秋から冬にかけてのちょうど今頃、北陸には、本格的なブリ漁の季節と重なるように雷の鳴る日が何日かやってくる。まるで、雷によってブリが目覚めるかのように、雷鳴がとどろいた翌朝には、ブリが豊漁となることが多い。そんなことから、ブリを目覚めさせる雷ということで、ブリ起こしと呼ばれるようになったのだろう。
それは、気圧の変化と海水の温度変化など様々な要素が組み合わさって起きるものなのだと思うが、昔から伝承されていることは、確かな生活経験が積み重なった結果生まれたものだから決して無視できない。我々北陸人にとっては、この季節の雷鳴を聞くと、ああブリ起こしの雷だ、ブリに脂がのって、いよいよ本格的な冬がやってくる、そんな風に思うのである。
(画像は、7年くらい前の氷見漁港)
気がつけば、11月も半ばとなり、ブリもフクラギも油がのって美味しくなってきている。
一方で、海水温がもう少し高いところにいるはずで、昔はあまり北陸ではお目にかからなかったシイラなどと言う魚種も、ここ数年氷見で水揚げされるようになり、スーパーでも並ぶようになった。手ごろな値段で並んでいるところを見ると、結構水揚げがあるのだろう。サンマが取れなくなったり、北陸でシイラがあがったりと、地球温暖化の影響と思われる海水温などの変化は、食卓に並ぶ魚も微妙な影響をもたらしている。
明日はブリが豊漁になってくれると良いのだが。
#ブリ起こし
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