ふー
良かった。今のところ、アフロのカツラを勝手に持ち出したのはパッキンキンさんのせいになってる。
ベルモはホッとしました。
また、アフロをサッと蔵に返しといたけど、不思議なことに、いつも無意識に放置してあるものも、持ち出した時に限って、わざわざ誰かが調べたり気付いたり。。ココナが、寝ぼけて、ベルモがいつもの超絶可愛い声ではなく、オッさんのダミ声で発生練習をしていたのを、男の人が、テスト、テスト、ドレミ〜と、歌っていたのを聞いて、誰か男の人がいたようだ、夢かもしれないみたいな話を木蓮和尚にして、
セキュリティーもしっかりしている離れやら蔵に忍びこめるんなら、そら、幽霊だな、と木蓮寺によく来ているパッキンキンさんが忍びこんで、歌を歌っているなら、じゃ、昔取った杵柄で、パッキンキンで入れ墨で、あのパッキンキンさんは、多分、ヘビメタでもやってたんじゃないか。。と言う話になったそうだ。昔の事をなんらかの思い出すのであれば、
パッキンキンさんは、成仏に近づけるので、カツラを勝手に持ち出しても自由にさせようと木蓮和尚は言いました。他人様のものではあるものの、あのカツラ達は、頭の薄い人達が捨てた過去だし。。。
余分な重荷でありあとはこちらが供養するだけのものなので、パッキンキンさんが、過去を思い出す為のなにかになるならカツラも思う存分楽しんで、本人の意のままに、自由に使わせてあげようと木蓮和尚は言いました。
おーいいこときいちゃった。キャハカツラの使い放題。。。心躍る。。。
ちょ、動くと危ないっ。
「ジッとしててよ。」コテンと横になったベルモ。フワッと宙に浮いたきょうだいのヴィーナスが、ベルモの耳の穴を覗いては、さっきから、ヒャあ一人で盛り上がっていました。今夜は
ベルモのきょうだいのヴィーナスは、同居しているアザラシの福ちゃんや、幼なじみのグリやクラスメイトのシュナ坊を連れて木蓮寺にやってきました。
今日は、木蓮和尚の
ご飯ができるまで、座敷では、濃紫婆さんや紫子さんとチワワのミーナとココナとともに、
福ちゃんやシュナ坊やグリが、雑談していて、
さらにその奥の座敷では、ヴィーナスの耳掃除に順番に呼ばれて。。。一か月に一度ぐらい、木蓮寺に、ベルモのきょうだいのヴィーナスと、ヴィーナスの友だちをお食事に招待しがてら、
ベルモやチワワ達、小僧さん達の耳掃除をします。チワワ二人が、耳掃除を嫌がるので、ほとんどプロのヴィーナスに任せるのと、ベルモの耳掃除は、耳掃除好きにはたまらないほどヤバいぐらいに取りがいのあるお宝ザックざくの福耳なので、耳かきマニアのヴィーナスが、進んで木蓮寺にウズウズして行きたがるのと
木蓮和尚が、僧侶のお仕事以上に大好きなお料理の腕を、ゲストに振るいたがるののウィンウィンです。
いまは、ちょうど耳かきお客王総大将のベルモが耳かきの順番ですが、
「ね!。。ヴィーナス、特殊メイクを教えて欲しいですけど。。」エ、えー危なかったっ。ひゃーあー
あまりのベルモの意外な言葉に、ヴィーナスは、思わず耳かきをベルモの耳アナに深く差し込みそうになりました。
トットッと。。ホッ
ココで、グサっと耳かきを差し込み、痛っとやれば、福耳のベルモが、激怒して、もうオタクには頼まないとか、なにより、痛くない、寝てしまう気持ちよさをモットーと評判にしている耳かきにプライドを持つヴィーナスの汚点となる。。。賛否両論の激しいお母さんの耳掃除より、心地よく快適でなければならない。
ヴィーナスの耳掃除のクライアントなどいくらでもいるのですが、しかしながら、
こんな耳掃除のしがいのある黄金の耳を持つクライアントはベルモ以外にはいません。
セーフ。。だ、だ、だけどー。どうなのよっ。ヴィーナスは仰天
あの、ベルモの口からメイク、なんぞお洒落な話しなんか全然しないし、興味も持たないし。ヴィーナスとミリオン、ベルモがそろって産みの母親の葉月と集まる時に、ベルモが作務衣か袈裟を着てくるので
母親の葉月が、「確か、ベルモは女の子として育てて貰ってるって聞いたんだけど」とビックリしました。
優しくてにこやかな人当たりの里親の木蓮和尚夫妻、お出かけに
作務衣しか着せられないと言った嫌がらせを受けているであるまいし。なんなの。。。この子は。。お坊さんの修行お食事にドレスコードがあるお店へ行くと連絡すれば、これなら大丈夫と袈裟を着てくるし確かに正装なので、お店には入れますが。。
