アフィリエイト広告を利用しています

2024年09月12日

中国から日本に伝わったことばや文化について1

 この小論は、これまで留学や仕事で滞在したことがあるドイツと中国を中心に日本を交えた異文化コミュニケーションについて考えていく。内容は、2009年11月に武漢科学技術大学外語外事職業学院で行った学生向けの講演をまとめて書き直したものである。

1.中国と日本の共通点
【漢字の起源】
最初に漢字の起源について見ていこう。河南省で出土した占いに使う亀の甲や獣骨の文字(紀元前1500年頃)が最古といわれている。その後、紀元前3世紀に秦の始皇帝が書体、篆書体を制定し、印鑑の字体などに使用されて実用化された。前漢(紀元前206−紀元後8)の時代に隷書体が作られ、後漢(25−220)末に楷書体に代わり、現在に至っている。
 印鑑の字体(印篆)は、秦の始皇帝が紀元前221年に天下を統一した際に作られた篆書体をもとにしている。秦や漢の時代からすでに官職には欠かせないものであった。字入れの際は、画数や運気を織り込みながら、八方に広がるように彫っていく。
 漢字の伝来は論語からといわれていて、朝鮮半島を経て遅くとも3世紀には伝わっていた。
古墳時代(3世紀−5世紀)には大和朝廷が350年頃全国を統一し、飛鳥時代(592−710)には、聖徳太子(574−622)が701年に大宝律令を制定し、日本の国号が倭国から日本に変更された。奈良時代(710−794)には、元明天皇(661−721)が平城京に遷都して長安を模した政治都市を築き、天皇中心の中央集権国家を目指した。

花村嘉英(2018)「中国から日本に伝わったことばや文化について」より
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/12701914
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
ファン
検索
<< 2024年09月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
花村嘉英さんの画像
花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
プロフィール