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2024年09月12日

中国から日本に伝わったことばや文化について5

3 西洋との比較−ルネサンスの三大発明

 中国の技術は、西側の諸国へも伝わった。751年の夏、カザフスタンのタラス川を挟んで唐帝国とイスラム帝国が激突した。唐軍は敗れたが、捕虜の中に紙すき職人がいて、サンマルカンドで紙を作った。当時、西側ではカヤツリグサの茎の部分から作られる古代エジプトで使用された文字筆記媒体パピルス紙とか羊皮紙しかなかったため、中国製の紙は瞬く間に広がった。
【印刷術】
 印刷術については、木版も活版も中国で開発された。7世紀から8世紀初頭が始まりといわれていて、印刷文化が日本に及んだのは、南宋の時代(1127−1279)、鎌倉以降のことでる。中国における活版印刷は、粘土による活字から木の活字を経て、明代(1363−1644)の銅活字に至る。銅活字は、豊臣秀吉の時代に日本に伝わった。朝鮮出兵の際、文禄の役(1592)で京城を陥れた日本軍は、王宮内にあった多くの銅活字や印刷道具及び活字本を持ち帰った。明朝体とは、明代の中国で使用された活字体のことである。現在使用されている鉛活字は、ドイツのグーテンベルク(1398−1468)が1450年頃に発明した。

花村嘉英(2018)「中国から日本に伝わったことばや文化について」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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