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2020年09月16日

もしも一年後、この世にいないとしたら。

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国立がん研究センター中央病院で延べ3500名のがん患者と接してきた著者。がんと告知され、「死」を向き合う事となる患者の感情の揺らぎなどを間近で見てきて、終わりを意識することで日々を充実させることの大切さを感じたという作者。個人的にも「死」というテーマには深く興味を持っていて、読んでいく中で色々と思うとこのあった一冊だった。


 
自分の人生がいつ終わりを迎えるのかは誰にも分からない。
 だからこそ、今生きている瞬間をかけがえのないものとして大切にして欲しい




これは27歳でこの世を去ったオーストラリア女性の最後のメッセ―ジで、著者の心に大きく響いたという。多くの人にとって「死」とはいつか自分にも訪れると頭で理解していても、それを実感して意識して生活している人は少ない。


過去の研究ではがん告知後に患者の5人に1人はうつ病になり、がん告知の1年以内の自殺率は一般人口の24倍だったというデータがある。


がんを告知された患者は思考停止になったり病気になったことから目を背ける方向に心が動くことが多い。諦めや絶望の安生が生まれた時、その気持ちの裏側で現実と向き合うプロセスもまた、始まっている。このように様々な喪失を認め、新たな現実と向き合う力を「レジリエンス」と呼ぶ。レジリエンスは元々、生物学などの用語で、日本語に訳すと「可塑性」という意味になり、元に戻ることを表す。


病気を機にお金に対する価値観が大きく変わるケースもよく見られる。長年、老後のために貯蓄してきた人が急にがんを告知され、長く生きれないと悟った時、お金の使い方について後悔する。家族などの大切な人のために使う、自分の本当にやりたかったことに使う、など。


「いつかやりたい」と思っていることがあったとしても、人生には期限があることを意識しないで「そのうちやればいいや」と先延ばししていると、結局実現しないまま終わってしまう。終わりを意識することで行動が変わる。


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