2020年07月31日
仕事
コロナのせいでテレワークが推奨された今でも、男は外で仕事をするべきなのでしょうか。
34歳のとき、私のいた会社が倒産し一時、仕事を失いました。
田舎だったので近くにハローワークなんてありません。あったとしても地元で就職先を見つけるのは難しいと思っていました。
今なら34歳なんて若い。これからって思います。しかし当時はもう若くはないと思っていました。
だってそうですよね。自分が初めて「もう年(とし)だ!」と思ったのは17歳、高校2年のときでした。(笑)
また実際、田舎の就職先なんて限られたものです。
あれから畑違いの仕事を一から始めるのは大変だったと思います。
営業をしていた私にはお客様がついていました。
ならば私は、無理して他の仕事に就くより、自分で商売を始める方が良いと思ったのです。
商売というのはパソコンの「なんでも屋」でした。これにはある勝算があったのです。
営業をしていた頃はワープロ、パソコンを売っていました。当時は森喜朗首相の「IT革命」です。
町の公民館などでは定期的にワープロ講座とかパソコン入門講座が開催され、時代はワープロからパソコンへシフトする時期です。
講座の受講料は無料でした。
しかし講座は10人とか20人を対象に行います。
そもそも高齢者の多い講座は、ついてこれない人が多くいます。
また良くない習慣として、
「お前のところで買ったんだから、使い方を教えてくれよ。」
というもの。
機械ものには付きものだと思います。
お前のところで買ったエアコンだからとか、給湯器だからとか。
エアコンとか給湯器であれば、使い方だって5分から10分も説明すれば十分でしょう。
ですがワープロ、パソコンならそうは行きません。
ワープロ専用機が出始めた頃には、仕事が終ってから毎晩、覚えるまで通ったこともあります。
でもワープロ、パソコンを売った利益というのは、1台当たりせいぜい1〜2万円。
これだけでギリギリなのに、さらに延べ10時間とか教えに行くのでは大赤字です。
昔、ラジカセを買うとき、
「ラジカセを買ったんだから、カセットテープをサービスしろ。」
というのはありました。けど、パソコン買ったから教えろというのは、
「カセットテープを買ったんだから、ラジカセをサービスしろ。」
と言っているようなもの。
営業をしていたとき、ワープロやパソコンを売りながら、私はこの矛盾を大きく感じていました。
そこで、自分で商売を始めたとき、使い方を教えて料金をいただくけど、ワープロやパソコンの機械は絶対に売らないと決めていました。
裏付けるように、使い方を教わるお客様は通常、一日では終わりません。
何日もかかるから、必然的に“月謝”になっていくのです。
一台売って1〜2万かせぐより絶対良いです。
商売は使い方のレッスンが多く、それ以外にはウイルスに感染した。新しいパソコンにデータを移したい。そんな仕事がありました。
中にはパソコンを売ってというお客様もいましたが、私が売ることはなく、通販などの斡旋。または私がお遣いに行くこともありました。そしてコンサル料金をいただきます。
そんな商売だから、自宅でできるのです。作業ならパソコンを預かってくれば良い。
でも2000年当時、まだ世間では男は外へ働きに出るという“常識”がありました。
教える仕事なら私がお客様のところを訪ねるのがほとんどです。
でもそれ以外にも仕事はあります。それを自室でパソコンに向かっていると、義理母がやってきます。私の部屋に入ってくることはありません。でも部屋の外を音を立てて掃除します。毎日しなくても良いんじゃない?というくらいに。
商売といっても軌道に乗るまで時間がかかります。
まだ初めて間もなく、お客様もあまりいない頃、部屋で仕事をしていました。
そこへ娘の友人たちが遊びに来ました。小学2年生でした。友人たちは私が日中、家にいるのがわかります。
すると友人のひとりが
「ねえ、〇〇のお父さんて仕事してないの?」
と娘に大声で聞きました。
男は外へ出て仕事をするものというのは、こんなに小さな子供にとっても常識に思われているんだと、ショックでした。
私もそうだったように子供って、親の仕事をよく理解していないと思います。
娘がもう少し大きかったら、自営業なんだよって、説明もできたでしょう。
テレワークが推奨されている今、小さな子供を持つ親御さんたちは、同じ経験をしているのでしょうか。
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10080229
この記事へのトラックバック