映画とテレビ視聴感想

原題：蛇鶴八歩／SNAKE & CRANE ARTS OF SHAOLIN　制作：1977年


ジャッキー・チェン映画を時系列に観るその１１


「成龍拳」「カンニングモンキー天中拳」と制作が同時進行していたためか、
ロー・ウエイ制作名義でチェン・チーフォアが監督をした作品。適度にコメ
ディ色もあり、後のジャッキー作品に見られる特徴も出てきています。



ストーリー

少林寺八流派の長達が集まって蛇鶴八歩の拳が考案された。しかし、その後
長達は権威の象徴の九龍の鉾と共に忽然と姿を消してしまい天下は乱れた。

しばらくして、蛇鶴八歩の秘伝書を持っているという徐英風という男が現れ、
た。各流派の、ある者は長達の消息を知るため、またある者は秘伝書を手に
して武道界を制覇するために接触を試み、倒そうとする。徐英風は何のため
に蛇鶴八歩の書を餌に自分を危険に晒しているのか謎は深まる。





初期作品で好きな作品の一つです。「レッド・ドラゴン　新怒りの鉄拳」
以来のノラ・ミャオとの共演で、彼女のアクションも前回より多いです。
役柄は長が消息不明になった後の四川唐門派の若き総帥役で長の消息を
聞き出すため、徐英風に色仕掛けもするという決意の固い役でした。


OPのジャッキーの槍の演武と最期の戦いでの三人の槍使いとの戦いは目
を見張るものがあります。ぎりぎりのタイミングが神業の域です。

今回のラスボス役は「少林寺木人拳」でジャッキーの師匠でラスボスで
もあるという役を演じたカム・コンが演じています。今回も貫禄十分に
演じていました。

今回のジャッキーは既に蛇鶴八歩の拳を得とくしていて、最初から強い
状態で登場しますので、特訓シーンはありません。笑顔を見せる余裕も
あり前作の「成龍拳」でのキャラクターとは対照的です。


徐英風が宿泊している食堂兼宿屋での戦いで後のジャッキーアクション
の代名詞ともなっている椅子を利用した初格闘があります。また別のシ
ーンでは敵の刀を奪いながら戦ったり、小道具（茶碗）を使って敵の武
器を防ぐなどジャッキーの持ち味が感じられます。

ディアゴスティーニ版DVDで観ましたが、日本語吹き替え版はＴＶ放映時
のものが使われており、放送時カットされた部分は原語で字幕が出ます。
主題歌は日本の劇場公開用に制作された主題歌デンジャラス・アイズが
使用されているのでかっこいいです。

「成龍拳」と同時期に韓国合同ロケが行われていて、屋外のシーンで俳
優の息が白くなっているのがロケに該当するところだと思います。また
韓国ではないかもしれませんが、「成龍拳」で出てきた郊外の休憩所や
最後の戦いの場所、主人公が療養・修行をした滝の側の庵など同じ場所
が撮影に使用されていました。庵の中は家具や装飾品を入れ替えて工夫
されています。

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