2017年10月07日
NEC PC98の牙城を崩したもの(後編)
デファクトスタンダードという言葉があります。
事実上の国際標準というのでしょうか。
良くも悪くも、パソコンのオペレーティングシステムではWindowsでしょうし、ワープロ、表計算ならワード、エクセル。検索エンジンならGoogle、かつての家庭用ビデオテープならVHS。デニムならリーバイス(Levi's)。
また、PCの中央演算装置、CPUならインテル(Intel)社がデファクトスタンダードでしょう。
このWindowsやワード、エクセルを開発しているマイクロソフト社とインテル社が共同で毎年、PCの標準規格を発表してきました。
例えばCPUは〇〇を使い、処理速度はこれくらいで、拡張機器は○○に対応して、、といったもの。
この2社の連携は、WindowsとIntelを併せた造語、ウィンテルと皮肉られていました。事実上の独占企業に対しての皮肉です。
ウィンテルの提唱する毎年のPC標準規格は、前年に発表され名称をPC〇〇といい、例えば1995年ならPC95、1996年はPC96。
すると、ゆくゆくはPC98となり、さらにPC99へ。
ということはNECのPC-98は1999以降、ウィンテルの提唱する規格に対して、時代遅れの名称となってしまうのでした。
もともとNECのPC-98シリーズは8ビットCPUの頃にPC-88シリーズとしてその前身が発売され、16ビットCPUになってから上位機種として、PC-98シリーズとなりました。西暦には関係ありません。
しかし、こうしてNECはPC-98の名称を捨てるしかなくなり、またウインテルがPC/AT互換機をPCの標準として推奨する中、もはやPC-98のアーキテクチャー(構造・仕様)の独自性は無効であると、「PC-98-NXシリーズ」という、なんとPC/AT互換機を発売したのでした。
1997年のことです。
今まで独自にPC-98シリーズを貫いてきたNECは、周りから「これはPC/AT互換機じゃないか?」と突っ込まれます。
NECは違うと返します。
PC-98-NXシリーズがPC/AT互換機である理由として当時、PC/AT互換機の特徴は、拡張バスはPCIバスを使っている(もともとNECのPC-98は98ローカルバス)とか、何しろインストールするWindowsは、それまでのPC-98用でなく、PC/AT互換機用を使うから。
ただ、PS/2マウスという、PC/AT互換機以前からの特徴だった、丸い形状のコネクタを持つマウスを採用していないというのが、NXシリーズがPC/AT互換機ではないというNECの主張。マウスはUSB接続でした。
しかし、PC/AT互換機でもUSBマウスは使われていました。
かなり苦しい言い逃れをしたものです。
すでにその頃、PS/2マウスは時代遅れで、PC/AT互換機でも使い続ける理由はなかったのです。
こうして事実上、NECのPC-98シリーズの牙城は崩れ、現在ではどのメーカーとも同じPC/AT互換機を製造するようになりました。
現在、家電量販店のPCコーナーでは、NECのパソコンも東芝も富士通も皆同じように陳列されています。
AppleのMacだけは別で、Macかそれ以外のWindowsパソコンという色分けです。
でもその昔は、NECだけ、別格で展示されていました。
今のスマートフォンに例えるなら、スマホはAndroidか、iPhoneに大別されます。
AndroidはGoogleが開発したスマホ用のOS、オペレーティングシステムの名前。
iPhoneはApple社が開発したiOSで動くスマホです。
Androidスマホには富士通、LG、SAMSUNG、SHARP、SONYなどいろいろあります。
スマホはiPhoneかそれ以外のAndroidと、Androidをごっちゃにするイメージがあります。
それが昔のNECかそれ以外という位置づけに近いと思うのです。
以上、4回にわたり、NECのPCに思う好きなことを書いてきました。無計画だったことに反省しています。
かなり期間が空いてしまったので、まとめてみます。
1. 2017/5/8 NEC PC98の牙城を崩したもの(前編) NECへの反撃とIBMの過ち
2. 2017/5/19 NEC PC98の牙城を崩したもの(中(前)編) PC/AT互換機の台頭
3. 2017/10/4 NEC PC98の牙城を崩したもの(中(後)編) OADGの登場
4. 2017/10/7 NEC PC98の牙城を崩したもの(後編) PC-98と世界の動き
