2019年06月02日
フルボッコ(前編)
コールセンター勤務が長くなるとコールセンターには負けたくないという変なプライドができてきます。
どういうことかというと、自分がお客様の立場で電話するとき、相手は大抵コールセンターです。
これはコールセンター以外でもそうだと思いますが、何か交渉をするとき強いことを言えない人が損する世の中です。
つまりコールセンターに電話して交渉事をするとき、決して言い負けたくないプライドです。
今から何年前だったでしょう。
父が免許を返納しようというとき、自動車保険の満期日が迫っていました。
でも、何かの用事でもう少し、確か3ケ月くらい車に乗りたい期間があったのです。
自動車保険は基本、一年契約です。
3か月、乗りたいだけですから、一年契約は長すぎます。
でも、中途解約するとなれば普通、解約返戻金は“短期率”というので計算されます。
どういうことか。
短期率というのは1年間を月ごとの12等分にしません。
保険会社によって多少違いはあれ、1週間で10%、2か月まで35%、3か月だと45%。
3か月で解約すると、55%しか保険料が返ってこないのです。
しかし、12回の月払いにすると、月割りで返戻されるので損をしません。
もちろん、月払いで保険を更新しました。
ただ、月払いにするにはクレジットカード決済にしなければなりません。
高齢の父はクレジットカードを持っていませんでした。
私のカードが使えるというので、私のカードから引き落としされていました。
父には車を廃車にするとき、保険も解約するように伝えておきました。
なのに、3か月を過ぎても保険料は引かれ続けます。
父に確認すると、保険を解約していなかったといいます。
もともと手続き等、事務的なことが好きでない父、まして高齢。
父を責める訳にもいきません。でも保険はその時点で解約しました。
ただ、どうなのでしょう。
保険を掛けていたのはすでに廃車にした車です。
日付の記載された自動車抹消登録証だってあります。
あとから解約はしたものの、廃車にしてから解約するまでの間、すでにない車に保険料を払っていたのです。
ありもしない車に掛けてしまった保険料は、なかったことを証明できても返戻されないのでしょうか。
友人に相談すると、誰しもそれは無理だといいます。
私は20数年間、保険代理店をしていました。しかし約款にもそれは書いていないでしょう。
すでに廃車にした車に掛けてしまった保険料の場合というのは。
実は私、いまだに納得がいきません。
というのは、先日も少し触れました。私が20歳のとき、単独事故で全損にした車の自動車税。
事故は7月1日。私が入院している間に廃車になっていました。車は。
しかし、ナンバープレートは自動車工場にずっと置かれたままだったのです。
頼んでいた抹消登録がされないまま、ついに年度をまたいで翌年の自動車税が賦課されました。
新年度の自動車税を無効にすることと、事故で廃車になってから翌年3月までの間、ありもしない車に払った税金を返戻してもらおうと自分自身で手続きしました。
廃車証明書を提出し、廃車にした日を明らかにすることで3月末までの自動車税が戻ってきたのです。
役所だからそれが通じるのか。保険会社はダメなのか。いずれにしても納得がいきません。
もちろん、保険会社に交渉しました。
しかし向こうは頑として聞き入れません。
結局、ありもしない車に払った保険料が戻ることはありませんでした。
これが私にコールセンターには負けたくないと思わせるようになった出来事です。
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