2021年07月02日
2025年、人は「買い物」をしなくなる
注文した商品をすぐに届けてくれる Amazonや、レストランの料理を家まで持ってきてくれる Uber Eats(ウーバーイーツ)、レンタルビデオ店に行かなくても映画やドラマが見られる Netflix(ネットフリックス)などが代表例だ。彼らは「面倒くさい」を解消しながら、日本でも市場の主導権を握ろうとしているのだ。
子どものころからSNSに慣れ親しんできたSNSネイティブ≠フ世代が成人し、購買力を持つようになるのだ。 こうした変化が進展していくことで、人々は間違いなく「買い物をしなくなる」。 もちろん、お金を支払って何かを買うことがなくなるわけではない。なくなるのは、これまでの買い物におけるさまざまなプロセスだ。店に行くことや、現金を用意すること、商品の現物を見ること、さらには商品を自分で選ぶことも含まれる。これまで当たり前だったプロセスが次々に省略され、そのうち「買い物をしている」という感覚さえなくなっていくのだ。
デジタルシェルフとは、ショッピングサイトの商品一覧のように、物理的な棚がデジタル上に置き換わっていくことも意味するが、本書および私の会社(株式会社いつも.)が考える定義では、その言葉をより広い意味で捉えている。 ここでいうデジタルシェルフとは、「世の中の電子化が進む中で、日常の身の回りにある、ありとあらゆるものがシェルフ(商品棚)になること」を意味する。
「買う」という行為は、思いのほか面倒くさい。 まず、店に行かないといけない。そのための身支度も整えないといけない。店に行くまでには電車に乗ったり、車を運転したり、自分の足で歩いたりする。 店に着いたら今度は売り場を探さないといけない。目的の売り場に着いても、類似商品がたくさん並んでいる。そこから自分が求めているものを選ぶのも、けっこう大変だ。品質や機能をチェックしたり、値段を見たりと、比較検討することはいろいろある。 買うものが決まったらレジの列に並び、ようやく支払いを済ませる。買った商品を家に持ち帰るまでも買い物だ。 モノを買うためのプロセスを分解すると、買い物とは、そうした面倒なことの積み重ねだということがわかる。
アメリカでは、ショップ店員の採用については、Instagramのフォロワーの数の多い人を採用する流れも出てきている。影響力のある店員は「プロ店員」としてますます市場価値が高まる。そして、すでにそうした店員の引き抜きも始まっている。店員は商品陳列やレジ係という時代は終わり、プロの販売を求められるのだ。
アメリカではもはや、価格の比較サイトが入り込む余地がないほど価格の最適化が進んでおり、ウォルマートがAmazonを価格追跡して最安値で販売しているのは有名だ。日本もそのような流れになることは間違いないだろう。
現在は多くのハイブランドも、「Unboxing(アンボクシング)」=「届く瞬間、箱を開ける瞬間のユーザー体験」を最も重要視している。そのため「イケてる箱をどうつくるか」ということが新しいテーマにもなっているのだ。
EC発の人気ヘアケアブランド「BOTANIST(ボタニスト)」は最高級シリーズでは1本4980円という高価なシャンプーながら一人一人に合わせたパーソナライズシャンプーとして大人気だ。
Awayのヒットは、「旅行中にキャリーケースを開かなくてもスマートフォンを充電できる」という点で、ユーザーの共感を得られたからだろう。重要だったのは、商品をヒットさせたストーリーだ。既存の商品は高価なものと安価なものの二極化していたため、そこにビジネスチャンスを見出したのだ。
まずストーリーにおいて何を作ったかは重要ではなく、なぜそれを作ったか、そしてどのように作ったか、という事である。そしてストーリーの長さも重要だ。半日でつくられるものより、1週間、1か月t時間がかかるものほど、人々の共感は強くなりやすい。そして同じものでも、たくさんのプロセスを見せた方が共感を得やすい。
サブスクの進んでいる中国では、ピアノのサブスクにピアノの先生がついてくる。また、子どもが鍵盤をどう叩いたかをアプリで記録して、実際の先生が見てアドバイスしてくれるサービスもあれば、AIが指導してくれるものもある。
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