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2024年09月12日

日本語から見た東アジアと欧米諸語の比較7

 表3の中でa、b、c、dは、補助タイプである。それぞれ順に、孤立的、膠着的、融合的、象徴的になる。また数学的には、次のような公式が成り立つ。膠着c (goodness) = a + b、規則的融合(強)c (books) = a + (b - x) + x 、不規則的融合(弱)c (depth) =(a - x) + (b - y) + (x + y) 、象徴法c (geese) =(a - x)+ x。 
日本語については、根本概念が語幹概念を純粋なまま保持せずに、不可分の要素(例、動詞や形容詞の活用形)を集めて、その具体的な観念を組み立てる言語とする(Dタイプ)。また、命題が組み立てられる際にも、不可避な概念に具体的な概念が混入することがある(例、複数性、格助詞)。
 ドイツ語も根本概念が語幹概念を純粋なまま保持せずに、不可分の要素(例、動詞や形容詞や名詞の活用形)を集めて、その具体的な観念を組み立てる言語とする(Dタイプ)。命題が組み立てられる際にも、やはり不可避な概念に具体的な概念の混入が見られる(例、複数性、名詞の性、冠詞)。
 そのために、両言語とも複雑な混合関係概念とした。但し、融合度と総合度には違いが見られる。例えば、融合度に関していうと、日本語には「てにをは」による名詞との膠着があり、一方ドイツ語は、冠詞、形容詞、名詞による融合が見られる(例、ein guter Professor:主格、男性、単数)。また、総合度に関しては、日本語が節約しながら複合語を作るのに対して、ドイツ語は造語の発達が顕著である。

花村嘉英(2018)「日本語から見た東アジアと欧米諸語の比較−言語類型論における普遍性を中心に」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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