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2015年10月11日

ジャッキー・チェン映画その7感想 レッド・ドラゴン 新・怒りの鉄拳

原題:新精武門/NEW FIST OF FURY 制作1976年 日本未公開


ジャッキー・チェン映画を時系列に観るその7。

オーストラリアから香港に戻り、ロー・ウエイのプロダクションと契約してからの主演第
一作。中国名の芸名も陳元龍から成龍に変わりました。

原題「新精武門」、邦題「新・怒りの鉄拳」とあるように、この映画は、ゴールデンハーベ
スト社でブルース・リー主演、ロー・ウエイ監督の「精武門(邦題:ドラゴン怒りの鉄拳)」
の続編となります。制作会社は異なるものの、監督は同じロー・ウエイ、出演者もブルース・
リーの恋人役だったノラ・ミャオや警察署長役のロー・ウエイ(監督兼任)も前作と同じ役で
出演しています。



(ストーリー)
自首したらもう精武館には手を出さないというチェン・チェン(ブルース・リー)と日本人と
の約束は破られ、精武館は日本人に乗っ取られてしまった。

警察署長はこれに怒り、ミウ・ライイーと師範、弟弟子の三人を密かに上海から台湾へと逃が
した。台湾に付いた一行はミウ・ライイーの母方の祖父の道場に身を寄せるつもりであった。
港に付いた一行は泥棒のロン(ジャッキー・チェン)にチェン・チェンの形見のヌンチャクを
盗まれてしまう。

その後、ロンは武術道場太陽武館門の賭博の手伝いに誘われるが、断り半殺しの目に合ってし
まう。そして瀕死の状態で道に捨てられていたところ、ミウ・ライイーらに見つけられて、看
病してもらう。

身を寄せていた祖父の死により、祖父の道場は「精武会」と名を変え、ミウ・ライイーが後継
者となった。精武会を傘下に収めようとした太陽門は負けた腹いせに日本人の大和道場に泣き
ついて精武会を壊滅に追い込もうとする。日本人の横暴に怒ったロンも精武会に入門して、修
行の末、チェン・チェンの秘技「迷踪拳」を会得するのであった。





最初の頃はチェン・チェン(ブルー・スリー)の形見のヌンチャクをうまく使えず、カンフーが
上達してからは三節崑を使用するようになるので、ジャッキーがヌンチャクをうまく扱って戦う
シーンはありませんでしたが、最後の戦いで三節崑の1節が取れてしまい二本でヌンチャクのよ
うにして戦うシーンがありました。

この映画は全長版は115分ありますが日本版では81分前後のものしか発売されていません。ロン
が太陽武館にボコボコにされた後でも性に合わないと精武会の誘いを断っていたのに、大和会が
街頭で武術会を牛耳る演説を聞いただけで精武会に入会するという動機が唐突に感じましたが、
もしかしたらカットされた34分を観ればもっと流れがスムーズに感じるかもしれません。

今回観たDVDでは、特典で115分版のオープニングが付いていました。ストーリーに書いた冒頭
の、警察署長が三人を船で台湾に逃がすまでがそのシーンです。81分版のオープニングはロンと
育ての親との泥棒コンビが仕事(泥棒)をしに港に走っていくシーンから始まります。3人はもう
台湾の港に着いてました。

著作権無視の当時の香港映画では当たり前のように他の作品のBGMが使われていますが、今回は
数か所日本の特撮TVドラマの「ウルトラQ」のBGMが使われていることに気が付きました。

映画のラストは前作と同じようにロンが日本軍の銃弾を浴びるところで終わります。全体的にみ
ると、ストーリー展開が前作と似ているため、続編というよりはリメイクに近いかなという感じ
でした。

香港公開時の1976年やジャッキー・チェン大ブームの1980年代で旧作もどんどん発掘されて公開
されていった時期でもこの映画は公開されませんでした。抗日映画だったからか、それとも作品
のクオリティの問題なのか。謎です。


香港映画のDVDは役名が日本語字幕になる際に適当につけられることが多いみたいです。サモハン
・キンポーの役がどんな映画でも「デブゴン」になっていた時期がありました。また、ジャッキー
・チェンの同じ映画でも、DVDを発売する会社によって日本語字幕の役名が違うことも多く(日本
語吹き替え版の名前もさらに違うこともある。)自分が見た「ドラゴン怒りの鉄拳」のノラ・ミャ
オの役名は「リー・エー」。今回は同じ役なのに「ミウ・ライイー」となってました。

2015年12月20日追記

ディアゴスティーニ版は第47号で発売されました。残念ながら、全長版ではなく、これまで発売さ
れてきた81分版でした。解説文で、この版にからはカットされているけれども、劇中にブルース・
リーの静止画も使われているとありました。自分がテレビ放送で見た時にあったと記憶していたの
に、DVD版にはなかったので記憶違いかなと思っていたのですが、間違いでないことが分かってよ
かったです。

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はじめまして。 映画が大好きで、現在も続いている午前十時の映画祭の第一回と第二回では上映作品100本全ての映画を鑑賞しました。 映画やテレビはたとえ架空設定のSFであっても、制作当時の時代を映しています。50歳を超えた今、特に邦画と日本のドラマは、過去の世相と風俗を振り返りながら観ていきたいと思っています。
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