鍛え上げられた肉体の美しさはもちろん、プレーをしている時には、精神力の強さが伝わってくる。その「張り」のようなものが、肉体の美と重なりあってさらなる美しさを生み出す。
パラアスリートは、身体的なハンディキャップを抱えている。手や足がない方もいたり、目が見えなかったり。しかし、どの選手も、驚くほどポジティブで、ハンディなど全く感じさせない。健常者のアスリート以上に、長年苦労してきた人生の中で、より強い精神力が形成され、さらにポジティブに高みを目指している。その姿勢が、美しさを増幅しているように感じる。
今日は、走り幅跳びの中西麻耶選手のプレーを見た。
あるインタビュー番組で、解説者が、「彼女は、メイクも、ネイルもばっちりきめて出場しますよ」とコメントしていて、彼女自身も、「義足の美しさも含めて見てほしい」というようなことを語っていた。
今日の彼女は、ドレッドヘアーのような素敵なヘアースタイルだった。鍛え抜かれた美しい肉体とおしゃれな女性としての思い、そして優れたプロダクトデザインによって生み出された最高の義足の美しさ。それら全部に、彼女のチャーミングな笑顔が加わって、感動的な輝きを放っていた。
結果は六位だったけれど、果敢にベストプレーにチャレンジし続けた姿は、本当に美しかった。
義足も車いすも、現在では、世界トップクラスのプロダクトデザイナーと最高水準のモノづくりの技術を融合して作られている。
たまたま日本屈指のプロダクトデザイナーのひとりである山中俊治さんと2年間くらい仕事で何度かご一緒する機会があった。その頃にちょうど義足の開発をされていて、製品化されたものも世に出されていて、それをさらに磨き上げておられた。日本の競技用の義足において、山中さんのデザインワークは、今に至る義足の発展に、大きな役割を果たしていると思う。
パラスポーツは、肉体と精神とプロダクトの融合によって、さらに新しい形の強さと美しさを生み出している。
#パラリンピック #中西麻耶
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