アフィリエイト広告を利用しています

2024年09月12日

中国から日本に伝わったことばや文化について13

5.2 中医学

 日本成人病予防協会(2014)によれば、東洋医学は、患者に対して証を診立てる。証とは、患者の心と体の状態を全体的に表すものである。西洋医学が消去法で病名を追い詰めていくのに対して、東洋医学は、身体全体を大きな有機体としてとらえ、連携しながら機能しているという心身一体の考え方で成り立っている。証を立てるために診察基準がある。
 陰陽、虚実、寒熱、表裏という概念と体の働きを表す気、血、水(津液)を組み合わせて病態の性質や原因を表している。陰陽は患者の病態や体質を表し、虚実は体力や抵抗力を表す。また、寒熱は症状の性質を表し、表裏は病気が体のどこにあるのかを表す。
 気、血、水(津液)は、気がエネルギー、生命力であり、血が組織や器官に栄養素を運び、水は、血以外の水分で、体液、分泌液、尿や浸出液である。
 東洋医学の診断法は、望診、聞診、問診、切診の四診がある。望診は患者の外見を注意深く観察する方法であり、顔色、肌のつや、目の状態、歯茎の色、つめや髪の毛の状態を観察する。歩き方や座り方そして姿勢も診察に含まれる。聞診は、声のかすれ、咳、息切れ、痰、体臭、口臭などを目や耳で観察する。問診は、痛みや痒みが現れている症状を聞き出す方法である。汗をかくか、頭痛や肩こりはどうか、のどが渇くか、体がだるいか、尿の回数、月経や妊娠などを尋ねる。切診は、西洋医学でいう触診である。患者にじかに触れて判断する方法である。

【参考文献】
花村嘉英 中国から伝わった日本の言葉や文化について−欧州との比較も交えて(レポート)
武漢科技大学外語外事職業学院 2009
日本成人病予防協会 健康管理士一般指導員養成講座 テキスト4 2014
予防医学・代替医療振興協会 予防医学指導士養成講座テキスト 2015
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/12701939
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2024年09月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
花村嘉英さんの画像
花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
プロフィール