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2024年09月12日

日本語から見た東アジアと欧米諸語の比較6

 これに融合度と総合度による分類が加わる。融合度は、孤立、膠着、融合、象徴を特徴とする。例えば、日本語のような膠着型言語が並置の手法で接辞添加をするのに対して、ラテン語のような融合型言語は、定義上非膠着型言語になる。
 また、総合度は、分析型と総合型に分けられる。分析的言語とは、複数の概念を結合して単一語にすることがない言語(例、中国語)または節約しながらそうする言語である。(例、英語、仏語)また、ポリネシア語は、語順が中国語よりも揺れていて、複雑な派生に向かう傾向がある。
 総合的言語とは、概念が密で語がより豊富な内容を持っていて、具体的な意味の射程を適度な範囲に保とうとする言語である(例、ラテン語)。ラテン語とギリシア語は、基本的に屈折型の言語であり、融合的な手法を取る。この融合には、外的な音声的意味と内的な心理的意味がある。

表3
根本概念 1派生概念(U)2具体的関係概念(V)3純粋関係概念(W)4手法(融合度)5総合度 6例
A単純な純粋関係 1― 2― 3a 4孤立的 5分析的 6中国語
B複雑な純粋関係 1b, (d) 2―, 3a 4膠着的, 孤立的 5分析的 6ポリネシア語
C単純な混合関係 1(c), 2c, (d) 3a 4融合的 5分析的(少し総合的) 6フランス語
D複雑な混合関係 1c 2c, d 3a 4融合的 5分析的 6英語
D複雑な混合関係 1c, d 2c, d 3― 4融合的 5総合的 6ラテン語、ギリシア語
D複雑な混合関係 1b 2b 3a 4膠着的 5分析的 6日本語、韓国語
D複雑な混合関係 1c 2c, d 3a 4融合的 5総合的 6ドイツ語

花村嘉英(2018)「日本語から見た東アジアと欧米諸語の比較−言語類型論における普遍性を中心に」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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