2019年01月06日
苗字の話
昨年のことです。
たまたま見ていたテレビは雛形あき子さんがゲストでした。
その「雛形」という苗字が、日本で27,288位、全部で130人しかいないと紹介していました。
私は、そんなにたくさんの苗字があるのかとびっくりしました。
ではすべての苗字はいくつあるのだろうと誰もが気になると思います。
ネットで調べてみました。
1997年版「日本苗字大辞典」には、29万1129種類と書いてあるそうです。
ただ、このサイトの終わりに「日本苗字大辞典」はインチキとコメントされています。
何を信じれば良いのでしょうか。
それでも約30万種類と書いてあるサイトが多いようですね。
確かにコールセンターで働くと、いろいろな苗字を目にします。
中には呼ぶことさえ失礼な気がしてしまう苗字もあります。
しかし本人は、小さなころからずっと慣れ親しんできた苗字です。
呼ぶことをためらうこっちが失礼なのでしょうから構わずお呼びします。
ただ、この30万種類というのには、“数え方”に特徴があります。
例えば、“東海林さん”。
“しょうじさん”と読むこともあれば、“とうかいりんさん”と読むこともあります。
また、“渡辺さん”と“渡邊さん”や、“斉藤さん”と“齋藤さん”。
約30万種類というのは同じ漢字の、“しょうじさん”と“とうかいりんさん”を二つとした場合です。
そして“渡辺さん”と“渡邊さん”も二つと数えた場合です。
“島田さん”と“嶋田さん”で二つだし、“斉藤さん”と“斎藤さん”、“齊藤さん”、“齋藤さん”で四つになります。
さらには“澤田さん”は、“さわださん”かも知れないし、“さわたさん”かも知れません。
同じ“澤田さん”が、“さわださん”も、“さわたさん”でも一つとするなら、一気に10万種類になるようです。
そして“斉藤さん”も、“斎藤さん”も、“齊藤さん”も、“齋藤さん”も同じにするなら6万種類。
またすべて、ひらがなの読みだけで区別するなら5万種類だそうです。
う〜ん、これなら納得できそうです。
今は少子高齢化。
苗字はどんどん少なくなっていると思いました。
でもそうではないようなんです。年々増えているらしい。
理由は“帰化”です。
外国籍の人が帰化して日本国籍を取る場合、自分の姓を自由に登録できるとなっています。
すると今まで日本にはなかった苗字が新たに登録されることは当たり前に起こってきます。
それが毎年だいたい1万人いるそうです。
一万人といっても、もちろん毎年一万種類、苗字が増えているわけではありません。
コールセンター業務では外国籍の人と話すこともあります。
中には“ん”で始まる苗字もありました。
その方が帰化していたかわかりません。
でも、もしそのまま日本国籍を取るのだとすれば、電話帳に「ん」のページを新たに作る必要があるかも知れません。。
これは昔、読んだ本、筒井康隆さんの「乱調文学大辞典」で読んだのだと思います。
1970年代。
乱調文学大辞典はパロディ以外の何物でもありませんでした。
その中に、「ん」で始まる店を作るべきだと書いてありました。
そうすれば電話帳に「ん」のページを新たに作らなければならないと。
グローバル化した社会では「帰化」という理由で電話帳に「ん」のページを作ることになるのか?
それとももうすでにどこかの電話帳に「ん」はあるのかも知れませんね。
ん?
すでに「ん」で始まる店は、日本人の誰かが、とうに作っているように思えます。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8448620
この記事へのトラックバック