ここではハルチカシリーズ1冊目、「退出ゲーム」をネタバレしていきます!
事件の内容と真相まで淡々とネタバレしていきますので、「まだ知りたくない!」という方は読まない様、気を付けて下さい!
こっちはネタバレ無し→《ハルチカ1作目》「退出ゲーム」の紹介,感想
(アニメの方は原作と内容が異なっている可能性があります)
・結晶泥棒
ハルタとチカは幼馴染みの高校1年生。
秋。
チカはハルタのアパートに押しかけ、ハルタの姉からもらった合鍵とチェーン外しの技術を駆使してハルタの部屋に侵入。
チカは不登校になっていたハルタを学校へと連れ戻す。
チカの学校は文化祭の準備中。
学園祭で化学部から硫酸銅の結晶が盗まれる。
この文化祭では毎年「要求を呑まなければ屋台の食べ物に毒を盛る」という内容の脅迫文が届く。
例年は脅迫文だけで実際には何も起こらなかったが、今年度は硫酸銅という劇薬が盗まれたということで文化祭中止の危機に陥ってしまう。
真相:
「屋台に毒を盛る」という脅迫文は例年通り、ただの脅し。(イタズラ)
硫酸銅を盗んだ女子生徒は、硫酸銅を熱帯魚の病気を治すために盗んだ。
「コバルトスズメ」という熱帯魚の「白点病」という病気は硫酸銅が特効薬になる。
最後にハルタはホモで、ハルタもチカも、吹奏楽部顧問の新任音楽教師、草壁先生が好きだと明かされて話は終了。
(正直、なぜ硫酸銅の結晶を盗んだのか訳が分からない。硫酸銅の水溶液くらいなら、化学部にお願いすれば簡単にもらえたのでは?)
(ちなみに、硫酸銅は確かに劇薬に指定されているが、結晶が屋台の食べ物に混入した程度では人が死んだりはしない。下痢を起こす程度。まあ、それが問題なのか)
・クロスキューブ
中学で吹奏楽をやっていて、吹奏楽の甲子園、普門館にも出場したことがある1年生、成島美代子。
彼女を吹奏楽部に入部させるためにハルタは奮闘していた。
彼女の弟の聡は、普門館の当日に小児脳腫瘍で死んでいたことが発覚する。
成島の家に行くと、そこには弟の形見である多種多様のパズルがあった。
成島:「聡が私に遺したパズルで、これだけがどうしても解けないの」
成島宅からの帰り際、成島はそう言いながらハルタに全面真っ白のルービックキューブを渡す。
結末:
「ジンクホワイト」という顔料がある。
このジンクホワイトの上に油性顔料を塗ると剥離を起こす。
全面白のルービックキューブにハルタが塗料を塗ると、9つのブロックに亀裂が入る。
9つのブロックの塗料をはがしていくと、各ブロックに1文字づつ「正解だよ お姉ちゃん」の文字が書かれていた。
・退出ゲーム
チカが1か月間、フルート教室に通うことに通うことになった。
(チカのフルートの技術上昇)
中国系アメリカ人でサックスの名手、マレン・セイは演劇部に入っていた。
マレンが演劇部と吹奏楽部、どちらに入るかを賭けて、即興劇勝負が始まる。
演劇部:名越(部長)、藤間(女子。看板女優)、マレン
吹奏楽部:上条ハルタ、穂村チカ、成島美代子
即興劇のお題:『偽札犯、時効十五分前の状況で、潜伏場所から退出できるか?』
ルール:制限時間は15分。お互いに自由に台詞を言い合って、舞台の設定を作っていく。そして人を退場させていく。吹奏楽部はマレンを、演劇部は成島を退出させたら勝ち。
即興劇:
6人はアジトに隠れている。
ハルタがワンちゃんを連れてくる
<偽札犯のアジトにワンちゃんがいる設定が追加>
「6人のメンバーに、やる気のない中国人が一人交っている」ことをハルタは心配しだす。
(この時、マレン自身はアメリカ人だが、本人が「中国人でいい」と言った)
<6人の犯行メンバーに中国人がひとり交っている設定が追加>
<ここでメンバーは全員整形手術を受けている設定も追加される>
<アジトの真上の階には一人暮らしの住人がいて、毎晩11時に帰ってくる設定も追加>
