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2014年11月02日
Clean Clean Clean @Seoul
クルマを停めて、2Fにあるゲストハウスに駆け上がった。
ゲストハウスの扉を開けると、
「安宿」とは程遠い色使いが飛び込んできて、かなりオドロカされた。
上がってきた薄暗い階段とは対照的な色合い。
自分が泊まっている宿もかなりキレイなのだが、
ここは内装やリネンの色使いがかなり凝っていた。
オーナーとスタッフを紹介される。
「オーナー」といってもまだ20代らしく、意気揚々と動き回り、働いていた。
彼を助けるようにマメに動いているスタッフも同年代なのだろう。
そのスタッフの男性にイキナリ日本語でアイサツされ、驚いた。
「はじめまして」
「こちらこそ、はじめまして」
異国で異国の人に日本語で話しかけられるとなんとも恐縮してしまう。
勝手な思い込みだが、正しい日本語を話さなくては、と思ってしまうのだ。
「きれいな日本語ですね」と話しかけると、
その彼はオーナーとこのゲストハウスを立ち上げることになった経緯を話してくれた。
36種類の野菜・果実を配合し、さらに生酵母、乳酸菌をプラスしたカロリーコントロール
そもそもは兵役時代に知り合い、
その後、オーナーは世界放浪へ、彼は日本へ留学、とそれぞれの道を進んだ。
放浪から帰国して「ゲストハウスを開く」と志を立てたオーナーに
日本語が使えるところを見込まれ、声をかけられた、というのだ。
「兵役で仲良くなった」というのがなんとも韓国的である。
東南アジアの国では徴兵制は珍しくはないのでそのことには驚かなかったが、
彼らがいい意味でたやすく「起業」してしまう「意欲」に驚かされた。
うちの宿の彼とオーナーがアレコレ語っている間、
日本語を話せる彼から矢継ぎ早に質問を浴びせかけられた。
明るく広いリビングでは北欧系の滞在客が
黙々と無線LANにつながったPCをいじっている。
「いま、コーヒー、淹れますよ」
「いいですよ、客じゃないんだから」
「コーヒーぐらい遠慮せずに、ゆっくり飲んでくださいよ!」
後ろのほうからオーナーの気さくで明るい声が響いた。
「ニホンの人に聞きたいことがあったんです」
「なんでもどうぞ。元旅行屋ですから、そっち方面ならなんでも答えますよ」
「旅行会社の経験が? それは助かります。
ニホンの人は『朝食』のサービスは必要ですか? 大事ですか?
今はトーストと玉子とコーヒーをサービスしてますが、他にもなにか必要ですか?
キムチとご飯もありますが他になにかいりますか?」
「う〜ん、十分でしょう。食べる人と食べない人がいるし、
必要な人は自分で買い足しますよ。冷蔵庫も自由に使えるでしょう?
それよりも『朝食がついている』ということだけでもいいイメージに受け取りますね」
「シングルは部屋に冷蔵庫がありますし、共同のものはキッチンにもあります」
「問題ないですよ、わたしの泊まっている宿と同じですね。
それよりもPCが置いてあって、無料で使えること。
あとヘアドライヤーの貸し出しやソケットがあることを
ちゃんとHPに載せると喜ばれますよ」
「おお!それは気づかなかったなあ」
戻ってきたオーナーに彼がそう伝えると、二人して手を叩いて納得している。
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「ニホン女性にはドライヤーが一番の問題なんですよ、特に旅行において」
「それはカンコク女性も同じですよー」
これには笑いながら、ハイファイブを交わした。
「オーナーはすごくきれいなホステルを創りましたね」
「お金がないので、彼と二人で創り上げました。
内壁を全部ウッドを張って、天幕を張って明るい雰囲気にしたんですよ
ホント、全部自分たちで工作しました」
「たくさん働かされましたあ」 スタッフの彼が笑顔でいう。
「彼は世界中、バックパックで歩いて、いろんな安宿を見て、
それを不満に思って、ここを創り上げたみたいだよ」
うちの宿のスタッフが助け舟を出す。
美味しいコーヒーは、コーヒープレスから生まれる。リバーズ コーヒープレス
「わたしもいろんな国でいろんな安宿に泊まりましたけど、
こんなキレイなホステル、清潔なゲストハウスは初めてです。
安いところはキタナイというのが相場と思ってました。
わたしが泊まっている宿も清潔でそこが気に入っているんですが、
ソウルにはキレイなゲストハウスが多いですね」
「新しいところはみな清潔でキレイですね。
そうじゃないと、お客さんは来ないですよ。ネットでウワサが広まりますから。
無線LANも完備しているし、朝食をサービスするところも多いですよ。
ぼくは『床でもゴロゴロできる清潔な安宿』を経営したかったんです」
「いいなあ、こっちに移ろうかなあ。エスプレッソ・マシンもあるしね」
「うちの客を取らないでくれよ〜」
明るい笑い声が明るいリビングに響き渡った。