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2017年02月08日

膨大なお問い合わせ

インターネットというと、広まり始めた頃、その昔はまだ数少ないプロバイダと契約し、アナログの電話回線にモデムをつなぎ、ブランチ(アクセスポイント)までダイアルアップ接続というのが、一般家庭の使い方でした。ブランチが遠いと電話料金を気にしたものです。1995年くらいですね。

その後、ISDN回線なるものが登場し、夜11時から翌朝7時までは使い放題というテレホーダイが出てきました。
その頃はISDN回線など、お客様が回線を用意し、プロバイダも別途選び契約してインターネットに接続していました。

その後、ADSLや光など速い回線がお目見えし、回線を用意するとき同時にプロバイダも選べるようになり、回線とセットでインターネットができるようになりました。

今ではプロバイダと回線が初めからセットになって、コラボと呼ばれ、工事も同日に行われるので面倒も少なくなったと思います。

 大手のコラボ通信業者で受信をしていたときの話です。

まだサービスを開始したばかりで、キャンペーンを張り、大々的にお客様の募集をしていました。
受信のコールセンターでは、段々と入電数が増え、一日数百から数千に、さらには一万件を超えるという、莫大な増加をたどりました。

当然、受信オペレーターを増員するわけですが、教育には時間がかかります。
また、既存のオペレーターも仕事がきつくなったと辞めていく。
すると、どうしようもなく、お客様を待たせることになります。

 待ち呼(まちこ) と 受可(うけか)

受信のコールセンターではいま現在、電話がつながるのを待たされている人が何人いるか。また、待たされている人がいない場合は何人のオペレーターが電話を受けられる状態なのか。
それらを表示するモニターがほぼ、あるはずです。

電話がつながるのを待っているお客様を「待ち呼」といい、待ち呼がいないとき、電話を待っているオペレーターを「受可」と言います。普通は「いま待ち呼〇〇人」や、「受け可〇〇人」というように、人数で表します。

電話が混んでくると、待ち呼が増えてきます。待ち呼がいるときに受可はいません。
私のいたセンターで、多いときでは300人くらい。
モニターには他にも、待ち呼が最長、何分何秒、待たされているのかまで表示されます。
多いときで1時間超えもありました。

いずれにしても待ち呼が多いことはお客様の不満を招きます。
そこでどうしたか。

・オペレーター各々に値引きの権限を与える。

インターネットの開通工事が遅くなるなど、クレームの解消にオペレーターに値引きの権限を与えることで、即座に金銭面での解決を図る。
実際には料金を値引いてもらうより、早く開通させたいのがお客様の望みです。
しかし工事が間に合わないのは避けようもない場合、何もないよりは料金面で許しをいただく。
このことでクレームを鎮めて、お客様との対応時間を短くする。
結果として、待ち呼を少なくしようというもの。

・ポケットWi-Fi の無料貸し出しを行う。

開通工事が間に合わないことでクレームにならないよう、これもオペレーターの権限で、ポケットWi-Fiの無料貸し出しをするというもの。
ポケットWi-Fiだって、そんなに安いものではないでしょう。
一度貸し出しされたものが、どこまで再生可能なのでしょう。貸し出して使い捨てになるのかも知れません。

それだけ投資をできる大手の通信業者だからか、それともそれだけ投資しなければならないほど、熾烈な争いの業界だからか。

オペレーターの増員が間に合わなくても、これらのことでかなり、待ち呼は減りました。

日に日に増えていく入電数。しかし電話をくださるのは申込されたお客様のごく一部のはずです。
そのとき思ったのは、一日にいったい何人の申し込みがあったのだろうかということ。

わかりませんが、一日平均一万件だったとして、100日で100万人。
あるかも知れない。

また、
受信のコールセンターは担当制ではありません。
そのとき受けたオペレーターが、過去にやり取りがあった場合、履歴を読んで対応します。
お客様の中には
「担当制にしろ」
と仰る方もおりますが。

でもその方が効率悪くなるでしょう。
話しやすいオペレーターに人気が集中し、そのオペレーターとは、なかなかお話しできない。

担当制にしろという苦情としてもわかります。
毎回、何度も何度も経緯を繰り返し一から説明しなければならないと。

でも、前にもお話しした通り、出入りが激しいのがコールセンターです。
担当制にしても、そのオペレーターが辞めてしまったら何もかもゼロになります。

歳は取りたくないもので、そのような苦情を寄せていただくのは大抵、高齢の方です。
聞いてビックリするのは、
「この件を共有していないのか?」
とのご意見。
お客様は自身の苦情を、たまたま受けた私に、知らないのか?という。

ちょ、ちょっと待って下さい。
一日一万件超の問い合わせを、北海道から沖縄まで日本国内数拠点、約千人のオペレーターでどう共有できるのでしょうか?

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