ハァ。。。
エミコ・デラックスの予言の様に。、
翌朝まるで吉兆のしるしの様な美しい鳳凰の雲が南の空に現れました。メトロポリタンチャンネルの公式ホームページのホームページにエミコ・デラックスの霊視の問い合わせや、
ネットには、鳳凰の雲の写真が、私も見たと次々とアップされています。メトロポリタンチャンネルの電話は、回線がパンクしてしまいます。それもパッキンキンさんに関する情報ではなく、
エミコを出せとか、エミコ先生に個人鑑定をしてくださいという大方は熱烈なラブコール
なかにはインチキではないか、というアンチもいましたが。。。やらせ嫌いの自分の意に反した筋書きに従わない約束で評判の月寒雪之丞が感激している状況や、
霊能力否定派すらエミコには舌を巻いていたし、小夜子夫人やリッキー・バースもあまりに馬鹿馬鹿しいなら途中で帰るとキレる事も一切なかった。。エミコ・デラックス大反響に、メトロポリタンチャンネルは、会長の福の神笑〜にエミコ先生をもう一度番組出演していただきたいという強めの依頼がきました。
時は少しさかのぼり、パーフェクト・サーズデイ収録終了後、笑〜はエミコ・デラックスに扮したベルモを内密理に着替えさせてすぐに社用車のUFOスプラッシュ・シールドで一瞬でプルメリア島の木蓮寺へ送りました。ベルモは僧侶、木蓮幼稚園の先生と木蓮寺で仕事も規則正しい生活もしているのでわざわざ門限も特にないのですが、未成年者をお預かりしていてそんなに遅くなっては。。。幾ら福の神笑〜がいて信頼されているとは言え。。。あまりにも夜遅くなると、若い女子特有の夜遊びでもしとるんかいなと、誤解されるのもだし。。
21時に収録が終わるとすぐに笑〜は、ベルモに今夜は時間が時間だからおかまいなしに申し訳ないわと詫びましたが、ベルモはベルモで、焦る笑〜おかまいなしに冗談まじりに、「和尚達は、アタシがちょっとワルってわけじゃないけど今時の女の子なノリで親に反抗と言うか、いまどきの女の子らしい遊び心があった方が喜ぶかもね。夜遅く帰るとかね」ベルモは、規則正しい生活の今から独身主義と豪語し作務衣とお経が大好きな親としては違った意味での心配をされるタイプです。
笑〜がサッと、貴賓車の瞬間移動のUFOにベルモを乗せてワンタッチで木蓮寺に到着したのはいいのですが。。。木蓮寺についたタイミングで
メトロポリタンチャンネルの幹部からTV界の会長の笑〜に電話がありました。。。
「どうも。。。イタズラじゃないとは思うんですが。。怪しいと言えばあやしいし。どう判断すべきでしょうか。。ご判断願います。笑〜会長が戻りましたら、録音しましたのでご報告いたします。お相手様のご連絡先もありますし」
笑〜は
ベルモに「どうもあのハリネズミさんの関係者らしき人から電話があったというの。イタズラじゃなかったら後からパソコンにも電話内容を送るわね。」と言うと、木蓮寺の森沢家の玄関で木蓮和尚と紫子さんに挨拶をしました。
サッと戻った笑〜は。。。もしかしてヤクザからの電話かしら。パッキンキンのまっきんきんなドクロの入れ墨風情を思い出します。
しかし、それにしては電話をよこしたTV局の幹部はやけに落ち着いたものでした。毎日毎日海千山千の得体の知れない伏魔殿の有名人相手だから幾ら個性の飛んだ人が来ようともいまさら感覚が麻痺しているのかもしれません。
笑〜がメトロポリタンチャンネルに戻りVIPルームに入ると社長のゴールデンレトリバーのシモンズがやってきて、「笑〜会長。。お疲れ様でございました。今日はもう大反響。。いまだに電話が鳴り止みません。。。と、言ってもエミコ先生をまた出演させろというリクエストがほとんどなんですが。。。今日のタレントさん達も凄い手応えでしたね。気難しい人ばっかりでハラハラしてたんですが。。。」
メトロポリタンチャンネルのテレビ局はだいたい幹部やスタッフが犬たちでした。
社長秘書がハーブティーを運んできました。「あら、いい香り」笑〜が美と魅力の福の神なので、社長秘書のパンダそっくりのチワワミックスのパンナが
笑〜を意識してハーブティーのセラピストの勉強をはじめたようです。憧れの美の福の神笑〜会長がパンナのお茶を褒めてにっこりすると
