2020年03月03日
三億円強奪事件
三億円事件。1968年12月10日午前9時30分頃、東京府中市で起きた現金強奪事件です。
東京芝浦電気、今の東芝、府中工場従業員のボーナス約3億円を乗せた日本信託銀行国分寺支店の現金輸送車(セドリック)が白バイ警官を装った犯人に止められました。
犯人は
「貴方の銀行の巣鴨支店長宅が爆破され、この輸送車にもダイナマイトが仕掛けられているという連絡があったので調べさせてくれ」
といい、車の下回りを調べ始めました。
・実際に支店長宅が爆破されたのではありません。
4日前に、支店長宅を爆破する旨の脅迫状が送り付けられていたこともあり、銀行員は従うしかなかったのでしょう。犯人は用意しておいた発煙筒に火を点け、車の下に置くと
「爆発するぞ! 早く逃げろ!」
と銀行員を避難させ自ら輸送車を運転し、白バイをその場に残したまま逃走しました。
銀行員たちは犯人が現金輸送車を自分たちから遠ざけてくれた勇敢な警察官だと思いました。
しかし残された発煙筒は当時、どんな車にも備え付けられていたもの。ダイナマイトではありません。
また現金輸送車の運転手はオートバイに詳しく、白バイが偽造したものだと気づき早くも強奪事件だと発覚。
3億円は今の価値に換算すると20億円。その後に発生した現金強奪事件と比較しても貨幣価値では国内最高額であるそうです。
この日は歳末特別警戒の初日でした。
9時50分、離島を除く東京都全域に緊急配備が敷かれ要所で検問が実施されましたが、車の乗り換えを想定していなかったため、当日中に犯人を逮捕することができませんでした。
集まった犯人の遺留品や証拠品は全部で120点。
警察は盗まれた3億円のうち、一部の番号を公表しましたが1枚も出回ることはありませんでした。
後に警察は犯人のモンタージュ写真を公開。通報もあり被疑者とされた人は十数万人になったといいます。
モンタージュ写真は通常、目、鼻、口のパーツから近いものを選び合成させるものです。ですが3億円事件のモンタージュ写真は現金輸送車に乗っていた4人の銀行員からの証言で犯人に酷似した実在する人物の顔写真でした。
誰に酷似していたのか。
19歳だった少年Sです。
少年Sは府中市に近い立川市にいた不良グループ、“立川グループ”のリーダー的存在。
警察は少年Sを重要人物としてマークしていましたが、少年Sの父親は現職警察官で白バイ隊員でした。
12月15日夜。少年Sの家に救急車がやってきて少年Sを搬送。少年Sは病院で死亡が確認されました。
死因は青酸カリによる毒死。青酸カリは父親が事前に購入していました。
父親は事件の大きさと世間体から少年Sを自殺させたのかも知れません。
少年Sの通夜で警察は4人の銀行員に私服刑事のふりをさせ面通しを行い、4人とも
「似ている」
「よく似ている」
と答えたといいます。
これで事件は解決に向かうはずでした。
ところが警察が少年Sに酷似した人物の写真をモンタージュ写真だと公開したのは少年S死後の12月21日。
酷似した人物は事件の前に他界していました。
そしてこのまま事件は迷宮入りします。
というより迷宮入りさせたという陰謀説があるようです。
当時、警察が頭を痛めていたのは学生運動。
過激派という運動の中心的な存在が府中市付近にいたといいます。
警察は三億円事件の捜査と称して付近の全世帯をしらみつぶしに訪問していきます。
「三億円事件について何か心当たりはありませんか?」
と切り出し、
「ところで..」
と学生運動の聴き込みをしたというのです。
三億円事件が起きたとき、私はまだ小さく事件を知ることはありませんでした。
しかし7年後の時効が近づくとテレビ、ドラマ、マンガでも多く採り上げられ、ようやく事件を知ることになります。
よく子供の頃の記憶は褪せづらいとか言いますが、誤差がでてきますね。
1968年に起きた三億円事件の時効成立は7年後だから1975年。
1975年は江東区に住んでいました。
でももう少しで時効になると騒がれていたとき、三億円事件にかける刑事を描いた少年雑誌の漫画を喫茶店で読みました。その喫茶店は江戸川区。区役所の近く。私が江戸川区に引っ越したのは1976年です。
マンガでは時効が近づき焦りを感じている刑事が酒場で飲んでいると、近くにいた客が
「三億円事件の犯人は英雄だ!」
と叫びます。刑事はその客に食って掛かる場面がありました。俺の気持ちがわかるのか?と。
確かにドラマ「太陽にほえろ!」で“海に消えたか三億円”を観たのは江東区だったと思いますが。
三億円事件よりこのことが私の中で迷宮入りしそうです。
引用:YouTube【公式】恐怖の事件簿〜マンガで紐解く怪事件〜【衝撃】三億円事件の謎と真相、Wikipedia
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