走る底辺男

参考にしたマラソン本「非常識マラソンメゾット」の練習をほぼこなした自分は自信満々であった。

この本にはレース前日、当日の過ごし方、レースプランも記載されていたので、ほぼこの通りに実行。

まずは前日。一切走らず完全休養で歩くのもなるべく避ける。受付けに行った以外は家の中で明日の準備をしながら過ごし、夕方からはトイレ対策のためコーヒーやお茶、酒は一切飲まず、脱水対策のためOS-1を寝る直前まで少量ずつ飲み続ける。普段は寝酒が習慣になっているため、なかなか寝つけない。

あまり眠れないまま朝4時半起床。本には朝食後からレースまでに餅7個を食べて空腹対策をしろと書いてあったが実際には4個が限界。水分補給は昨晩と同じくOS-1。

家からレース会場までは近いのだが、初レースで勝手が分からないためスタート時刻1時間前に着いて体育館2階で更衣。トイレに並んでいるとあっという間にスタート時刻が迫る。確か2時間〜3時間半のブロック後方からスタートを切った。

詳細な事はPCの日記に書いていたんだが、誤って消してしまったため覚えていることを書いてみる。

レースプランも本の通りに20キロまでは5:00/kmより少し遅いペースで走り後半少しずつビルドアップしていく予定。スタートから5キロまでは混雑もあり5:30/km程度のペースだったと思う。

5キロ以降は人もバラけてきたのでペースアップ。20キロまでは5:05〜5:10/kmとほぼ頭に描いているプラン通りに走ることができた。隣を走っていたランナー二人が「このまま行けば3時間半切りだな」と笑いながら走っていたのを思い出す。

異変が起きたのは23キロあたりか。これからさらにスピードアップしなくてはならないのに脚が重くなってきた。必死にスピードアップを試みるものの逆にスピードが落ちていく一方。25キロを過ぎると歩くランナー、立ち止まってストレッチするランナーが目立ってきた。彼らを見ていると歩いてしまおうかと弱気になってきたが気持ちは切れていない。

キロ5分後半までペースは落ち込んだものの歩かず粘っていたが、ついに30キロ手前で立ち止まってストレッチ。脚が棒にのようになり思うように動かない。もうサブ3.5は無理だと分かると気持ちが一気に切れてまともに走れない。

歩く走るを繰返しながら35キロを通過。サブ3.5どころかサブ4の可能性もなくなりつつある。「早く家に帰りたい、風呂に入って寝たい」記録どころではなくなり、早くこの苦行から解放されたいと願いながら走る。

残りはたった7キロ弱だがとんでもない長さに感じられる。ますます弱気になり「もう棄権して帰りたい」とまで思うようになった。相変わらず歩く走るを繰返してラスト1キロまできた。沿道にいた人が「頑張ればまだサブ4いけるよ!」と声を掛けてくれる。時計を見ることすら止めてしまっていたので自分が意外と速かったことに少し驚いてラストスパート!

4時間00分54秒(グロス)

サブ4も達成できなかったことに酷く落ち込み重い脚を引きずりながら帰宅する。このレースから約4年経った現在(2017年)、3時間40〜50分台の記録で走っていることを考えれば、初レースの成績としてはむしろ快挙といえる。サブ4まであと1分、計測していないがネットタイム(スタート地点通過時から計測)ではサブ4達成していたのかもしれないのだから。

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