『弱キャラ友崎くん Lv.1』の概要をまとめていきます。
(第1巻目で説明が沢山必要&登場キャラもすべて新キャラのため、詳しめに書いています)
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<0 クリア後にオープニングを見直すとなんかしんみりする>
人生はクソゲーだと思っている主人公の主張から物語が始まります。
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たまたま強キャラに生まれて(人生を)楽しめてるだけのにわかゲーマーに、人生を語る資格はない。あらゆるゲームをがんばり続けて、頂点に立ち続けてきた俺が言うんだから間違いない。
人生は、クソゲーだ。
――以上。日本一のゲーマー、nanashiより。
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<1 なんだかんだ言って有名なゲームは大体おもしろい>
主人公の友崎文也(ともざき ふみや)は、クラスメイトの中村とアタファミ(『アタックファミリーズ』というこの作品内の格闘ゲーム)で対戦し圧倒。完勝しました。
主人公の友崎は人生を諦めている、いわゆる陰キャ。
一方中村はクラスの中心的な人物。『茶髪でイケメン、見るからにリア充、勉強も運動もモテも、それこそゲームの上手さすらもすべてトップクラス、要領の良さだけで周囲の人間から頭ひとつ抜けてきたような、自信に満ち溢れた顔つきのリア充高校生』。
そんな中村を、友崎がアタファミでボコボコにして、プライドをへし折ってしまいました。
主人公の友崎は、アタファミで日本一位実力者です。(中村には言ってませんが)
『nanashi』というハンドルネームでオンライン対戦を極め続けています。
そんなアタファミで、現在日本二位であるプレイヤーの『NO NAME』と対戦で当たり、二機を残して勝利。対戦後のチャットで『NO NAME』とオフ(現実で会うこと)に誘われ、次の土曜日に会うことになりました。
土曜日。
『NO NAME』の正体はクラスメイトの日南葵(ひなみ あおい)という女子でした。
日南(ひなみ)は学業も運動も全国クラスの超・スーパー女子高生で、性格も明るく交友関係も広い、クラス一番の人気者です。
しかしそんな日南(NO NAME)は普段の明るい性格と全く違い、友崎にはキツい態度と口調で喋り始めました。
日南は普段は明るいキャラを作っていますが、アタファミのこととなると我を忘れるようです。
――――――
「最悪ね……」
「できれば信じたくないわ。nanashiの正体がこんなうだつのあがらないやつだなんて」
「ひ、日南さん?」
「そ、それにしても、えーと、NO NAMEが日南さんだったとか、ビックリ……というか」
「そうね。私もガッカリだわ。あなたみたいな向上心のカケラもない、人生を負けたまま放棄してるゴミみたいな人間が、私が唯一尊敬していたあのnanashiだったなんて」
「……は?」
――――――
その後、『自分は弱キャラに生まれてきたから人生はクソゲー』と主張する友崎に対し、「日南は人生というゲーム」を真剣にプレイもせずに『クソゲー』呼ばわりされたことに猛反発。
「私はあなたにこのゲームのルールをひとつひとつ教えていくわ。だから――」
「この『人生』というゲームに、本気で向き合いなさい!」
友崎は、彼女がしてきたであろう膨大な努力を察し、また、本気でプレイもしてないのに『人生はクソゲー』と決めつけることも自分の主義に反するため、友崎は日南葵の弟子となって人生を本気で攻略していくことになりました。
・まずは口角を上げてにこやかな表情ができるようにする練習です。友崎は普段の生活でマスクを着けることになりました。
――――――
「これから一か月。食事と睡眠のとき以外は、移動中、授業中、人と話してるときも常に、マスクの下は満面の笑みで生活しなさい」
「……ええ!? まじで? 常に?」
――――――
<2 一回の戦闘でレベルが連続で上がるとめっちゃ気持ちいい>
日南に弟子入りして1日目。
この日の課題は『学校の女子三人以上に話しかける』でした。
・日南に指定されたように、隣の席の泉優鈴(いずみ ゆず)に「え、えーと、ティッシュ持ってたりする? 風邪ひいたんだけど忘れちゃって……」
と声をかけることに成功。
その際優鈴(ゆず)はティッシュをもっておらず、後ろの女子、菊池風香(きくち ふうか)にティッシュを持っているか聞いてくれて、無事にティッシュを手に入れました。
しかし、鼻をかむ動作をした時にマスクの下の笑っていた顔を見られてしまい、ドン引きされてしまいました。(笑顔の特訓中)
・四時間目の家庭科。
ここで隣の席になる七海みなみ(ななみ みなみ)、通称『みみみ』に話しかけることに成功。
先にみみみに声をかけられて先制されてしまいましたが、その後友崎が話しかけ直しました。
――――――
「ん、どーした友崎くん。早いね!」
「……いや、えーと、あの、なんとなく」
「あー、そう?まあ、だよね。そんなもんだよね!」
「い、いやーでもすごいよねー」
「ん?なにが?
「いやほらいまさ、『なんとなく』とかさ、まったく実りのない答えしたのにさ」
「うん?」
「なににさ、『だよね!』って返せるなんてさ……最近の若い子の共感能力ってすごいなーと思って……」
――――――
この言葉がみみみのツボにハマり、大笑いされました。
この時、みみみの友達の夏林花火(なつばやし はなび、通称『たまちゃん』)とも会話できました。
初日は4人の女子と会話することができ、上々の結果でした!(ただし、4人中3人は自分から話しかけたわけではない)
<3 ソロで狩りをすると一体の経験値がでかくてびっくりする>
・日南葵に混ぜてもらい、男女混合のクラスメイト達と一緒に帰宅することになりました!
