その前に、なぜ、
ジョイ・フォレスター氏の息子が、
長男、オリバー
次男、クライドと、外国名なのに、
ヒカルだけが、東洋名なのは、理由がありました。
弟のヒカルとジョイ・フォレスターの二男の
クライドさんとは、年子でしたが、クライドさんが、クリスマス産まれ、
ヒカルは、一学年下の四月産まれ。。
同じ女性から産まれてくるわけにあらず、
そう、ヒカルは、ジョイ・フォレスターさんの、唯一愛した東洋人女性の子供で、
弟と言っても
腹違いです。
ヒカルのお母さんは、ジョイ・フォレスター氏が、日本へ行った時にできた唯一、生涯愛した女性でした。
ジョイ・フォレスターさんは、冷徹な家庭を顧みない冷血漢な反面、美しい繊細な美意識と四季の織りなす、細やかな気配りと礼儀正しさの日本が大好きでした。
美術品や骨董のコレクター。
美術も、美しいものも、美味しいものにも目がなく、お金があるかぎりの贅を尽くしていました。
兄のオリバーと、クライドさんの母親で、ジョイ・フォレスターさんの
妻のイライザとは、
乾いた政略結婚の果てに。
だから、美しい日本女性の、ヒカルの母親に目をつけずにはいられません。
ジョイ・フォレスターさんは、真からの美しいものを愛する趣味と、
反面、クライドさんを襲ったドーベルマンを射殺した様に、猟銃のハンティングの趣味がありました。
お金持ちの趣味と言えば、趣味です。
だから、
しぶしぶ。
ヒカルが、最終的に、美術大学に行く、というのを、フォレスター一族の一員として働くのを条件に最終的には折れました。
しかし、プライドのかたまりの、ジョイ・フォレスターさんの妻、
イライザは、自分が、クライドさんを妊娠した時期とそう変わらない時期に愛人であるヒカルの母親が、ヒカルを妊娠していた事に、
気が狂わんばかりになりました。
昔だったし、ヒカルの母親は、産後の肥立ちが悪くて、
そのまま亡くなってしまい、ある日突然、ジョイ・フォレスターさんは、ヒカルを家に連れてきたそうです。
絶対君主制の、ジョイ・フォレスターさんに、妻のイライザは、気が強いけれども逆らえません。
愛人の一人や二人、英雄色を好む、ですと、イライザは、舅や姑に理不尽なお灸を据えられました。
実際
ジョイ・フォレスターさん自身も、正妻の子でしたが、腹違いの兄妹もいます。
フォレスター一族の男性は、代々艶福家の産まれです。
だけども、自分の旦那に限って。。。
仕事と趣味人間のジョイ・フォレスターさんは、まさか、女性関係に問題なかろうと高を括るイライザは、しっぺ返しをくらいました。
やはり、血は争えないのです。
しかし、イライザは、文句を言おうものならば、無一文で身ぐるみ剥がされ追い出されます。イライザは、資産家の娘でしたが、
今や、実家は没落しています。没落した華族といった感じで、ジョイ・フォレスターさんは、
結婚当時は栄えていた華族の娘との政略結婚の計算でした。しかし、実家は没落してしまい、イライザは、肩身が狭いのです。
イライザも、フォレスター一族の資産や地位に目がくらみましたし。お互いそれほど好きではないのですが、
意地やプライドや見栄は人一倍虚栄心も強い女でした。
黒髪で、明らかに顔立ちが、オリバーやクライドと違うヒカルは、
クライドさんが、赤ちゃんの頃から家に引き取られましたが、
日に日に薄々、人の噂も兼ね、成長するうちに、ヒカルは愛人と父親の間にできた子だ、とクライドさんは、知るのですが、
どうりで、ヒカルは、優しいいい子だと感心するばかりで、愛人と父親の子、
でも、嫌いにはなれませんでした。むしろ、虚栄心女イライザの実子であるクライドさんは、羨ましいぐらい。
ある日、こっそり、父親の書斎を探検して、黒髪の若い綺麗なヒカルのお母さんらしい、女性の写真を偶然見つけ、胸がときめきました。
それは、幼き日。
小さな
クライドさんの初恋でした。
父親のジョイ・フォレスターさんも、
いまの、クライドさんも、自分を棚に上げて、穏やかな人間を好みます。
祐希さんと、言うのでしょうか、写真の裏に、祐希と書いてありました。
きっと、二十代前半であろう、
色が白くて長い黒髪の美しい
清楚な感じの美人でした。
とろけるような感情に、
クライドさんは、ドキドキしました。
小学生ぐらいとは言え、男の子。綺麗なお姉さんはみんな大好きです。
親子女性の好みは似るってあるかもしれないな。。。
なんだか、ムズムズとします。
冷え切った、帝王学を学び。
洗脳され汚されていく、
クライドさんは、だんだんひねくれてはきましたが、でも、心の片隅に、純粋な子供がまだ住んでいた頃です。
2019年03月09日
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