今度のキーパーソンはクラスの女王・紺野エリカ!
弱キャラ友崎くん 4巻 / 屋久 ユウキ
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<1 通常攻撃の威力が上がると冒険がぐっと楽になる>
夏休みが終わり、学校が始まりました。
日南から出題された前回の『小さい目標』(女子と二人っきりで出かける)を達成したので、友崎には新たな『小さな目標』が言い渡されました。
次は『女子とお互いの秘密を共有すること』です。
3週間後に球技大会があり、男子・女子でそれぞれ1人ずつキャプテンを決めなくてはいけません。
男子からは竹井が喜んで立候補してくれましたが、女子の方は紺野エリカからの圧力に屈する形で、平野さんという気弱な女子がキャプテンにされてしまいました。
友崎、水沢、竹井、中村たちでゲームセンターに寄りました。中村が親とケンカしているようで、ゲームセンターから帰ろうとしません。
―――――――
水沢「修二(中村の下の名前)……これはまたあれだな」
竹井「っぱそーだよね!? 喧嘩してるんかなぁ」
水沢「時間経つのを待つしかないよなあ。よし子、かなり手ごわいし」
友崎「えーっと。よし子、って?」
水沢「まーあいつん家ちょっとめんどくさくてさ。母親がめっちゃ過保護っていうか、教育ママでな。成績落ちたり、遊びすぎたり、帰り遅かったりすると、それはもう猛烈に怒るらしいんだよ。よし子まじ強くて」
―――――
友崎「喧嘩か……でも、ならいまこうして帰り遅くなってるの、余計にまずいんじゃないのか?」
水沢「だと思うだろ? そこが修二のめんどくさいとこなんだよなあ」
水沢「ああなった修二は、まじで帰らない。意地でも」
友崎「つまり……喧嘩したから会いたくないとか困らせてやるとかそういうことで?」
「そーいうこと」
「子供かよ……」
「ははは! ホントだよな」
―――――――
<2 情報収集パートが退屈じゃないゲームは名作>
日南から新たな課題が言い渡されました。
課題は『紺野エリカグループをやる気にさせること』です。これまでは『女子に話しかける』や『中村をいじる』など具体的な課題が多かったですが、今回は自分で考えて自分で行動しなくてはいけません!
(紺野エリカは球技大会を面倒がっていて、全くやる気がない様子)
友崎は泉優鈴、菊池さん、バイト先の後輩のぐみ(成田つぐみ)などから意見を聞いて作戦を考えます。
紺野エリカは見下されたくないという思い強い女子です。しかし球技大会で頑張って結果を出すのは面倒だから、球技大会自体を否定してばかにして、『球技大会で負けても別にいい』ムードを作り上げています。
友崎は、『球技大会で勝たないと見下される』という空気を作れば紺野エリカも頑張るようになると考えました。
<3 難しいクエストのあとには潜在能力が覚醒したりする>
中村が学校に来なくなりました。これまでは母親と喧嘩しても、1日休む程度で学校に復帰していたそうです。
泉が中村の家に行って直接母親と話して、『アタファミのやりすぎで、家でやることを禁止したら大喧嘩になった』という事情が分かりました。
中村の母親を説得するため、アタファミをやっている日南、友崎、泉の3人が猛勉強して、数学の小テストで全員90点を取ろうとしました。
結果、数学が苦手だった泉はしっかり90点を取り、日南は100点、友崎は85点。友崎だけ目標を達成できず、肩身の狭い思いをしました。(残念)
母親との関係は修復できていませんが、中村は学校に来るようになりました。
中村は泉が数学が苦手なことを知っていたので、泉の頑張りを知って来ない訳にもいかないと思ったようです。
中村を学校に復帰させた泉優鈴は勢いに乗り、そのままキャプテンをやらされていた平林さんを助けるべく、キャプテンを交代しました。
泉は人助けに目覚めたようです。
<4 無理ゲーに見えるボスにも必ず弱点がある>
・友崎からのお願いで、『みんなで球技大会を楽しみたいと思ってる』ということを、泉は紺野エリカに伝えました。
・紺野エリカは日南をライバル視していたので、『球技大会で結果を出さないと、日南に見下される』と思わせるようにしました。
具体的には、友崎が日南にお願いして、日南は紺野の取り巻きの女子たちに「エリカって試合出るの?」「だるいなら私にまかせとけば平気だから!」「エリカってあんまそーいうの得意なタイプじゃないでしょ?」などの、紺野を煽るようなセリフを言いました。
(無事に紺野にも伝わった)
・紺野エリカはまだ中村のことが好きな様子だったので、友崎は水沢に頼んで『中村はスポーティな女が好みらしい』という情報を伝えてもらいました。
友崎の根回しの結果、紺野エリカは目に見えて球技大会に意欲的になり、日南からの課題を無事に達成!
