2016年10月06日
[ネタバレあり]ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2004)〜旅は終わる
『ロード・オブ・ザ・リング / 王の帰還』(2004・米・新)
The Lord of the Rings The Return of the King
監督/ピーター・ジャクソン
脚本/フラン・ウォルシュ、フィリパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン
原作/J・R・R・トールキン(指輪物語)
製作/ピーター・ジャクソン、バリー・M・オズボーン
ティム・サンダース、フラン・ウォルシュ
出演者/イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン
ヴィゴ・モーテンセン、ショーン・アスティン、ショーン・ビーン
音楽/ハワード・ショア
主題歌/アニー・レノックス「イントゥー・ザ・ウエスト」
製作会社/ウィングナット・フィルムズ
【映画ネタバレ】ロード・オブ・ザ・リング/ 王の帰還(2004)
<ネタバレあり! 結末まで掲載しています!>
再会
昼なお暗いモルドールの山。フロドが眠る隣でゴラムは、自身が“愛しいしと”と呼ぶ“一つの指輪”を初めて手に入れたときのことを思い出していた。彼はホビットの支族ストゥア族で「スメアゴル」と呼ばれていた。ある日、川で魚を釣っていたデアゴルがたまたま指輪を拾う。スメアゴルはその指輪を見た瞬間に指輪に魅せられ、それを奪おうとしてデアゴルを殺してしまった。そのために村を追放された彼は、指輪だけを友に長い年月を過ごすうちに指輪の魔力に蝕まれ、徐々に心身ともに変貌し現在の姿になったのだ。
裂け谷のエルフ、エルロンドの娘アルウェンは、アラゴルンを愛しながらも父の言葉に従い、エルフたちとともに西方に船出する港に向っていた。が、彼女は幼い少年の幻を見て裂け谷に戻る。彼女は自分が見たのは自分の息子であり、未来に希望はあると語り、アラゴルンの祖先イシルドゥアの折れた剣を鍛え直すよう父のエルロンドに訴える。だが。冥王サウロンの力が増すとともにエルフの力は弱まり、アルウェンも次第に衰弱していくのだ。
一方、アラゴルンたちはサルマンの砦アイゼンガルドに向かい、そこでメリーとピピンに再会してお互いの無事を喜び合う。そこでガンダルフはサウロン勢のゴンドールへの進軍を知り、一行と別れ、ピピンを連れてゴンドールのミナス・ティリスに向かう。
ゴンドールで彼らを迎えたのは、愛する息子ボロミアの死を知って絶望する執政デネソールだった。ガンダルフはデネソールにサウロンの攻撃に備えてローハンに援助を仰ぐよう勧めるが、彼は自分が統治してきた国を奪われるのではないかと恐れて拒絶する。そこでガンダルフはピピンを使い、ローハンに援助を求めるのろしに点火する。のろしを見たローハンのセオデン王はゴンドールの援護を決意する。
疑念
ゴンドールの執政デネソールの息子ファラミアは、オスギリアスの砦でオークの軍に破れゴンドールの都ミナス・ティリスに撤退する。が、父デネソールは彼に戻って砦を奪回するように命じ、ファラミアが「ボロミアではなく、弟の自分が死んだほうがよかったと思っているのでは」と、問うと「そうだ」と返答する。が、ファラミアは父への愛を示すため、死を覚悟して戦場に戻っていく。
滅びの山を目指すフロドとサムの間にも事件が起きていた。ゴラムがサムを陥れようと、二人が寝ている間に唯一の食料であるレンバスをサムがひとりで食べたように偽装したのだ。フロドはゴラムの策略にのせられてサムを疑う。疑惑に苛まれるフロドはサムが指輪を運ぶことを申し出ると、彼が指輪を狙っていると誤解して「帰れ」と命じ、悲嘆にくれるサムを置き去りにしてしまう。