(帰りの電車内)
日南がたまに友崎に話題を振ってくれるおかげで、友崎はなんとかリア充空間でやりすごすことができていました。
しかし、やがて日南が下車してしまい、降りる駅が一緒だったみみみと二人で歩くことになりました。
コミュ力の高いみみみが相手だったため、会話には困りませんでした。みみみとたま(夏林花火)の関係性の話をしながら無事にクラスメイト達との帰宅を完遂しました。
(たまは自分の主張を曲げないから、みみみが折れてフォローにまわっているそう)
<4 一人目の仲間が女の子だとしばらくデート気分で冒険できる>
友崎の訓練のため、日南葵と大宮へ向かいました。(二人でデートのような状況になった)
ファッションの選び方のアドバイスを受けた後、服屋に行ってマネキンが着ていた服をセットで購入。
美容室に行って髪を整えてもらい、本屋にも向かいました。
食事したレストランでは菊池さんが働いていて、その時の彼女の友崎への好意的な様子を見て、友崎が最初にお付き合いを狙う女子に決まりました。
日南:「菊池風香。あの子があなたの最初の『攻略ヒロイン』よ」
(もちろん友崎は驚き動揺した)
友崎の当面の目標は、『家族、または身近な友達に『彼女でもできた?』など、何かしらの変化を指摘される』ことでした。
そして遂に、妹から
「……お兄ちゃん……あのさあ……。……それ、お兄ちゃんのセンスだけじゃとてもありえない変化だよね? ……なに? 色気づいて脱オタの本でも読んだ?」
と変化を指摘されました!(それを聞いた日南は苦笑のような、何とも言えない表情を浮かべていた)
最初の『小さい目標』をクリアしたので、次の目標が発表されました。
次の目標は『日南以外の学校の女子と、二人っきりでどこかに出かけること』です。
(ちなみに『大きい目標』は日南と同じくらいのリア充になることで、『中くらいの目標』は三年に進級するまでに彼女を作る事)
<5 強い技と装備を手に入れると嘘みたいにスムーズに進めて楽しい>
声のトーンの練習をしたり、お尻に普段から力を入れて姿勢を正したり、毎日2回泉さんに話しかけたり。こちらから出す話題を予め用意しておく『話題の暗記』など、友崎の訓練は続きます。
・図書室で、菊池さんの方から友崎に声をかけてきました!友崎がよく『マイケル・アンディ』の本を読んでいるのを見ていて気になっていたようです。
(友崎はいつもゲームのことを考えていて集中していたため、よく菊池さんも図書室にいることに気づいていなかった)
しかし実は、友崎はいつも本を読むふりをしながらアタファミのことを考えていただけだったので、本の内容を知りませんでした。
・泉優鈴(いずみ ゆず)は、同じクラスの中村のことが好きでした。この中村は、友崎がアタファミで圧勝した相手です。
どうやら中村は友崎に勝つために猛練習をしているようで、ゲームのことばかりで優鈴のことを相手にしてくれません。
そこで優鈴は、友崎にアタファミを教えてくれと頼みこみ、その流れで優鈴の家にお邪魔し、彼女の部屋でゲームを教えました。(大きな進展!)
<6 ダンジョン攻略後に村に帰ると強いボスがいたりする>
友崎は、菊池さんに『マイケル・アンディの本は読んでいなかった(アタファミのことを考えていただけだった)』と素直に話しました。
菊池さんはそれでも友崎に優しく微笑んでくれました。
・友崎のクラスにとって大きな出来事が起こりました。
学校で、中村が友崎にアタファミのリベンジマッチを挑んできました。
クラスメイト達もギャラリーに呼んで、中村は絶対に負けられない状況。そして中村は、友崎が優鈴の家に行っていたことを知っていて、それが気に喰わない様子でした。
友崎はゲームでは手を抜かない質なので、そんな状況で中村に圧勝し続けます。しかし中村は負けても負けても勝負を挑み続け、どんどん空気は悪くなりました。
その場にいた紺野エリカが「修二さぁ〜、いい加減諦めたら?そろそろ、キモいんだけど」「つーかなに?ゲームごときにマジになっちゃってさ〜。くだらないんだけど」と言い出し、このエリカの言葉に修二ではなく友崎が怒り出しました。
優鈴が勇気を出して友崎や修二をフォローし、紺野エリカは優鈴の言葉を聞いてシラけてしあい、その場は収まりました。
<7 スタッフロールのあとには後日談があってほしい>
大きな事件はありましたが、意外とその後のクラスの勢力図は変わらず、中村がトップに君臨し続けました。
これまでのことを振り返りながら、友崎と日南は二人でイタリアンレストランで食事しています。
ここで友崎の方から日南を誘いました。
「明日のさ、マリー・ジョーンの試写会のチケットを持ってるんだけど、一緒に行かないか?」
日南は一瞬面食らい、そのあと憎たらしそうに笑いました。
「――ああ、ごめんなさい。明日は予定が入ってるの。行けないわ」
友崎は努めて明るくはははそうか、と笑いましたが、心から落ち込みました。しかし日南の言葉は続きます。
「だけど、まあ」
「このあとなら空いてるから、これから、他の映画でも行く?」
友崎は一瞬頭が真っ白になった後、猛烈な高揚感のような、達成感のような、興奮に襲われました。『現実で、自分の努力で、自分が欲しい結果を出した』実感に友崎は喜びました。
(『弱キャラ友崎くん』1巻(Lv.1)のネタバレ・あらすじ)