今日は、一転して雨の水曜日になった。中庭も雨に濡れている。
考えてみたら、このブログは、食べ物を中心とした日々の何気ない暮しの風景を書き留めるつもりだったのだけど、いつの間にか、コロナのことやら政治の話題やらが入ったりしていた。今日は久しぶりに原点に帰ったテーマを書きたいと思う。タイトルは、ちょっと村上春樹か片岡義男風だけど。
介護をしながら料理をして暮らしているこの数年の間に、いちばんのお気に入りのランチは、ペペロンチーノになった。NHKの料理番組で、イタリアンのシェフが作っていたペペロンチーノを参考にしてベーコンとキャベツのペペロンチーノを作ってみたら、とても美味しかったので、以来、それがランチの定番になった。1週間に1回以上は食べていると思う。
そしてもうひとつ、仕事をしていない年金暮らしの老人の特権として、ランチには、一杯のお酒も楽しんでいる。以前は、ジントニックだったのだが、最近は、ベルモットのソーダ割りが中心になっている。ジンが好きで、20代の終わりころからずっとコンスタントに飲んでいるが、この10年ほど自宅の酒の一つとしても定着している。マティニというカクテルがある。ジンとベルモットをシェイクしたりステア(攪拌)したりして作るのだが、ベルモットはほんの少しだけ垂らす程度とされている。チャーチルなどは、ベルモットのボトルを眺めながらジンだけをなめるというくらいドライ(辛口)なものを好んだという逸話もあるほどだが、毎日夕食前の一杯で何年も飲み続けていると、私の場合、ベルモットは少し入れて、その香りがちゃんとしているほうが好みになった。
そんなわけで、わが家には、常時ベルモットの買い置きがある。そこそこのお給料を頂いていた現役サラリーマン時代には、フレンチベルモットのノイリープラットなどというちょいといいやつを飲んでいたが、年金暮らしの今では、イタリアンベルモットの安いものをもっぱら愛用している。でもこれで十分。
ということで、今日もベーコンとキャベツのペペロンチーノとベルモットのソーダ割りをランチに楽しんだ。外の雨に時々目をやり、内田光子さんの弾くモーツァルトを聞き、ソーダ割りをチビチビとなめながら、ペペロンチーノを楽しんだ。
内田さんのピアノの音が、鎮静剤のように心に沁みこんでいく。ああ、至福の昼下がり・・・
#ベーコンとキャベツのペペロンチーノ
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