名越が、「11時になっているのに上の住人がまだ帰ってきていない。きっとこのアジトの周りが警察に包囲されているんだ。成形した時に偽物がメンバーに交じって、警察と内通している。成島は偽物だ」と言う。
ハルタが「上の住人が帰ってきていないのはまだ11時になっていないからだ。名越の時計が刻んでいるのは日本時間だが、このアジトの場所は中国の蘇州だ」と言い出す。
<アジトの場所は中国だという設定が追加>
そしてハルタは中国に密航できたのは中国人の王ちゃん(ワンちゃん)のおかげだと言い出し、王ちゃんを偽札犯のメンバーとして紹介する。
(当然、みんな「ワンちゃん」は犬だと思っていたが、ここから人間という設定になった)
前に「中国人は1人」と言っていて、マレンは「(自分が)中国人でいい」と言っており、「犯行メンバーは6人」となっていたため、マレンは偽札犯のメンバーではないことになる。
ハルタが犯行に無関係なマレンを追い出し、マレンが退場。吹奏楽部の勝ち。
以降、中国系アメリカ人のマレン・セイが吹奏楽部のメンバーになる。
・エレファンツ・ブレス
(エレファンツ・ブレスとは、「どんな色か不明な色の名前」の一種。このように、どんな色かは伝えられていないが、「色の名前」として残っているものがある)
学校の発明部が「オモイデマクラ」という発明をし、これを売買したことが問題となる。
このオモイデマクラは使用者に夢の中で見たい思い出の情景・イメージを「3つの色とその比率」で表現してもらい、その色と結びつく「音」を睡眠中に聞くことによって自分の見たい夢が見れるという物。
購入した生徒は2人。
ハルタと中学生の後藤朱里。(4月からハルタたちと同じ高校に通う)
ハルタは自分の思い出を、
橙(夕焼けの色)…3
ベージュ…6
モスグリーン…1
の様に表現した(これは夕焼けの中で見た草壁先生の思い出)
後藤朱里は
エレファンツ・ブレス…10
なし
なし
これは、彼女のおじいさんの「エレファンツ・ブレスを見た」という言動から、過去を思い出させるため。
朱里のおじいさんは記憶喪失になっていた。
朱里のおじいさんは画家を目指してアメリカに行ったきり長い間戻ってこなかった。
このおじいさんの、その間の記憶を探っていく。
ハルタとチカが老人ホームにいるおじいさんの下を訪ねると、その部屋は私物化されていて、絵がたくさんかけられていた。
そこには気になる絵が3つ。
『朝焼けの中で眠る象の絵』。3つとも森の中で象が眠っている絵だが、1枚目は空が黄色。2枚目は空が橙色。3枚目は黒色に塗られていた。
この3枚の絵がおじいさんのアメリカでの境遇を物語っていた。
真相:
1966年、留学目的でサンフランシスコに渡来。しかし、黒人差別に反対した暴動、「ワッツ暴動」に巻き込まれ、留学に必要な資金を奪われた。
次に再起を賭け、シカゴに行った。
シカゴでは絵を描いて日銭を稼ぐホームレスとなった。
その間、シカゴのリンカーンパーク動物公園で寝泊まりしていた。
その時、人の前では滅多に眠ることのない象の寝姿を見ることができた。
これが「エレファンツ・ブレス」の正体。
……という結論で終わったかに見せておいて、話は続く。
おじいさんの持っていた3枚の絵。
エージェント・ブルー(黄色)
エージェント・オレンジ(オレンジ色)
エージェント・ホワイト(黒褐色)
この空の色はベトナム戦争で撒かれた枯葉剤の色。
おそらく、このおじいさんはアメリカに行った後、ベトナム戦争に徴兵されていた。
(信じがたいが、アメリカにいた日本人が戦争に徴兵されることがこの時はあった)
そして戦争が終わり、帰国後すぐにこの絵を描いていた。
「おじいさんがエレファンツ・ブレスを見たのはベトナムなのか?」
「アメリカ軍兵士の視点にしてはおかしく、捕虜として捕らえられていたんじゃないか?」
「このおじいさんも枯葉剤に体を蝕まれていたのか?」
「このおじいさんは戦争で人を殺していたのか?」
そんな憶測がされ、後藤朱里が再びおじいさんに会いに行ってこのお話は終了。