2019/1/16「可能性」でも採り上げています。
「可能性」って、良いことに使う言葉だったはずです。
なのに今ではテレビを中心に悪いことにも平気で使われていますね。
ひどいのは「ガンにかかる可能性」とか。
そんなにガンになりたいの?
そう聞きたくなってしまいます。
そうではなくて、「ガンにかかる恐れ」と言えば良いだけなのに。
今では結果がふた通り考えられるケースには必ず「可能性」だけ使われるようになってきました。
これは
現代人のボキャブラリーが貧弱になった証だと思っています。
あと、某外資系保険会社のテレビCMですっかり馴染んでしまった、
「お気軽にお電話ください。」
この二重敬語。
何度も何度も書いてきましたが、日本の敬語はワンフレーズにひとつだけ使うから美しいのです。
「気軽にお電話ください。」
か
「お気軽に電話ください。」
のどちらか。
このどちらを選ぶのかが話し手のセンスであり、技量なんです。
しかも言葉を組み立てながら、リアルタイムに話していくのも技量です。
しかし周囲から聞こえてくるのは、
「お手数おかけしますが」「お時間おありでしたら」
など。
私は聞こえるとすぐに“妖気アンテナ”がピンと立ちます。
正しい日本語は聞いていて美しい。
なのに近い将来きっと、何が美しい日本語で何が美しくないのか。
また、何が正しくて何が間違えなのか。
それすらわからなくなっていくのでしょう。悲しいことです。
そう言っている私ですら、「ゆかしい」という言葉を使ったことがほぼありません。
使われない言葉から消えていくのも悲しいことだと思います。
でもここまで来てしまったらもうダメですね。
それでも私は地道に小さな小さな抵抗を続けていこうと考えています。
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