ローハンのハロウ砦ではアラゴルンが焦る心を抑えていた。今ある戦力ではサウロン軍に勝てないのは明白だった。そこに裂け谷のエルフ王エルロンドがやって来る。彼はアラゴルンに鍛え直した王の剣「アンドゥリル」を与えて助言する。「死者の道」と呼ばれる場所に、かつて人間の王イシルドゥアに忠誠を誓いながらも誓約を果たさなかったため、その罰として永遠に成仏できずにいると。死者の王とその軍勢がそこに封印されていることを話し、死者の王を認めさせることができるならば彼らは戦いに加わるかもしれぬと。そこでアラゴルンは「死者の道」に向かうことを決意する。するとレゴラスとギムリも「友はつねに行動を共にするものだ」と、アラゴルンが止めるのも聞かずに同行する。
彼らを見送ったローハン軍は、いよいよゴンドール王国を襲うサウロン軍との戦いに向かう。ローハンの騎士となったメリーは戦闘に参加したいと申し出るが、セオデン王も勇敢な騎士である彼の甥エオメルも、メリーの心は信じているが身体の大きさが足りないからと城に残るよう勧める。が、メリーの不満は、女性だからといつも留守居役を命じられているエオメルの妹エオウィンの不満でもあった。彼女は「友のために戦うことは、誰にも止められない」と反論し、密かに男装しメリーを連れて兵士として出陣していく。
使命
ゴンドールの都ミナス・ティリスがオークの軍勢に襲われていた。執政デネソールは息子ファラミアが瀕死の重傷を負い意識不明で戻ったのを見て死んだと思い込み「執政の血筋は絶えた」と精神錯乱に陥る。そこでガンダルフがデネソールに代わってゴンドール軍の指揮を執り、自らも戦闘に加わっていく。デネソールは息子が死んだと思い込み、ピピンの説得にも耳を貸さず、ファラミアを道連れに焼身自殺しようとする。ピピンと駆けつけたガンダルフはファラミアを救うが、すでに火を放ち燃え上がったデネソールは乱心のまま塔から身を投げて果てる。
同じ頃、ゴンドールに向ったローハン軍はペレンノール野で冥王サウロンが送り込む闇の勢力と激突する。サウロンの勢力に参加しているのはゴスモグが指揮するオーク軍だけではない。近接戦では無類の強さを誇る武装したトロルの上位種「オログ=ハイ」、南方人ハラドリムたちが乗る巨大な獣「オリファント(ムマキル)」、空には“おぞましい獣”フェルビーストに乗って勢力を統率する「ナズグル」もいる。その上、黒船船団のウンバールの海賊たちまでもが参戦せんと、戦場に向かって来ているという。
激しい戦乱の中、ナズグルの首領「アングマールの魔王」が、ローハンのセオデン王に襲いかかる。王を守ろうと剣を向けたエオウィンは、魔王が「人間の男に我を殺すことは不可能」とせせら笑い余裕を見せたとき、不意を突いた、人間ではないホビットのメリーの攻撃で魔王が怯む。エオウィンは兜を脱ぎ、長い金髪をなびかせて言う。「私は“男”ではない!」。そして剣で魔王の顔面を突き刺し、エオウィンは見事アングマールの魔王を倒す。その後、セオデン王は彼女に微笑み、「これで恥じることなく父祖の仲間入りができる」と息を引き取るのだった。
魔王を討っても闇の勢力の勢いは衰えず、ペレンノール野でもミナス・ティリスでも人間勢の苦戦は変わらず続き、もはや敗北は目前かと思われた時、港に黒き船団が着く。オークたちは味方の海賊たちがやってきたと思って喜ぶが、船から現れたのはアラゴルンと死者の軍勢だった。永き呪縛からの解放を約束に、騎士としての誇りを取り戻しアラゴルンに一度だけの条件で召集に応じたのだ。アラゴルン、レゴラス、ギムリら三人と死者の軍勢は瞬く間に攻め上がり、それを機に軍は息を吹き返し形勢逆転、戦いはゴンドールとローハン連合軍の勝利に終わる。
だがその頃、フロドは危機に陥っていた。ゴラムの策略で大蜘蛛シェロブの棲処に導かれその毒針に倒れたのだ。しかしフロドが心配で後を追ってきたサムがシェロブを撃退。フロドを救出するが、指輪による衰弱のあまりフロドは歩けなくなる。するとサムはフロドを背負って歩き出す。「あなたの重荷は担えませんが、あなたの体を背負うことならできます」と。