パンナは天にも昇るような気持ちでした。女性というのは、恋愛や結婚の福の神も大好きですが、それ以上にもっと美と魅力の福の神を求めるようです。笑〜の姉さんの
恋愛や結婚の福の神のラブは笑〜にアタシは結婚しなくても生きていけるこの時代の斜陽産業だわ。。。失業するかも。昔みたいに何がなんでも結婚しなきゃとか、独身が惨めだとかそんな時代でもないし。相手のことを好きになる以前に自分を好きになるのが先決だもん。と、自分を斜陽産業、斜陽産業というのでした。。。
そもそも恋愛や結婚の福の神のラブはさほど仕事が好きではありません。仕事運の良い人というのはそちらに恋愛や結婚運をどこか持ってかれるからです。
「どんな時代でも結婚する人はする。恋愛に溺れる人はいるわよ?斜陽産業。。。って。。ラブは幾らでも付き合ってる男性がいるんだから。。結婚すればいいんじゃないの。」と笑〜は言います。
笑〜自身は生まれつき美と魅力の福の神として生まれてきたのでパンナのように笑〜を憧れの眼差しで尊敬する女性達や、笑〜の母親の生命の福の神の心の様に笑〜に嫉妬するものもいました。
それはさておき、笑〜は、「ところで。。。例の件だけど。。。白骨死体のハリネズミの男性の関係者って。。。あの、もしや。。組関係なのかしら。。。」しかし、社長のシモンズは首を横に振りました
「お兄様だそうですよ。」「えっ。。。お兄様って。。そ、そう。こんな偏見もったらいけない事はわかっているんだけど。。。昨日の番組に出演してたタレントさん達が言うように私もあのハリネズミさんは。。。反社会の人じゃないかと思われるの。それかヘヴィメタとかバンドマンとか。。。で、身内と疎遠になったとか家出したとか。。。」笑〜が言うとシモンズは、
「確かに。。疎遠みたいだったんですが。」「家出した人。。。とか」今の時代特に蒸発というか、自発的に失踪する人も多くなった様で。。。知らない間に弟がグレて失踪して。。蓋を開ければ兄弟はごく真面目な平凡な一般市民というのが結構あったりして。いなくなった弟がパッキンキンのまっきんきんな姿になり、刺青まで入れて。。
あげくの果てに白骨死体で見つかるとは。。
もうそんな弟なら知るもんかと縁を切り放置する人も中にはいるだろうに。。笑〜があれこれ想像をめぐらせていると
シモンズ社長は、「それが。。会長様。どうも頭のおかしな男がイタズラしているのかとも思えまして。。。」「とりあえず、電話を録音してあるなら。。。」「それが。。。男がアメリカの日本大使館にいた外務省の官僚だと言うんです。。。やっぱり、どっか心の病院から私は総理大臣だとかスーパーマンだとか。。。そういう人が俺が犯人だとか、その白骨死体は俺の弟だ、とかそういうイタズラかと思われるんですが。。。それがいたってその男性は冷静で。。。」
「まあっ。。。外務省の。。高級官僚だと言うの。。」世の中の人々の地位や名誉とはまたまた遥かに比較にならない
自分が福の神で神様なのに。。。そんな笑〜は驚きつつ。。
単なるTVの見過ぎの人がイタズラ電話で東京地検特捜部です、とからかってる類いかしらと
なにも期待せずに録音テープを聴き始めましたしかし。。。あっ、男性は三太夫という五十歳ぐらいの男性で、
確かに。。本人かどうかはわからないけど、三太夫というハリネズミがアメリカで日本大使館にいた紳士録でサッと検索すると出てきます。2年ぐらい前に任期を終えまた日本に戻ってきた。。。か。。
白骨死体のモンタージュはパッキンキンのドクロの入れ墨で柄は悪いものの、顔はどちらかと言えば甘い感じで、この三太夫という男性も確かに。。。パッキンキンのモンタージュに似ていなくはありません。
電話録音の
三太夫の話しだと、私と少し歳の離れた弟は妾の子どもです。私たちは母親が早く亡くなり本妻の養母の元に引き取られました。
だけど。。。私は事情があって養子に出されまして
三太夫が言うには極道の父親と極妻の養母。三太夫の母親は弟を産んですぐ亡くなりました。三太夫はヤクザが嫌なので必死に勉強しました。極道の父親は三太夫と弟の母親を愛していたので、三太夫が神童と呼ばれるのをいいことに堅気の道に進むのを応援していました。
本妻には三人の男の子がいました。三太夫より歳上の本妻の兄達二人が、太朗、次水だったので父親が、三番目に産まれた妾腹の私を三太夫と名付けました。
