コールセンターおじさんのブログ

　ジェイル・ブレイクってご存知ですか？

iPhoneはiOSで動いています。が、このiOSを一部改変したOSに入れ替えるのです。
今まで通りiPhoneとして使えますが中身はApple純正のiOSでなく別物です。
私は2015年から約2年間、このジェイル・ブレイクをやっていました。

なぜかというと、iPhoneには基本、通話を録音する機能が付いていません。
ちょうどあの頃、家主ともめることがありました。
家主ははっきり「引っ越し代は払うから出て行って下さい。」と言いました。

が、いわゆる「言った言わない」の水掛け論になってしまいます。
その後も電話でやり取りすることがあったので、証拠として通話を録音しておきたいと思ったのです。

しかしiPhoneは世界各国の法律を網羅する必要があるためか、通話を録音できる仕様になっていません。
外国では相手の許可を取らずに通話を録音すると法に触れてしまう国もあります。

録音できる有料のソフトもあります。しかし、携帯キャリアで三者間通話のオプション契約が必要になるとか、使っている限り毎月いくらというように、録音する頻度のわりにソフトウェアが高いなど、なかなか手を出すことができませんでした。

ジェイル・ブレイクすると使えるアプリが増えます。
ジェイル・ブレイクのセットアップが終わると、Cydia（シディア）というアプリがインストールされていて、Cydiaではジェイル・ブレイクしたiPhoneで使用できる有料・無料アプリを検索、インストールできました。

通話の録音も、Audio Recorderという有料アプリでできたのです。確か400円くらい。
もちろんキャリアで三者間通話のオプション契約も必要ありません。

私がやった頃はPangu（パングー）やTaiG（タイジー）という機関？ハッカー？のサイトでインストーラーをダウンロードし20分くらいでジェイル・ブレイクは完了しました。これら、どちらも中国だったと思います。

他にも、iPhoneのメニュー画面は既定だと真横にスクロールします。ですが、メニュー画面が多面直方体の一面になっていて、スクロールする代わり、立体的にグルっと回転するフリーソフトもありました。

Tools 4 Hack（https://tools4hack.santalab.me/）より引用
他にも楽しいものがたくさん。

このジェイル・ブレイクは違法行為ではありません。
しかしApple社公認でもありません。

ジェイル・ブレイクすることを「脱獄する」といいますが、脱獄するとAppleのサポート対象でなくなります。本来、iPhoneで使うアプリはApp Storeでダウンロードします。App Storeに掲載されるにはきっとApple社に何かが支払われるのでしょう。

そこまでしてApp Storeで宣伝されなくても便利なアプリを作りたい人は世界にたくさんいるはずです。
そこでApple社に管理されたApp Storeでしか入手できないアプリを使う環境を、監獄に収監されていると見立て、制限から放たれた環境になることを脱獄というのです。
また一度脱獄したiPhoneを元に戻すことはできます。これを「入獄する」といいます。

この脱獄はiPhoneのセキュリティ・ホールを狙うことでインストールできます。
AppleはたびたびiOSをアップデートして、そのセキュリティ・ホールを埋めます。これは脱獄対策でもあるのです。また、アップデートしても新たなセキュリティ・ホールを使って再び脱獄されるので、イタチごっこになってしまいます。

楽しい脱獄ですが問題もあります。
脱獄すると、Appleのサポートを受けられません。iOSのアップデートもできなくなります。
ということは、iOSが新しくならないので、周りの人たちが新しいバージョンのiPhone画面になっても、脱獄したときのまま使い続けるしかありません。

iOSがバージョンアップされても、ジェイル・ブレイクのインストーラーがすぐにできるわけではなく、しばらく待たされるどころか、必ず新しい脱獄環境ができる保証もないのです。

ジェイル・ブレイクすると使えるアプリが増えるといいました。確かに通常iPhoneで使えるアプリ + Cydiaで入手できるアプリです。ですが、iOSが新しくなり、App Storeで入手できるアプリがその新しいiOSにしか対応していない場合、使えないということです。

　今でも通話録音できるアプリは欲しいのですが、良さそうなものはありません。
ただ再びジェイル・ブレイクする気にもなれません。
私は前のiPhoneを機種変更するとき、下取りに出すため入獄して、それ以来脱獄はしていません。