"GO FOR KOGEI"と題されたアートイベントの一環で開催されているもので、私の好きなテキスタイルデザイナーの須藤玲子さんも参加されているということもあって、見学に行きたいと思っていた。
また、本堂の半解体工事をはじめ大掛かりな修復工事も昨年末に完了してから勝興寺を訪れるのは初めてだったので、その意味でも楽しみであった。
以前は、足場に囲まれていた建造物が多かったけれど、きれいに修復された総門を車で入り、駐車スペースに車を止めた。日差しの中で、美しく輝く金飾りが施された檜皮葺の唐門をくぐると、威風堂々たる巨大な本堂が見えた。ここも以前来た時には、工事の覆いがかかっていたような気がする。
そもそも、文化財になるほどの寺は、空間自体がアート性を持っており、アートイベントの展示スペースとしてはぴったりといえる。
まず、エントランスで、意表を突く造形空間が出迎えてくれる。入場者は、田辺竹雲斎氏による竹を使った巨大なオブジェの中を潜り抜けていく。
竹かごのような龍のような作品は、なかなか楽しくもあった。
そして、竹のトンネルを抜けると、楮と布で作った八田豊氏のパネル状の作品である。質感が、お寺の空間と調和している。
その向こうには、工事現場のような組み方の巨大なオブジェが待ち受けていた。
そこからは、様々な表情の布のアートがしばらく続き、渡り廊下に行くと、私のお目当ての須藤さんによる美しいテキスタイルアートが本堂へと案内してくれる。
本堂の脇を回り込んだ後には、ざっくりとした風合いの伊藤慶二氏の陶土の作品、そして自然光だけのほの暗い空間に浮かび上がる青木千絵氏の漆を塗った巨大なオブジェが、不思議な雰囲気の世界に導いてくれる。
異空間の中でゆっくりとアートを楽しんだ数時間になった。
帰りには、これまた久しぶりに勝興寺の下にある国登録有形文化財の旧伏木測候所を訪ねた。
係りの方が、ゆっくりと解説をしてくださり、貴重な明治時代の天気図資料も、棚から出してお見せいただいた。
静かで、素晴らしいデイサービス日の半日休暇となった。
#勝興寺 #GO FOR KOGEI
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