2020年10月30日
ペーパーレス
ペーパーレス化が奨励されてからもう何年たったでしょう。
コンピューター化が進み、紙がいらなくなると云われていましたけど実際にはそうでもなかったと思います。
今では特に官公庁など、レーザープリンタが当たり前になりA4判の、いわゆるコピー用紙に印刷されるようになりましたが、今から25年くらい前にはストックフォームという、ミシン目でつながり、連続して印刷される用紙がよく売れていました。
ストックフォームはいくつかサイズがありましたが、もっともよく売れたのは横15インチ、縦11インチのものでした。1インチは約2.54cmですから、横38センチ、縦28センチです。
これが折り重なるように段ボール箱に入っていて、「キー」ってうるさい音をたてるプリンタに吸い込まれて行きました。
営業をしていた頃、このストックフォームを保管するためのファイルもよく売れたので、コンピューターによるところのペーパーレス化は嘘ではないかと思いました。
ちなみにコピー用紙も含めて現在、用紙のサイズはA4判が標準になりました。
その昔はB5判が多かったと思います。A4判の方が大きいため、郵送するにはB5判なら長形4号というサイズに四つ折りで入れられたのが、A4判は長形3号とひと回り大きい封筒になりました。
このAとかBというのは元の大きさがふた通りで、片やA列、もう一方がB列です。
A列ならそもそもA本判(A0判)という大きな紙があり、それを二つ折りするとA1判。さらに折るとA2判というように小さくなっていきます。B列は日本特有のものだそうです。
A4判を推奨するようになったのは平成になった頃だと記憶しています。
当時、私はコピー機を修理する研修を受けたときで、先輩から
「A4判は大きくも小さくもなく、ちょうどいい大きさ」
と言われ、なるほど、、と妙に納得しました。
さて、ペーパーレスですが、良いような悪いようなです。
恥ずかしいですが我が家にはあと4年で完済する少し大きな借金があります。
また、借金はその一本でなくて、同時にいくつか並行して返済してきたものもあるんです。
私はそれら借入の返済状況をエクセルのワークシートで閲覧できるようにしているのですが、中には内緒で返済してきたキャッシングがありました。
そのワークシートは借入時期を見ていると、家族の歴史を振り返るようであり、またあとこれだけ返せば家計もずいぶん楽になるという指針にも見えます。
できれば内緒の返済もワークシートに入れられたら、もっと現実味があるのですが、残念ながらネットで見ようにも昔過ぎて(古いデータは削除されるから)、もう見ることができません。
ところが昨夜、捨てようとしていたゴミを確認すると、失ったはずである内緒の請求書があったんです。
私の無職は明後日までです。残り少くなったので、夏に大掃除したときに出た不要な書類をゴミに出そうとしていました。
今ではほとんどの請求書がネットで確認するようになりました。
昔なら無料で紙の請求書が郵送されてきたのが、今では有料になっています。
確かに紙で受け取ると保管に場所も手間もかかるからと、ネットで見るようになったことを疑いもしませんでした。
しかし、ネットで見るには有効期間というか、古いデータは順に削除されてしまいます。
たいていはPDF形式でダウンロードできるようになっていますが、毎月毎月こまめにそんな手間はかけたくないものです。
いまはネットでいろいろな情報が集められ、非常に便利な世の中になりました。
ですがどうしてもネットではできない不便さもあります。
それは受動的ではないことです。
請求内容を確認するにしろ、保存するにしろ自分から能動的にしなければなりません。
その点、紙請求書なら勝手に送られてくるから、受動的に対処できます。
特に今回は、紙で残っていたから失ったはずのデータを得ることができました。
とはいえ、ペーパーレス化というのは自然環境の保護でもあります。
以前に何の業務だったか、請求書を紙で送付せず、ネットで確認するように改められたクライアントの仕事をしたとき、今まで通りハガキで送って欲しいと望まれるお客様が相当数いました。
でも私はクライアントの立場で仕事をするしかないので、ペーパーレス化の効果を計算してみました。
私は電話をするだけで、実際のハガキを見たことがありません。
が、
幸いに、まだ家に昔、他のカード会社から届いたものが残っていました。
重さを計ると10通で57グラムでした。
1通5.7グラムです。
そのクライアントは大きな会社です。
毎月の請求書はきっと200万通くらいにはなるでしょう。
すると、2,000,000 × 5.7g = 11,400,000g
11.4トンです。
11.4トンの紙を作るのに、いったいどれだけの木を伐採しなけれはならないのか。
確かに、ペーパーレス化というのは仕方がないのでしょう。
でも、紙の方が良い気がする。(笑)
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