主人公が恋愛恐怖症気味に。でも黒羽も追い詰められていた!
幼なじみが絶対に負けないラブコメ 2巻 / 二丸 修一
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以下、ネタバレ・あらすじ
<黒羽が記憶喪失!>
前回、末晴の愛の告白が盛大に失敗してしまい、末晴は心に大きな傷を負いました。
現在末晴は、黒羽とまともに顔を合わせることもできませんが、そんな黒羽が記憶喪失になってしまいました!
(黒羽も強いストレスをかかえていた)
末晴が黒羽にするより先に、黒羽の方が末晴に告白しています。この黒羽が告白した後あたりから文化祭(告白祭)までのことを忘れてしまったようです。
あまりにも都合のいい記憶喪失ですが、これにより黒羽は『末晴のことが好きで、告白したら振られた』状態に戻ったことになり、末晴と黒羽は相思相愛の状況になります。
しかし末晴の心の傷は深く、恋愛にすっかり奥手になってしまい、再び黒羽に告白するようなことはしませんでした。
<志田四姉妹の登場>
末晴のお隣の志田家は4人姉妹で、黒羽は長女です。
黒羽と末晴を心配して、3人の妹たちが登場しました。
(志田家の4姉妹)
長女、黒羽(くろは)。高校二年生。世話焼きで社交的な優等生。低身長なロリ姉。
次女、碧(みどり)。中学三年生。ボーイッシュで粗暴。話しやすく運動能力抜群。スタイルよし。
三女、蒼依(あおい)。中学一年生。控えめで他人を優先する心優しい癒し系。双子の姉。
四女、朱音(あかね)。中学一年生。冷静で合理的な頭脳派。やや孤高なメガネっ子。双子の妹。
<We Tubeで『群青チャンネル』を開設>
甲斐哲彦がリーダーとなり、We Tube(おそらくこの世界のYou Tubeみたいなもの)で『群青チャンネル』というものを開設することになりました。
黒羽、白草、哲彦、末晴の4人がメンバーです。
しかし、これは元・芸能人だった末晴からしたらおままごとのような活動です。末晴は元プロで、現場復帰の可能性もある身です。そこを白草が指摘し、哲彦が答えました。
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哲彦:「プロは金を稼ぐからプロだ。だから利益が最大化するように企画するし、製作する。でも『群青チャンネル』は面白そうだと思うものを企画し、面白くなることを目指して制作する。だから映像が粗く音楽はつたなくても面白さで勝てるかもしれない」
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こうして『エンタメ同好会』の新たな活動の方針が決まりました。
<CM勝負!>
末晴が芸能界にいた頃の妹分、桃坂真理愛(ももさか まりあ)から、末晴に芸能界復帰の話が持ち掛けられました。
ついでに黒羽もスカウトされ、話を聞くために仲間たち(真理愛、黒羽、白草、哲彦)を連れて、末晴は芸能プロダクションの社長に会いに行きました。
しかし社長のハーディ・瞬(しゅん)は黒羽をしつこく勧誘し、
「……君、ノリ悪いね? 親の教育が良くないんじゃない?」
という言葉が出たところで末晴はガマンできなくなり、その場にあったワインを瞬社長の頭にかけ、
「――俺の幼なじみをバカにすんな」
と言い放ちました。
その場の流れでスポンサーである白草の父親の会社の、新商品(スポーツドリンク)のCMを撮って勝負することになりました。
末晴たちの『群青同盟』が作ったCMと、瞬社長の『ハーディ・プロ』が作ったCMとで人気投票をします。
末晴たちが負けたら末晴がハーディ・プロに入って、芸能界に復帰しなければいけません!
<逆転勝利!>
両者がCMを作り、一般の人たちの投票が3日間行われました。
末晴たちが作ったCMは初めのうちは劣勢でしたが、後に『アシッドスネーク』という音楽グループの新曲、『ナルコレプシー』のMV(ミュージックビデオ)に末晴が出演しました。
これがニュースに取り上げられ、例のCM勝負の宣伝となり、投票の最終日に一気に票を伸ばして逆転勝利!
末晴はハーディ・プロに入ることなく、芸能界に復帰することにはなりませんでした。
<桃坂真理愛について>
桃坂真理愛(ももさか まりあ)の両親は二人とも水商売をしていました。しかし歳をとる毎に『若さ』という魅力が両親から失われていき、生活は苦しく、両親の機嫌も悪くなり、やがて真理愛や姉である絵里(えり)に暴力を振るうようになりました。
大好きだった姉は中学を卒業してすぐに真理愛を引き取って養うために就職。中卒の少ない給料で真理愛を養ってくれました。
真理愛は姉意外の全てを憎んでいましたが、芸能界にスカウトされ、末晴と出会って本気で芸能活動に取り組むようになり、世界が変わりました。
そして末晴のことが好きになりました。
今では真理愛が姉の絵里を養っていて、絵里(現在23歳)は大学生として人生をやり直しています。
尚、桃坂真理愛は末晴の高校に転校してくる予定です!
<甲斐哲彦について>
今回CM勝負をしたハーディ・プロの社長、ハーディ・瞬は哲彦の父親です。
更に、本人は知りませんが後輩の玲奈(れな)もハーディ・瞬の娘です。
『群青同盟』の支援を、白草の父親である総一郎(そういちろう)さんが引き受けてくれることになりました。
その際、総一郎さんは哲彦のことを調べていたようで、以下のような会話がありました。
――――――――(総一郎さんと哲彦の会話)
「後輩に浅黄玲菜(あさぎ れな)ってやつがいるんですけど、そいつを"群青同盟"に関わる事務のどこかで働かせてやってくれませんか? もちろん学校に影響がないレベルで。それで定期的にそこそこの報酬を与ぇてやって欲しいんですよ」
「腹違いの妹であることは、自分で調べたのか」
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「まあ、そうっすね。……オレんちは母親の心が壊れても、元々金持ちだから何とかなったんですよ。でもあいつの家は貧しいんで」
「わかった。断る理由がない話だ。むしろ君からそういう提案があって、私は嬉しく思う」
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「ちなみにこの話題は他言無用っすよ。玲菜もオレが兄って知りませんし」
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(個人的に、哲彦のクズキャライメージが少し崩れた瞬間でした)
<黒羽の記憶喪失は嘘だった!>
――――――――(2巻の最後、黒羽と末晴の会話)
黒羽:「この前の小テストもハルはケアレスミスだらけだったでしょ? ちょっと成績マズいんじゃないの?」
「……う」
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「クロはずっと上位をキープだもんなぁ。すげぇよ」
「ふふん」
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「努力が違うの。夏休みだって夏期講習中、ハルは寝まくってたじゃん。見えてたよ?」
「………………クロ」
「何?」
「記憶喪失なのに、どうして夏期講習のこと覚えてるんだ?」
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こうして黒羽の記憶喪失が嘘だとバレてしまいました。
(3巻へ続く)
(『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』2巻のネタバレ・あらすじ)