「ンモ。。。
アキレタ。」
鍋奉行を取り仕切り、寝たら危ないと、お風呂へ入れ、歯を磨けと、シュナ坊をさしずしたヴィーナス。。。
さ、これで。安心して虹のかけらを削れる!なんて、思ってたら、お腹いっぱいな安心感とともに、シュナ坊も、ヴィーナスも、福ちゃんまで、全員眠り、
気がついたら朝でした。
「コーレグライナラバ。ガッコデシアゲレルカ。」
今日の。
放課中に彫刻すれば、なんとか、虹のかけらのサンタクロースもできるでしょう。
ヴィーナスは、美術系ならお茶の子さいさいだから、グズグズマゴマゴしているシュナ坊が、信じられません。
なんでこんなたのしいこと、すぐできるってのにっ。
自分が得意なら、他人がうまくできないのが信じられない
ま、人なんてお互いは、そういうもんですけどね。
福ちゃん、シュナ坊がいるので、南風で、モーニングをして学校に行くことにしました。
南風は、モーニングで混み合うのですが、回転率も良いのですから、朝のお客様は、みんな、出勤、学校前で、そうは、ゆっくりしていられません。
「喫茶店ババアだね、ヴィーナスは。」シュナ坊が、あはははと笑いました。
「ツレテイカナイヨウヘラズグチヲタタクト」ヴィーナスは、シュナ坊にお尻でキックしました。
さて。
「最近は。すっごいオーダーがあって。」福の神家で、ブレックファーストをミンナの分並べているタチバナが言います。
「なんノー」
寝ぼけ寝ぼけなラブが、トイプードルの小雪を連れながら言いました。
「楽園フルーツの山盛り。。。あの、クライド・フォレスターさんに、だって。。」
タチバナは、焼きたての、スクランブルエッグを、お皿に移しました。
「えー、あのじいさんがぁ、見舞いにくる身内でもいるのかよーっ」
大蔵は、すっとんきょうに声をあげます。
クリスマスパレード大反対を唱える
音鳴り町のクライド・フォレスターさんに、小学生の頃、
クリスマスパレードで、真冬にホースで水を掛けられて、大蔵は、風邪をひいたのです。
「息子さん?かな、、、五十代ぐらいの品のいい紳士が。。。全然クライド・フォレスターさんに似てないから。。。違うな、でも、身内でも、扱いに困るだろうに。。。だれが、あの人に赤の他人が、わざわざ親切にするのかな、物好きな。」
タチバナも、大蔵と同じく被害に遭いました。
食卓には、
ジュッと熱いカリカリのベーコンとソーセージの香りが漂ってきます。
キャンキャン、小雪が甘えました。早く食べたいみたい。
小雪、静かにしなさい。ラブが注意しました。
食いしん坊のチワワちゃん、ちいちゃん、は、タチバナが、シールドでバリアーし、
食べ物の香りをシャットアウトしています。
もしも、食卓に、ちぃちゃんが現れたら大変です。ちぃちゃんは、タチバナのお部屋でごはんを食べています。
ヴィーナスが、仕事に来たり遊びにくると、ちぃちゃんがヴィーナスのストーカーをするので、ヴィーナスから苦情が出ていますが、
タチバナは、ヴィーナスには。シールドでバリアーしません。
なんとなく。パパ
として、ちぃちゃんの恋を応援したいからでした。
笑〜が、ドレスアップして、フワフワな服を着て来ました。音鳴り町の病院へ、脚本家の如月翠先生のお見舞いに行くと言っています。
もう。おばあちゃんの巨匠
大先生で、ピーチバリエーションズの、笑〜のドラマ、茶目コデビュー作の、黒姫。
黒豹の殺人事件簿の脚本家の一人ですので、茶目コとともに、如月先生をお見舞いに行く事になりました、
如月先生は、笑〜や茶目コ、可愛い子や綺麗なものが大好きで、笑〜や茶目コをよく可愛がったりお食事に連れていってくれました。
笑〜は、福の神フラワーで、楽園フラワーを持っていきました。楽園フラワーというのは、楽園フルーツ同様特注品です。
笑〜は、芍薬が好きなので、芍薬の花にしました。如月翠、きさらぎみどり先生には、
芍薬の花を御礼にプレゼントし、喜ばれていたからです。
「シュナ坊、虹のかけらのサンタクロースできたのかなー、」笑〜が言います。
「ヴィーナスが一緒だろ。大丈夫だって。」
大蔵は、のんきに言います。
「ま、いいか。だけど、今回はかわいそうだったなぁ。。。シュナ坊のホシノカケラだけ逃げちゃって。」笑〜が言います。
「苦手で、下手で戸惑う子に限って、、無くしたり、逃げたり。。。か。」ラブが、小雪に朝食を食べさせています。
