2014年05月14日
第24回世界コンピュータ将棋選手権 二次予選 5回戦 激指対NDF
先日の世界コンピュータ将棋選手権の棋譜が手に入ったので、
暇な時に検討していきたいと思います。
まずは観戦していて最も気になった将棋「二次予選 5回戦 激指対NDF」
戦型は横歩取り▽8四飛戦法の▽5五歩位取り型。
この形は10年くらい前にプロ間で一瞬だけ流行った形。
深浦九段が▽3四飛と回る形を指していたと思います。
ちなみにぼくの得意戦法であり、昔はけっこう研究しました。
そしてこの▲3七銀〜▲4六銀と、5筋の位を逆襲するのがよくある指し方。
他に▲3七金〜▲4六金と繰り出すのも有力です。
対して▽4四角も定番の一手で、▲3五歩を突かせず飛車に当てる意味。
と思っていたけど、これに対して▲3五歩が激指の一手。
以下▽同角▲2八飛▽5一金▲5五角に▽2四飛!
2四地点で飛車交換を挑むのは、イマドキの横歩取りといった雰囲気。
ただし、ここでの飛車交換は先手良いように見えますけどね。
以下飛車交換からお互い飛車を打ち合い、さらに歩を打ち合って下図。
一見、この▽8三歩は▲同飛成で意味が無さそうに見えますが、
以下▽2五飛成で下図。
この時、5五の角取りになるわけですが、飛車が8四のままだと、
▽5五龍には▲2四飛車があるので、それを防ぐ▽8三歩だったのかなと思います。
以下▲3五歩▽3六歩▲4八銀▽3五角▲8一龍▽5四歩▲2二角成▽同龍
▲3九金▽5五角▲4六銀▽同角左▲同歩▽9九角成▲7七桂に▽2六香で下図。
ここがこの将棋のハイライトシーンです。
結果的にこの香を打った位置が悪かったと思いますが、
ここでの次の一手は、ぼくには衝撃でした。それがこの▲1五角!
ぱっと見た感じでは不可解な一手なんですけど、
よく読むと、ほほーという一手。
まず、次に▲5一角成がどれほど厳しいのかが疑問に見えます。
しかしこれが決定打と言えるほど厳しい寄せになります。
本譜の進行は以下▽2八香成▲5一角成と進むので、後ほど見ていくとして、
では▲5一角成を受ける手はどうなのか。
例えば4二地点で受ける(▽4二銀など)とすると▲3四桂の両取りがあります。
では▽3三銀と受けると▲3四歩があります。
以下▽2四銀には▲2六角で、打ったばかりの香が取られます。
だから最初に▽2四銀などと受ける手もありません。
また▽3三銀▲3四歩に▽4二銀と我慢しても▲3三桂があります。
よーく見ると、なんと受けが無いんですよね。
というわけで▽2八香成とするしかなく、
以下▲5一角成▽同銀▲6二金▽4二銀に▲5三桂!
まあ普通の寄せで、一瞬で読める筋なだけに、
これで決まってるの?と思いがちな寄せですが、決まってますね。
中原囲い瞬殺の図です。
以下▽3一玉〜▽2七龍と、必死の逃走を図って意外にも難しい局面が続きますが、
激指は冷静そのものの指し回し。
この▲2三歩も洒落た手ですよね。
以下、ぼくなら逆転負けしそうな局面もありましたが、
最後はきっちり長手数の詰みに討ち取り完勝。
棋譜を張っておきますので、気になった方は見て下さい。
開始日時:2014/05/04 13:47:03
先手:激指
後手:NineDayFever
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲3六飛 △8四飛
▲2六飛 △2二銀 ▲8七歩 △4一玉 ▲5八玉 △6二銀
▲3六歩 △5四歩 ▲4八銀 △5五歩 ▲3七銀 △4四角
▲3五歩 △同 角 ▲2八飛 △5一金 ▲5五角 △2四飛
▲同 飛 △同 角 ▲8四飛 △2七飛 ▲2八歩 △8三歩
▲同飛成 △2五飛成 ▲3五歩 △3六歩 ▲4八銀 △3五角
▲8一龍 △5四歩 ▲2二角成 △同 龍 ▲3九金 △5五角
▲4六銀 △同角左 ▲同 歩 △9九角成 ▲7七桂 △2六香
▲1五角 △2八香成 ▲5一角成 △同 銀 ▲6二金 △4二銀打
▲5三桂 △3一玉 ▲5一金 △2七龍 ▲4一金 △2二玉
▲4二金 △同 金 ▲3一銀 △1二玉 ▲2三歩 △同 龍
▲4九金 △3八金 ▲3五銀 △3二金 ▲2四歩 △3三龍
▲8二龍 △1四角 ▲3八金 △3七歩成 ▲4七金 △2二歩
▲同銀成 △同 龍 ▲3七桂 △3八成香 ▲2五桂 △8六歩
▲1五金 △2三歩 ▲1四金 △同 歩 ▲6八玉 △8七歩成
▲同 金 △4八成香 ▲同 金 △8一歩 ▲6二龍 △2四歩
▲5六角 △2三金打 ▲3三歩 △3一銀 ▲3二歩成 △同 銀
▲1三香 △同 桂 ▲2三角成 △同 龍 ▲3二龍 △同 龍
▲1三桂成 △同 玉 ▲2五桂 △同 歩 ▲2四金 △1二玉
▲2三銀 △同 龍 ▲同 金 △同 玉 ▲2四歩 △3三玉
▲3四歩 △4二玉 ▲7二飛 △5二角 ▲4一金 △5三玉
▲6五桂 △6四玉 ▲7三飛成 △5五玉 ▲5六歩 △同 玉
▲5七金 △6五玉 ▲7五龍
まで147手で先手の勝ち
暇な時に検討していきたいと思います。
まずは観戦していて最も気になった将棋「二次予選 5回戦 激指対NDF」
戦型は横歩取り▽8四飛戦法の▽5五歩位取り型。
この形は10年くらい前にプロ間で一瞬だけ流行った形。
深浦九段が▽3四飛と回る形を指していたと思います。
ちなみにぼくの得意戦法であり、昔はけっこう研究しました。
そしてこの▲3七銀〜▲4六銀と、5筋の位を逆襲するのがよくある指し方。
他に▲3七金〜▲4六金と繰り出すのも有力です。
対して▽4四角も定番の一手で、▲3五歩を突かせず飛車に当てる意味。
と思っていたけど、これに対して▲3五歩が激指の一手。
以下▽同角▲2八飛▽5一金▲5五角に▽2四飛!
