目にトニーとグロリアが借りたタクシーには、乗客が乗った
ままで、その乗客は、お揃いのJALの旅行鞄を持った日本人の老夫婦で、二人の会話は
全部日本語でした。グロリアが二人を落ち着かせようと状況を説明しても英語が分からな
い老夫婦は怯えていましたが、「KOJAK BANG! BANG!(コジャック、バン、バン)」
と、偶然日本でも1975年からTV放送されていたテリー・サバラス主演の「刑事コ
ジャック」の名前を聞くと、急にハイテンションになって高笑いをして状況を楽しみだ
すという、日本人の観客をターゲットにしているとしか思えないシーンでした。
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ストーリー
ある夜、サンフランシスコの大司教が殺された。翌日、ゴールデン・ゲート・ブリ
ッジを望む別荘で、友人の結婚前祝のパーティに出席したグロリア・マンディ(ゴ
ールディ・ホーン)は、帰り道でヒッチハイクしていた男を自分の車に乗せた。男
は何者かに追われており、フィルムを入れた煙草の箱をグロリアに預け、映画館で
のデートを約束して去って行った。それを追う男。
映画館に遅れてやってきた男は「殺人が起きる、小人に気を付けろ」と伝えると、
座席で息絶える。驚いたグロリアは映画館の支配人を呼んでくるが死体はどこかに
消えていた。図書館司書の仕事をしているグロリアは、図書館で白色症の男に襲わ
る。何とか逃げ切ってアパートに戻ってくると、今度は頬に傷のある男が待ち構え
ていて、男から預かったものを渡せと迫ってきた。反撃して男を編み物針で刺し殺
してしまったと思ったグロリアは警察に電話をするが、男は立ち上がりまた襲って
きた、しかしその男はグロリアを追ってきた白色症の男に殺されてしまった。気を
失ったグロリアが目を覚ますと、心配そうに見つめるアパートの大家のランドロー
ド・ヘネシー(バージェス・メレディス)と警察から来たファーガソン警部とトニ
ー・カールソン警部補(チェビー・チェイス)がいた。トニーは、先日の友人のパ
ーティで見かけて、二言三言話した男だった。死体と、争った痕跡は綺麗に無くな
っており、大家も警察もグロリアがLSDをやっていたのではと勘繰る。
警察に信じてもらえないまま、翌日グロリアはまた白色症の男に襲われ拉致されて
しまった。グロリアの運命は...。
映画公開時のキャッチコピーは「結末はどんどん人にしゃべってください!?」でした。
ジャンルはサスペンスコメディ。海外のコメディはハマらなかったら全く面白くない
ので不安なところもありましたがそれも杞憂に終わり、主役のゴールディ・ホーンの
キュートさもあって楽しめました。
冒頭に起こる司教殺人事件。たまたま事件の手がかりを持って追われていた男を乗せ
てしまった主人公が、事件に巻き込まれていくという王道ともいえる導入部ですが、
追っ手から逃げる途中に協力を頼んだ男が変態だったり、小人というキーワードに過
敏になった主人公が、勘違いして小柄なセールスマンに大けがをさせてしまうとかコ
メディを織り交ぜながら軽快にストーリーが進んでいくのですが、結構人が死にます。
途中からチェビー・チェイス演じる刑事と出会い恋に落ち、事件は解決に向かいます。
予告編にもあったその最初の出会いのシーンでは、チェビー・チェイスは結構ドジな
ところを見せていたので、盛大に失敗はするけれど運で事件を解決していくタイプな
のかと思っていたところ、ドジなのはそのシーンだけで実は優秀な刑事でした。予告
編に騙された感じです。
事件の手がかりとなるはずの逃げていた男から知らない間に預けられた証拠のフィルム
は、ヒッチコックがインタビューでよく話していたようなマクガフィン(話を進めるた
めの仕掛け)であって、結局何が撮影されていたのかもわからず、途中で燃やされてし
まいました。
物語の舞台はサンフランシスコで、ゴールデンゲートブリッジの見える風景が美しかっ
たです。オープニングでゴールディ・ホーンが運転する黄色のフォルクスワーゲンがサ
ンフランシスコの湾岸を走る映像は、流れる主題歌のReady to Take a Chance Againと
も相まってとても心地よい感じがしました。また、サンフランシスコといえば、坂道の
多い街で、1968年のスティーブ・マックイーン主演の「ブリット」にも迫る?カーアク
ションも見どころのひとつです。
主人公は、古い映画が好きなようで、ヒッチハイクの男とデートの約束をして指定した
のは、「KILLERS WALK AMONG US」と「THIS GUN IS MINE」の二本立てでした。
実際に存在する映画なのかはわかりませんでした。
主人公が逃亡する際に二度も偶然に助けることになるダドリー・ムーア演じる変態男が、
主人公を部屋に連れてきて服を脱ぎ始めるときに、映画「サタディー・ナイト・フィー
バー」の主題歌「スティン・アライブ」が流れる中、楽しそうに踊っていました。二度
目に現れた時は風俗店の個室で女性を待っているところに主人公に乱入されていました。
そしてラストの逮捕劇の時にも意外な形で居合わせます。おいしい役どころでした。
主人公の棲むアパートの階下に住む家主の老人にはロッキーシリーズでトレーナーのミ
ッキー役のバージェス・メレディスが演じていました。1945年に空手の黒帯を取得した
有段者の設定で、レンガを手刀で割ったり、敵側の女首領と1対1の空手の肉弾戦を演じ
ました。結構激しい立ち回りで、スタントを使わず全部本人が演じていたのなら凄いと
思いました。
他にも日本ネタが多く、冒頭の殺されていた司祭が聞いていたレコードが、MIKADO(ミ
カド)というアルバムで、最後の逮捕劇の舞台となるオペラ座で演じられているオペラも、
1885年にイギリスで制作、初演されたオペラのMIKADOでした。また、坂道のカーアクシ
ョンで、車を乗り潰して3台目にトニーとグロリアが借りたタクシーには、乗客が乗った
ままで、その乗客は、お揃いのJALの旅行鞄を持った日本人の老夫婦で、二人の会話は
全部日本語でした。グロリアが二人を落ち着かせようと状況を説明しても英語が分からな
い老夫婦は怯えていましたが、「KOJAK BANG! BANG!(コジャック、バン、バン)」
と、偶然日本でも1975年からTV放送されていたテリー・サバラス主演の「刑事コ
ジャック」の名前を聞くと、急にハイテンションになって高笑いをして状況を楽しみだ
すという、日本人の観客をターゲットにしているとしか思えないシーンでした。
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