「ヴィーナスなら、喜んで彫刻サッと、できるんだろーけど。シュナ坊は、不器用で、夏休み、俺や、柊にやらせるし。。」大蔵がいうと、
「まあっ、
兄さんたちだったのっ、」笑〜が怒りました。
「しまった、しまったやぶ蛇。」
今ごろシュナ坊は、クシャミをしているのでしょうね。。。
音鳴り病院。。、
「まあっ、綺麗なお花、ありがとう。あなたたちもお花みたいだけれどね〜」
音鳴り病院に着いた笑〜と茶目コは、思ったより如月先生の容態が良いのにひと安心しました。
「如月先生には、また、脚本を書いていただきたくて、私が全然無名なのにデビューしてすぐに人気が出たのも、如月先生のおかげ様です。」茶目コが言いました。
「茶目コちゃんが、スジがいいからよ。それを、見抜いて女優にした笑〜ちゃんもだし。私は、可愛いくて前途洋洋な女優さんには、お仕事のやりがいがあるわ。
私だって、こんな人に脚本なんか書きたくないってこれでもあるのよ。」
「まあっ、光栄ですわ、」笑〜が、ニコニコしました。
「そうそ。これ、わざわざ、福の神の、楽園フラワーでしょう。
昨日、患者さん達が、頑固爺のところに、福の神の楽園フルーツが、持ってく男性を見かけて、すっごい、びっくり、って今朝、ザワザワしていたのよ。
「タチバナ兄さんも言ってたわ。なんか、山盛りで、楽園フルーツをオーダーして、お見舞いに、クライド・フォレスターさんに、って身なりのいい紳士が、、、って。クライドさんとは似てないし、東洋人の紳士が、って。」
「それでねー、なんと、クライド・フォレスターさんが、、、小児病棟の入院患者の男の子に、そのフルーツの山盛りをあげたんだって。。。」
「えー
あの、クリスマスパレード大反対の、、、クレーマーじいさんが、、、」
茶目コも笑〜も顔を見合わせます。
中学年児童の茶目コも笑〜も、クリスマスパレードを参加した事がありましたが、
クライド・フォレスターさんに、ぎゃあぎゃあ拡声器でやめろー、コジキかー、など、わめかれたからです。
あの、クライド・フォレスターさんが、、、全然他人様の子供に、
どうか、したのかしら。。、
神楽小学校。
さて。1時間目が、終わり、
放課中に
不恰好ながら、シュナ坊が、やっとやっと、サンタクロースの虹のかけらを掘り上げました。
他の生徒達の惑星のかけらは、とっくに出来上がりの箱に納められ、
飾りに行くので、
あまり遅くなるのも失礼だ、シュナ坊は、一生懸命虹のかけらを掘りました。
グリがくれた虹のかけらの、あと二つ、トナカイとソリは、特別選ばれた子達でしたので、彫刻が上手でしたから、とっくに出来上がりでした。
シュナ坊、ヨカッタねー、
担任のセブン先生が、シュナ坊に短冊を渡すと、、、
フワッ、教室に、なんと、ソリとトナカイの虹のかけらがフワッフワッと飛んできました。
「迎えにきましたね」
なんと、虹のかけらのトナカイが、そういうと、
シュナ坊の手から虹のかけらのサンタクロースが、フワッと飛び上がり、
「サンタクロースが、サンタクロースを彫るからだよ。サンタクロースは、子どもを幸せにするの、ありがとう、サンタクロース、」
と、虹のかけらのサンタクロースがぴょん
と、虹のかけらのトナカイのひくソリに乗り、また、教室にからぴょんと、出て行ってしまいました。
「ワーッ」シュナ坊が、また泣き出しました。
つかまえろー、つかまえろー、
みんな、神楽小学校は、またまた、虹のかけらが逃げたと、大騒ぎ。
さてさて。
笑〜は、茶目コとおいとましましょう、と、
如月先生に挨拶すると、廊下に出ました。
廊下に出ましたら、あれま。。。
フワッと、飛んでくるものがあり、
なんだか、あれは、誰かが、あっ、虹のかけらの、、、昨日掘られたトナカイとソリの作品です、
「あ、あれは、神楽小学校の彫刻のうまい子が、掘った虹のかけらだよね!」茶目コがびっくりして言います。
「私も見た、あ、、、ソリになんか、乗ってるけど、あれ、じゃ、虹のかけらを貰ったシュナ坊の、シュナ坊のサンタクロースなんじゃない」
笑〜もいいます。
「ね、追いかけようよ、なんで、こんな、ところに。、、」茶目コが言いました。
二人で、虹のかけら達を追いかけると、
クライド・フォレスターさん、、、
クライド・フォレスターと書いてある病室に、
スーッと虹のかけらは、消え入るように入っていきました。
2019年03月19日
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