2020年01月08日
擬態語
うちのブースにはとても良いキャラクターのハイパーさんがいます。
体格が良いので、のっしのっしと歩く感じ。
この、「のっしのっし」という擬態語。
日本にはさまざまな擬態語がありますが、よくできたものだと思います。
別に歩くたび「のっしのっし」と音がするわけじゃないのに、その様が伝わってくるからです。
他にも「すっからかん」。お金がない様子です。
「とぼとぼ」は歩いています。しかも元気がない。うつむいて膝を曲げて歩いている感じです。
「くたくた」は疲れて立っていられない様子。
「ヨボヨボ」はおじいちゃん。おじいちゃんがようやく動き、歩いている様子です。
「ペシャンコ」はどう考えても潰れています。それしかありません。
「ビショビショ」「ビシャビシャ」は濡れています。
子供がヨボヨボ濡れています。というのはどう考えても変。
このように、初めは何かに教わって身に付けた感性かも知れません。
でも少なくとも日本人には通じる共通の感覚とは、DNAレベルだといって良いのではないでしょうか。
ただ、今は使わなくなったのでしょうか。それとも一部でしか使われなかったでしょうか。
「たおたお」
イメージ湧きますか?
秋田で生まれ、北海道の小樽で育った作家、小林多喜二(こばやしたきじ)は「蟹工船」で有名です。
彼に次のような作品があります。
運河の岸壁には いろいろの記号を持った倉庫が
重い鉄の扉を開いており
そこから直に はしけの上に荷物の積み下ろしをしている
たくさんの帆綱(ほづな)をもった漁船 発動機船 はしけが
ずらりと並んでお互いの船端(ふなばた)を擦りあい
ぶっつけ合いながら岸壁につながれている
そこでは荷揚げ人足(にんそく)が何十人も一列に
たおたおとたわむ歩み板を渡って
あるいは米を あるいは雑穀を担いで
倉庫の暗い入り口を出入りしていた
イメージが湧いたのではないでしょうか。
ここでの歩み板とは幅30cm、厚さ4cmくらいの木製です。
これは小樽運河がまだ倉庫として活気にあふれていた頃を謳った作品です。
擬態語はうまくその情景を言葉に表すことのできる文化だと思っています。
ただ、ちょっと例外的なものとして、
私が初めて就いた職業は営業でした。
営業といっても何をして良いのかわからなかった頃、言われた言葉があります。
なに、営業なんてのは得意先へ行って「ぶらっから ぶらっから」歩いていればいい。
そのうち誰かが声をかけてくれるものだ。
この「ぶらっから」
他で聞いたことがないんですけど。
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