2四地点で飛車交換を挑むのは、イマドキの横歩取りといった雰囲気。
ただし、ここでの飛車交換は先手良いように見えますけどね。
以下飛車交換からお互い飛車を打ち合い、さらに歩を打ち合って下図。
一見、この▽8三歩は▲同飛成で意味が無さそうに見えますが、
以下▽2五飛成で下図。
この時、5五の角取りになるわけですが、飛車が8四のままだと、
▽5五龍には▲2四飛車があるので、それを防ぐ▽8三歩だったのかなと思います。
以下▲3五歩▽3六歩▲4八銀▽3五角▲8一龍▽5四歩▲2二角成▽同龍
▲3九金▽5五角▲4六銀▽同角左▲同歩▽9九角成▲7七桂に▽2六香で下図。
ここがこの将棋のハイライトシーンです。
結果的にこの香を打った位置が悪かったと思いますが、
ここでの次の一手は、ぼくには衝撃でした。それがこの▲1五角!
ぱっと見た感じでは不可解な一手なんですけど、
よく読むと、ほほーという一手。
まず、次に▲5一角成がどれほど厳しいのかが疑問に見えます。
しかしこれが決定打と言えるほど厳しい寄せになります。
本譜の進行は以下▽2八香成▲5一角成と進むので、後ほど見ていくとして、
では▲5一角成を受ける手はどうなのか。
例えば4二地点で受ける(▽4二銀など)とすると▲3四桂の両取りがあります。
では▽3三銀と受けると▲3四歩があります。
以下▽2四銀には▲2六角で、打ったばかりの香が取られます。
だから最初に▽2四銀などと受ける手もありません。
また▽3三銀▲3四歩に▽4二銀と我慢しても▲3三桂があります。
よーく見ると、なんと受けが無いんですよね。
というわけで▽2八香成とするしかなく、
以下▲5一角成▽同銀▲6二金▽4二銀に▲5三桂!
まあ普通の寄せで、一瞬で読める筋なだけに、
これで決まってるの?と思いがちな寄せですが、決まってますね。
中原囲い瞬殺の図です。
以下▽3一玉〜▽2七龍と、必死の逃走を図って意外にも難しい局面が続きますが、
激指は冷静そのものの指し回し。
この▲2三歩も洒落た手ですよね。
以下、ぼくなら逆転負けしそうな局面もありましたが、
最後はきっちり長手数の詰みに討ち取り完勝。
棋譜を張っておきますので、気になった方は見て下さい。
開始日時:2014/05/04 13:47:03
先手:激指
後手:NineDayFever
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲3六飛 △8四飛
▲2六飛 △2二銀 ▲8七歩 △4一玉 ▲5八玉 △6二銀
▲3六歩 △5四歩 ▲4八銀 △5五歩 ▲3七銀 △4四角
▲3五歩 △同 角 ▲2八飛 △5一金 ▲5五角 △2四飛
▲同 飛 △同 角 ▲8四飛 △2七飛 ▲2八歩 △8三歩
▲同飛成 △2五飛成 ▲3五歩 △3六歩 ▲4八銀 △3五角
▲8一龍 △5四歩 ▲2二角成 △同 龍 ▲3九金 △5五角
▲4六銀 △同角左 ▲同 歩 △9九角成 ▲7七桂 △2六香
▲1五角 △2八香成 ▲5一角成 △同 銀 ▲6二金 △4二銀打
▲5三桂 △3一玉 ▲5一金 △2七龍 ▲4一金 △2二玉
▲4二金 △同 金 ▲3一銀 △1二玉 ▲2三歩 △同 龍
▲4九金 △3八金 ▲3五銀 △3二金 ▲2四歩 △3三龍
▲8二龍 △1四角 ▲3八金 △3七歩成 ▲4七金 △2二歩
▲同銀成 △同 龍 ▲3七桂 △3八成香 ▲2五桂 △8六歩
▲1五金 △2三歩 ▲1四金 △同 歩 ▲6八玉 △8七歩成
▲同 金 △4八成香 ▲同 金 △8一歩 ▲6二龍 △2四歩
▲5六角 △2三金打 ▲3三歩 △3一銀 ▲3二歩成 △同 銀
▲1三香 △同 桂 ▲2三角成 △同 龍 ▲3二龍 △同 龍
▲1三桂成 △同 玉 ▲2五桂 △同 歩 ▲2四金 △1二玉
▲2三銀 △同 龍 ▲同 金 △同 玉 ▲2四歩 △3三玉
▲3四歩 △4二玉 ▲7二飛 △5二角 ▲4一金 △5三玉
▲6五桂 △6四玉 ▲7三飛成 △5五玉 ▲5六歩 △同 玉
▲5七金 △6五玉 ▲7五龍
まで147手で先手の勝ち
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