ましてや、そんな洒落気なしのベルモが、化粧、メイクの話しなんか。。。いったいどないシタ。特殊メイクとは言え。。化粧。。ベルモが美容に。。
ベルモは焦りながら。。
「あ、あの、あー、幼稚園で学芸会とか、ハロウィンとかあるでしょ。少しでも、リアルにしたいというか。。。ヒヨコ組を、他の組と差をつけたいのよね。」
ベルモは、木蓮寺の敷地内の木蓮幼稚園のヒヨコ組の副担任です。僧侶も兼ねて仕事をしているために、担任にはなれないものの、木蓮和尚が理事長、紫子夫人が園長先生、ご近所に
嫁いだ木蓮和尚夫妻の娘の中村紅子さんが副園長先生です。
「何言ってんだー幼稚園なんて、クレヨンでお面描いて、それで学芸会が定番になってるでしょ。アレがいい味出してる見ものなのに。。特殊メイクを、とかしゃらくさい事はやめなさいよ。子どもは子どもらしくだわよ。」と、ヴィーナスは、返事をしたものの。。。ハッ
モルベサワモリ
あっ。ベルモは、怪人百面相みたいに。。?七変化の声帯模写。。もしかして、ベルモは、特殊なメイクを覚えて。。。
別人になって
なにかしようとしてるのかしら、、。あの時。。神楽町の喫茶店南風で、モルベ・サワモリという、アフロヘアーの、元マフィアらしき。。遊び人の宇宙人がいたけど。
あれって。。。あまりにもいつも鈴を転がす様な可愛い声のベルモが、まさか。。。ダミ声のオッさん。。とみんな気づかなかったでしょうが。。。
ヴィーナスは、ベルモが、別人の声を出せる声帯模写の天才である事も知っています。
初めて気づいたのは、初めて
こうやって耳掃除をして二人で座敷にいた時に、ヴィーナスの施術にウットリとあまりに気持ち良くてベルモは寝てしまいました。
すると、ベルモは、寝言で老人の声や、時には、ダミ声や、全然違う女性の声などを色々と出していたのです。。。
ヴィーナスは、びっくりしましたが、
これってもしかして。。ベルモが超絶な憑依体質なので、なにかがのりうっってる
と、最近まではずーっと霊がのりうっってると、思っていました。
でも、最強になって。。。
いいえそうじゃない。多分、この人声帯模写ができるんだ
というのも、三つ子のきょうだいのヴィーナスは美術に関して天才だし、美術に関した魔術も使えるし。ミリオンは、理数の天才だし。
ベルモも確かに耳年増で、年齢的に似合わず渋いし超絶な憑依体質だけど、歌はうまいし、声も可愛い。。。
もしかして、ずば抜けた声帯模写の天才かも。ベルモは、本業僧侶で幼稚園の先生で。。。
エッセイストや講演家、書道家で
たまにマスコミに出る程度で本業はタレントじゃないからいちいち皆に声帯模写の事は言わないけど。。。
それから、何度も何度も、居眠りをすると、ベルモが、色々な声を出して寝言を言うのをヴィーナスは聞きましたが、ヴィーナスは、ずっと、てっきり憑依現象かもしれないと思っていたので、怖くてしかし、怖い以上に耳掃除をしたいので、怖さを忘れて耳掃除を楽しんでいました。
木蓮寺で耳掃除をしているので、万が一の事態霊に襲われたら和尚や小坊主さんを呼べば良いし。
ベルモが自分から声帯模写ができると言ってくる事はありませんでしたし。
しかしながら、こないだ、喫茶店南風で。。。モルベ・サワモリにあったときに。。
もしかして。。いままで、憑依霊現象だと勘違いしてたんだけど、ベルモは、声帯模写ができるんだわ。と、ベルモの秘密を知り黙っていました。
ベルモは、自分が声帯模写が出来ることをなぜか黙っています。
まさか。。。ベルモに限って。。それをいいことに悪さするなんて事はなかろうけどさ。
ベルモがスヤスヤねはじめて、今度はダミ声で、
「おう、あんちゃん達、元気にしとるか。。。」ムニャムニャ。。
すると、
スーッと奥座敷のフスマが開き、「えーなんか、他にも誰かいる」「こないだのアフロのオッチャンみたいな声がしたよーな」「うん、なんか、あやしい」
口々に。。福ちゃんやシュナ坊やグリが覗きます。
しかし、奥座敷のそこには、耳掃除をされてトロける様に気持ちよくなりトロンとスヤスヤ眠るベルモと耳掃除をするヴィーナスだけ。
「気のせいよ。夢でも見たんじゃないの」澄ました顔で、ヴィーナスは楽しい楽しい耳掃除を続けました。
2020年08月14日
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