三太夫の父親は大きな組の組長だったので愛人がいるのは本妻も建前は当たり前だったのですが、どう考えても若くて綺麗な愛人である三太夫の母親に嫉妬ししかも、長男や次男より明らかに愛人の子どもの三太夫の方が賢いし可愛らしい長男次男に期待できない
本妻には、三太夫の三歳ぐらい歳下に
さらにまた四朗という男の子ができました。
四朗は太朗や次水と違って人は良くて優しいけどやっぱり愛人の子どもには全く敵わない。顔も成績も平凡だし。嫉妬にかられた本妻は、なにか怖ろしい薬を組関係の裏ルートで手に入れて妊娠した愛人。。。三太夫の母親を殺害したという噂がありました。
三太夫は
ヤクザが嫌で、極道の父親も、三太夫が真っ当な道へ進むのを応援しているのを見てさらに本妻は激しい嫉妬にかられます。愛人が死んだのに。。。
目ざわりな愛人の息子たち二人を残して。。
父親が、この子は表街道を歩かせたいと幼い頃から神童と呼ばれた三太夫は自慢の息子でしたが、
ヤクザ育ちをさせたくないのと愛人の子どもとして育って欲しくないのも兼ねて
小学校の頃に子どものいない裕福な大学教授の家に愛人の母親と相談して養子に出されたそうです。ゆくゆく三太夫を養子に出す、この子はヤクザにしたくないから。という父親の意見で愛人の母親は、三太夫の弟を産みましたが、
その時。。。母親は亡くなりました。表向きには産後の肥立ちが悪かったという話しですが。。
どうも。。。本妻が手を下したのではないかと。
それから私と三太夫は本妻のもとに引き取られましたが。。私だけ父親の言っていた様に、真っ当な道へ歩ませたいと。。。
電話の録音が続きましたが、笑〜が、あれっ
と思いました。あ、あれっアレアレ。。あっ、
「ストップ」と笑〜が言うので録音を流していたシモンズが録音を止めます。
「いかがいたしましたでしょうか」「ち、ちょっと電話してくる。。。すぐに戻るから。。。」
笑〜はVIPルームを飛び出して廊下に出ると
スマホを取り出して、純ちゃん。。いやいや直接はダメだ。。あっ、葉月さん、出るかな
連絡をすると葉月が電話に出ました接待がちょうど終わったぐらいなんだそうで、これからタクシーで帰ろうとしていると話していました。
「あ。。。あの、あの、私とラブも葉月さんも同席した緋夏さんの審理があったよね。。。私の従姉妹の刑法の福の神花蓮と司法の福の神歩水と。。。」「ええ。。あの裁判ならもう。。終わって緋夏さんは釈放されてるんじゃないの」
「その。。。緋夏さんなんだけど、緋夏さんの供述に前の旦那さん、吾朗太って言ってたわよね???五郎でもなしに、吾朗太か、変わった名前ね五番目かしら。五男なのかなぁとか、私と葉月さん。。。話してたよね」「あー。。。ああ、うん。なんで吾朗とかじゃなくて吾朗太なんだろう、変わった名前だよねー、って確か言ってたの思い出したんだけど。。。それが」
緋夏さんの裁判の時隣あっていた葉月と笑〜はさりげなく。。。緋夏さんの話だとヒモの様な暴力男らしい吾朗太を、それじゃあ逃げたくもなるよねと話していました。緋夏さんは、吾朗太は、数字の五の下に口、朗らかのロウと書きますと言っていました。
笑〜は、サッとパーフェクト・サーズデイの番組を説明すると、白骨死体の生前のモンタージュ写真を見て連絡してきた男性がいて
その男性の電話録音を聞いていたのだけど、三太夫と名乗るその男性が、弟の名前は吾朗太と申します。五番目に生まれましたから。しかし、数字の五ではなく、五の下は口のご、であり、ロウは明朗活発の方の朗でございます。生きていれば今年四十二歳になっております、厄年ですね。。。
と話していたと言うのです。しかも、兄は養子に出され弟は愛人の母親が亡くなりヤクザの本妻に育てられてグレて手のつけようのないワルになっていて、何度か里親に内緒で接触を試みたものの。。。もう手がつけようもなくなった。。。と。
年齢的にも名前も、話によれば横着な雰囲気も。。もしかして、あの白骨死体は。。
緋夏さんの前の旦那さんの吾朗太ではないか
プルメリアの海に沈んでいたとは。。
ま、まさか。
まさか。。緋夏さんや俊さんが。。吾朗太を
2020年10月16日
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