その後球技大会まで、友崎は日南からの指示でアップシュートの練習をしました。
(球技大会の種目は、男子はバスケ、女子はソフトボール)
<5 ずっと放置されてきたフラグはだいたい突然回収される>
球技大会当日。
―――――――
「ファウル……と、ダブルドリブルと、トラベリング……っ!」
ひゅ〜〜〜!!
―――――――
友崎が同時に3つ反則を犯し、そのメチャクチャなプレイに場が沸きました。
最終的に友崎のクラスは男女ともに1位を取り、球技大会は大成功!
球技大会が終わった後、中村は泉優鈴に「――ま、付き合うか?」とアッサリ告白(?)をして、二人は付き合うことになりました。
<6 ハッピーエンドを迎えたあとも、『人生』は続く>
紺野エリカは中村のことが好きでした。しかし中村を親友の泉優鈴に取られてしまい、イライラが募ったせいか紺野エリカは弱気な平林さんをいじめるようになりました。
紺野エリカの憂さ晴らしはだんだんエスカレートしていき、平林さんのシャー芯がほとんど折れてたり、ボールペンのインクが出なくなったりするようになりました。
ある日、紺野エリカの行動を見かねたたまちゃんが、
「――紺野!」
「いつまでやってんの! いい加減そういうくだらないことはやめる!」
と注意しました。
その結果、紺野エリカの憂さ晴らしのターゲットはたまちゃんに代わり、以降たまちゃんが被害にあうようになりました。
紺野エリカはたまちゃんの肩に手を置き、それを振り払わせ、大げさに痛がって見せ、「先に手ぇだしたのは、そっちだから」と言い、以降はたまの『暴力』をダシにしてたまを言葉で押さえつけるようになります。
たまのシャーペンの芯やボールペンはしばしば壊され、紺野のグループの雑談から、たまちゃんを悪く言う声がよく聞こえてくるようになりました。
更に紺野エリカは、
「過剰反応し過ぎでしょ」
「空気読めないもんね夏林って」
などの発言で、『たまちゃんが悪者』という空気を教室内に作り上げ、やがてクラスの一部の人たちもたまちゃんを避けるようになっていきました。
空気の悪い教室の中、みみみはたまちゃんに相変わらずに笑って話しかけますが、その声はクラス中には響かない程度の、小さな音量で交わされます。
教室の空気が、たまちゃんが大きな声で話すことを許しません。
放課後の6時過ぎ。
友崎が教室へ戻ると、たまちゃんが窓から陸上部(みみみや日南の部活)を見ていました。
たまちゃんは、自分のまっすぐな言動で紺野エリカに強く反発して、教室の空気を悪くしていることを自覚しています。また、それでも『自分は悪くない』という自信を持っています。
しかしたまちゃんは友崎に、『自分を変えたい』と言いました。
――――――
「友崎って最近、すごく変わったと思う。うまく空気読んだり、笑ったり、みんなと馴染んだり。私と似てるのに、本当は得意じゃないことに挑戦して、ちゃんと変わってる。そういうことってできるんだ、って思った」
「だからね。そのやり方を――」
「戦い方を、私にも教えて」
――――――
たまちゃん自身は現在の状況に耐えられます。しかし、自分がいじめられていることを『みみみが悲しんでいる』ため、変わろうと決意したのでした。
(『弱キャラ友崎くん』4巻のネタバレ・あらすじ)