アラゴルンら旅の仲間とゴンドールとローハンの連合軍は、フロドが滅びの山に辿り着き、“一つの指輪”を破壊する使命を成し遂げるまで、サウロンの目をそらすため、敵の本拠地モルドールに公然と最終決戦を挑むことを決意する。その地にそびえ立つ冥王サウロンの居城バラド=ドゥーアからは、倒しても倒しても無尽蔵と思えるほどの軍勢がサウロンによって送り出される。
アラゴルンらが満身創痍で戦い続ける頃、遂にフロドとサムは滅びの山の火口の淵まで辿り着く。だが、滅びを目前とした“一つの指輪”の魔力の抵抗にフロドは屈し、「指輪は僕のものだ」と口にし指輪をはめようとする。そこへゴラムも現れ“いとしいしと”を奪い取ろうと、指輪をはめたフロドの指を噛みちぎる。遂に念願の指輪を取り返し狂喜するゴラム。フロドは立ち上がりゴラムへ飛びかかると、二人で崖から落ちてしまう。
サムが火口を覗くと、フロドは指輪を追わず何とか崖を掴み一命を取り留め、ゴラムは喜びながら指輪を抱いて火口の中へ消えた。そして火口へ落ちた“一つの指輪”も滅びの時を迎え、遂に冥王サウロンは完全に消滅するのだった。
新たなる旅立ちと帰還
アラゴルンはゴンドールの王位に即位し、ミナス・ティリスに王が帰還した。その戴冠式を祝おうと、式に出席したフロドら4人のホビットであったが、アラゴルンは「礼を言うべきは我らの方」と、その場にいたすべての人間が頭を垂れ、4人の“勇者”に感謝の意を示した。そして、フロドたちは故郷ホビット庄に帰還し、旅立つ前の平穏な生活を取り戻した。
サウロンとの戦いからしばらくの時が流れ、サムは結婚した。メリーやピピンも平穏な生活を取り戻した。しかし、指輪の運び手であったフロドの傷跡は、中つ国では完全には癒えることはなかった。変わってしまったものは元に戻ることはなかった。
ビルボがかつての旅を記した『ホビットの冒険』と、それを引き継ぎ自らの旅を書き上げた『ロード・オブ・ザ・リング』を書き終え、全ての使命を終えたフロドは、ビルボ、ガンダルフ、そしてエルロンドとガラドリエル夫妻らエルフたちと共に、神の国・ヴァリノールへと船出し、この中つ国を(つまりはこの世を)去ることにしたのだった。
ガラドリエルは言う、「これからは人間の時代です」と。ヴァリノールから、中つ国へ戻ってくることはできない。「ありがとう、サム。今までよく仕えてくれた。これからは家族に仕えてくれ」それが、旅立つフロドのサムへの別れの言葉だった。そして、サムが妻子の待つ我が家へと帰還し、物語は幕を閉じる。
<END>
仲間たちと続いた長い長い旅も、とうとう終わりました。後半は本当に重苦しかったですね。しかし、感動の終幕でした。良く作られました。この映画の三部作を見事に作り上げた、ピーター・ジャクソン監督と関係者総てに賛辞を贈ります!シリーズ通して映画館で見られて良かった!
この「王の帰還」は、500年前のスメアゴルのエピソードから始まります。500年前って、結構昔ですよ!この世界の住人はみんな相当な長寿なんですが、ビルボでさえ、「旅の仲間」の時点で111才ですよ。
そして続く旅、仲間との別れ、度重なる戦い。二作目は特に青空での空撮が多かったんですが、今作は曇り空ばっかりで、気分もめっちゃ重いです。そして最後、倒すべき敵は倒すがこちらの被害も甚大という、戦争って悲しいよねって思いました。
死者の王率いる亡霊たちは強すぎですね。半透明だし、すでに死んでるから無敵だと思うんですが。しかし約束を果たせて良かったっす!
それにしてもアラゴルンは知れば知るほど惚れちゃいますねー。伝説の人物の末裔で、正当な王位継承者ってそれだけでも高貴なのに育ての父がエルロンド卿という好環境、好立地!なのに本人野伏とかやってていつも薄汚くて、でもみんなに頼りにされてて、しかも嫁はエルフだし、男の子が生まれるの確定だし、何だかもー、羨ましい!
この指輪物語三部作はこれで完結ですが、前日譚の「ホビットの冒険」もありまして、そちらも最高です!
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サササッ 三|ノシ・з・|┐ それではまた!