2019年08月08日
島と縞と
island「島」という語の成り立ちは、ig-(水)+land(土地)=水に囲まれた土地、です。古英語でiglandとつづったようですが、フランス語のisle「小島」に影響を受けて、スペリングがislandと変化していきました。
<島>にはいろいろな語があります。peninsula「半島」は、penやpenisと同族語で「尖っている」ことが特徴です。archipelago「列島、群島」は、6852もの島々から成り立つ日本を、the Japanese Archipelago「日本列島」といいますね。
冒頭の写真は、<唐桟>と呼ばれる、縞模様が特徴の綿織物です。落ち着いた色合い、触り心地がよく、品の良い縞模様が素敵です。唐桟(とうざん)という読み方、漢字ともあまりなじみのないものですが、江戸時代に長崎の出島を経由して日本に入ってきた織物で、当時栄えたインドの港セント・トーマス(現在のチェンナイ)が「サン・トメ(桟留)」、そして舶来品を意味した「唐」と組み合わせてできたのが、<唐桟>というわけです。
この「縞」という漢字は、島と同じ音を持ちますが、「島」に由来します。
近世後期、南方諸島から渡来した布の意である島渡り物に、筋模様が多かったことからの呼称。
『大辞林 第二版(三省堂)』
言いたいことがありすぎて脱線しまくりましたが、island country「島国」に住む、日本人として、島に関連する英単語に触れないわけにいきません。日本は島国であるおかげで、EEZ=exclusive economic zone「排他的経済水域」の恩恵を受けています。
難易度の高いですが、insular「島国の、島国根性の」という語があります([インサラ]と発音されます)。あれ、insulin「インシュリン」にスペリングが似ているなと思って調べましたら、実は関連がありました。体内の血糖値をコントロールしてくれる、ホルモンの一つで、すい臓のislets of Langerhans「ランゲルハンス島」という組織のなかで生成されるそうです。このランゲルハンス島は、発見者であるドイツの病理学者であるランゲルハンスさんのお名前と、島のような形状をしていることから、この細胞名となりました。どうですか、この<島>つながり。。。
さらにさらに、insulate「絶縁する」も<島>つながり。島のように他とは隔絶させる、音や熱を遮断することに使います。heat insulation「断熱」、sound insulation「防音」。
サラダにかけたりする、Thousand Island dressing「サウザンアイランドドレッシング」という、マヨネーズとケチャップの他いろんな香辛料を混ぜたドレッシングがあります。以下のような由来があるようです。
カナダとアメリカの国境にある五大湖の1つ、オンタリオ湖にそそぐセントローレンス川に、「千の島(サウザンアイランド)」と呼ばれる観光名所があります。名前の通り、点々と小さな島が1000以上あります。
細かく刻んだピクルスが、ドレッシングの中に「1000の島が浮かんでいる」ように見えることから、この名前が付いたようです。
キューピー
細かく刻んだピクルスが、ドレッシングの中に「1000の島が浮かんでいる」ように見えることから、この名前が付いたようです。
キューピー
The larger the island of knowledge,
the longer the shoreline of wonder.
知識が広がれば、知的好奇心は育っていくものだ
---Ralph W. Sockman
the longer the shoreline of wonder.
知識が広がれば、知的好奇心は育っていくものだ
---Ralph W. Sockman
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9049249
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック