話し方や態度に変化があったという人は、62.4%。声の大きさや発音に気を付けるという人がそれぞれ、70%と60%近くに及んでいる。やはり、皆さん、自分の声が聞こえにくいのではないか、ということに気を付けるようになったようである。
言葉というか話すということは、実は、声だけでなく口元を中心とする表情も重要な要素になっている。表情が伝わりにくくなり、さらに声も届きにくくなるということで、声の大きさや話し方に注意するようになった人が多いということであろう。
ちょっと興味深いのは、身振り手振りを多く使うという人が25%くらいいらっしゃるということ。やはり人は、コミュニケーション力が不足するのではないかと感じると、ジェスチャーなどで補足しようとするのだろうか。
また、ビデオ通話やオンライン会議についても調べていて、ビデオ通話やオンライン会議をしたことがある人は、46%にものぼっている。全年代を通して、実に約半分近くの方が、テレビ通話でのコミュニケーションを経験しているという。すごい。
また、年代別に見ると、60代以上でも42%が経験していると回答しているが、これはテレビ会議というよりは、おそらく家族とのスマフォなどでのビデオ通話の経験が多くをしめているのではないかと思うが、どうだろうか。
たまたま別の番組をみていたら、ろうあ者の母娘が、母親がスーパーで買い物などをする際に、相手の口元を見ることで言葉を理解していたのが、マスクによってできなくなり非常に不便を感じているのを娘さんが見て、買い物の時に少しでもコミュニケーションできるように、お母さんのために、意思疎通出来るように様々な言葉を書いたカードを作ってあげた、というものがあった。涙もろいジイサンさんは、娘さんの優しさに思わずほろりとしてしまった。
コロナウィルスが広がり、人と人とのコミュニケーションが制約されるようになってからもう2年以上が経った。この間に大学生活を送っている人は、今までの大学生活とは全く異なるものを味わっておられると思う。大学で、リアルな友達同士のコミュニケーションができない学生生活というのは、これまでのものとはとても大きな違いであると思う。
人と人が、共に学び、語り合い、笑いあい、時に涙を流し、恋をして、酒を酌み交わし、部活動などで趣味やスポーツなどの体験を共にし、そして多くの学生が、卒業から就職へと人生を歩んでいく・・・大学生活とは、そういうものであった。高校までとは異なる学生生活。それが、コロナウィルスで一変してしまった。
そして、幼稚園や小学校など、先生や友達と、まさに触れ合いながら育っていくところであるはずの場が、スキンシップをやめて、一定の距離を置きながら過ごすようになってしまっている・・・・これがどんなふうに、人間としてのコミュニケーション能力に影響を与えるのか、実はとても怖いことだと思っている。
コロナウィルスがもたらした劇的な生活変化は、はかりしれない社会損失でもある。
コロナよ、退散せよ!!
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