事実上の国際標準というのでしょうか。
良くも悪くも、パソコンのオペレーティングシステムではWindowsでしょうし、ワープロ、表計算ならワード、エクセル。検索エンジンならGoogle、かつての家庭用ビデオテープならVHS。デニムならリーバイス(Levi's)。
また、PCの中央演算装置、CPUならインテル(Intel)社がデファクトスタンダードでしょう。
このWindowsやワード、エクセルを開発しているマイクロソフト社とインテル社が共同で毎年、PCの標準規格を発表してきました。
例えばCPUは〇〇を使い、処理速度はこれくらいで、拡張機器は○○に対応して、、といったもの。
この2社の連携は、WindowsとIntelを併せた造語、ウィンテルと皮肉られていました。事実上の独占企業に対しての皮肉です。
ウィンテルの提唱する毎年のPC標準規格は、前年に発表され名称をPC〇〇といい、例えば1995年ならPC95、1996年はPC96。
すると、ゆくゆくはPC98となり、さらにPC99へ。
ということはNECのPC-98は1999以降、ウィンテルの提唱する規格に対して、時代遅れの名称となってしまうのでした。
もともとNECのPC-98シリーズは8ビットCPUの頃にPC-88シリーズとしてその前身が発売され、16ビットCPUになってから上位機種として、PC-98シリーズとなりました。西暦には関係ありません。
しかし、こうしてNECはPC-98の名称を捨てるしかなくなり、またウインテルがPC/AT互換機をPCの標準として推奨する中、もはやPC-98のアーキテクチャー(構造・仕様)の独自性は無効であると、「PC-98-NXシリーズ」という、なんとPC/AT互換機を発売したのでした。
1997年のことです。
今まで独自にPC-98シリーズを貫いてきたNECは、周りから「これはPC/AT互換機じゃないか?」と突っ込まれます。
NECは違うと返します。
PC-98-NXシリーズがPC/AT互換機である理由として当時、PC/AT互換機の特徴は、拡張バスはPCIバスを使っている(もともとNECのPC-98は98ローカルバス)とか、何しろインストールするWindowsは、それまでのPC-98用でなく、PC/AT互換機用を使うから。
ただ、PS/2マウスという、PC/AT互換機以前からの特徴だった、丸い形状のコネクタを持つマウスを採用していないというのが、NXシリーズがPC/AT互換機ではないというNECの主張。マウスはUSB接続でした。
しかし、PC/AT互換機でもUSBマウスは使われていました。
かなり苦しい言い逃れをしたものです。
すでにその頃、PS/2マウスは時代遅れで、PC/AT互換機でも使い続ける理由はなかったのです。
こうして事実上、NECのPC-98シリーズの牙城は崩れ、現在ではどのメーカーとも同じPC/AT互換機を製造するようになりました。
現在、家電量販店のPCコーナーでは、NECのパソコンも東芝も富士通も皆同じように陳列されています。
AppleのMacだけは別で、Macかそれ以外のWindowsパソコンという色分けです。
でもその昔は、NECだけ、別格で展示されていました。
今のスマートフォンに例えるなら、スマホはAndroidか、iPhoneに大別されます。
AndroidはGoogleが開発したスマホ用のOS、オペレーティングシステムの名前。
iPhoneはApple社が開発したiOSで動くスマホです。
Androidスマホには富士通、LG、SAMSUNG、SHARP、SONYなどいろいろあります。
スマホはiPhoneかそれ以外のAndroidと、Androidをごっちゃにするイメージがあります。
それが昔のNECかそれ以外という位置づけに近いと思うのです。
以上、4回にわたり、NECのPCに思う好きなことを書いてきました。無計画だったことに反省しています。
かなり期間が空いてしまったので、まとめてみます。
1. 2017/5/8 NEC PC98の牙城を崩したもの(前編) NECへの反撃とIBMの過ち
2. 2017/5/19 NEC PC98の牙城を崩したもの(中(前)編) PC/AT互換機の台頭
3. 2017/10/4 NEC PC98の牙城を崩したもの(中(後)編) OADGの登場
4. 2017/10/7 NEC PC98の牙城を崩したもの(後編) PC-98と世界の動き
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