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2021年10月21日

「ほとけさま」のようなアーチストたち

父のデイサービス日を利用して、時々美術館に出かける。
月曜のデイサービス日は、公共施設が公休日のところが多いので、木曜が多くなる。
今日訪れた美術館も月曜が定休日である。
ちなみに、県美術館の定休日は、水曜日で、こんなふうに公共施設の休みを、館によってずらすのは、「せっかく来たのに全部休みでどこも見られない!」と言うのを避けられる点では良いことだと思う。

今日の展覧会は、高村光太郎、熊谷守一、中川一政という異才のアーチスト3人を組み合わせた企画展。この3人を組み合わせた展示というのは、なかなか企画性が高いと思う。書と水墨画や日本画を中心とするこの美術館の姿勢というか考え方が伝わってきた。(全国共通の企画だったらごめんなさい(笑))
211021DSC_1514.JPG

印象に残ったものは色々あったけれど、熊谷守一が、白州正子さんに、一筆書いていただけませんかと頼まれて書いたという「ほとけさま」と書かれた掛け軸。
守一の持つ優しく温かい心のようなものが、ほとけさま、というひらがなの文字全体から浮かび上がっていた。
守一は、愛する娘さんたちを亡くしている。そうした思いが、仏教的な方向へも彼を導いたのかもしれない。「南無阿弥陀仏」という軸もあったが、同様に、家族への深い鎮魂の思いが感じられた。
211021DSC_1513.JPG
(注:写真は、オリジナルの展示品でなく、売店で売っていたコピー品です)

高村光太郎の作品では、蝉の木彫に心を奪われた。日本で4つ見つかっているという蝉の木彫の5つ目が、今回富山で展示されているものだという。そのリアリティというかリアルを超えた生命力の表現に、やはりただならぬ才能が具現化されていて、見ていて身震いがするほど素晴らしかった。

中川一政の書も味わい深いものが多かったのは意外であった。
あの激しい筆遣いと強烈な色調の絵からは想像できないようなものが数多くあった。

3人とも、書にも味わい深いものが多かったことに驚かされた。才能豊かな人は、何をやっても素晴らしいのであろう。今回の私の半日休暇は、とても充実した時間となった。













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