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2014年04月06日

マララヤン病院事情

ここのところ、非常に色々あって忙しいかったのですが、その一つが病院通い。

Manado_hospi1

夕方5時ごろにローカルの友人から電話があり、彼の息子がバイク事故で危篤! という連絡。 普段は何事にも冷静なお父さんですが、彼が昔から一番可愛がってきた息子、という事情もあってか、相当パニックしているのが電話越しにもよくわかりました。

具合があまりよくないパートナーを送るわけにもいかず、 仕方ないのでメナドからボートを呼びよせ、私自身が急遽マララヤン病院へ。 夕日も落ちて暗くなりはじめ、港に付く頃には既に真っ暗になっていました。

Manado_hospi3_3

救急治療室に到着。 7、8年前に行った時から比べたら大分病院らしくはなっていましたが、設備の悪さは相変わらずの様子。このような部屋が3、4部屋ほどありましたが、どれも開け放たれており、冷房もない状態。まあ夜だったのでそれほど暑くはありませんでしたが、わりと多くの人でごった返していました。

Manado_hospi3_1_2


マララヤン的なやり方は以前とちっとも変っていない様子。

まず、お金がある家族の場合、たくさんの薬を買ってくるように命じられます。

ドクターらしき?人が書いた処方箋のうち少なくとも50%は買わなくても良かった量の薬。 

この息子さん、彼が2歳くらいから知ってる子。お父さんの様子では、もう今日すらもたないかも、と言う事でしたが、 私が到着した際は、彼の意識は非常にしっかりしていたので、まずは安心。

残念ながら、ご両親の言う事を聞かず、相変わらずヘルメットをかぶらずにバイクを運転中事故にあい、右目のあたりを強打。

渡しておいたお金で、まずは目の化膿止め用などの注射用の薬と注射器、点滴などを山ほど購入させられていました。 ハイ、点滴や注射針まで、自分たちで買いに行くのです。
お金がなかったらどうなるんでしょうか、この病院は。

同じ緊急治療室内には、彼以外にも少なくとも2人の人が運ばれており、若い女性がヤケドか何かで大けがをしていて、悲痛な叫び声をあげまくっており、かなりあり得ない光景。 あんな所に寝かされていたら、息子さんもかなり怖がる筈。 
しかも部屋には、誰かの付き添いか面会に来ているのか、どこの誰ともわからない人達が、ひっきりなしにこういった悲鳴をあげていたり,酷い症状の患者を野次馬しに入ってきます。一様セキュリティーの人はいることはいるんですが...ムムム。

早く別室へ移してあげたいけれど、まだ様子を見ているため、今日は動かせないと言われました。 それも先生を探してプッシュ、プッシュしなければ、診察にも来ないし、「お金はあります!」 っといった様子を見せないとダメ。 

ドクターらしき人をつかまえて、診察の結果を迫ったところ、ようやく脳のスキャン写真や、胸部のレントゲン写真を見せて説明してくれました。 それまで家族には一切このような説明がなかったそうで。  
幸い骨はどこも折れてないし、脳にもダメージ無し、手術の必要も一切なし、「良かったですねー。」という目のドクターの一言でひと安心。

でも当方が激しくドクターをプッシュして迫ったもんだから、

 「この人、いったい誰??」 

とドクターが息子さん家族に聞いてるのがきこえました。

家族の一人が 「.... ボス...です。」 (組の親分かいッ??)

と答えてから、ドクターの態度は一変。 

ボス=会計係 ┐( ̄ヘ ̄)┌

って事で、チャリーンッ!ってレジ音でも聞こえたのか、その後またもや新たな処方箋ペーパーが家族に渡されました。そこにはまたまた沢山の薬のリストが。
 「これはさっき買った薬と同じだ。 幾つ買わせれば気が済むんだ?? コレはいらんだろう!」 と、パニックしていたお父さんも徐々に正気が戻り、大金がかかる現実に対処しはじめました。

その後、家族が集まって小さいペーパーを見ながら難しい顔してるので、それぞれ幾ら出せるのか検討中なのかと思ったのは単にコチラの気のせいでした。 これ、支払いお願いします、と手渡されたレシートには、たった2種類の薬で1万円。 ドヒャ〜ッ! 注射用とはいえ、粉をといて使う、目薬のような2個の薬にしては、あんまりな金額ですよね。 これはさすがにぼったくり詐欺じゃないのかと疑いたくなりましたゎ。

Manado_hospi5

そんなやり取りを行っていた緊急治療室の外の廊下というかロビーにも、バイクの大事故で運ばれてきた若者男性がいて、一時期は野次馬の人だかり。 写真をとった時は夜も遅く、さすがに野次馬は消えていましたが。
誰もがバイクに乗る昨今、死亡事故などは日々当たり前のように起きているようです。この男性も意識はなさそうでした。 彼が別室に移された跡の廊下には、治療した際の血まじりの液体が。 
おーい、そこでおしゃべりに夢中になっている若い看護婦さんやヘルパーたちよ、そんな暇あったらさっさとモップか何かで拭き取ってくれないッ?? と叫びたいくらいですが、彼らには全く気にならない様子でした。

さて、入院病棟移動の話を病院スタッフにプッシュする度に、「どこどこに行って書類をもらってきて。」 という回答。
つまり、お会計を先にして来い、そのレシートが無ければ移動は無し、というものでした。

<お会計内容>

最初の薬、注射器、点滴代・・・1万円
レントゲン代・・・・1万円
脳スキャン ・・・・約2万円。 
2種類の注射薬・・・・1万円

これはあくまでも最低限必要だった分。コレ以外にも、部屋への移動、入院費などはさらに別料金でかかったのは言う迄もありません。 

その上、さっきまで目の専門の筈のドクターは「手術はいりません。」ってきっぱり言っていたのに、総監督のようなドクターから 「手術が必要です。」とお達しが。 

Manado_hospi2

すっかり大金出費地獄に目覚めたお父さん、「手術はいらないってさっき3人のドクターが言ってたじゃないか?」と不信感もあらわに。 

このドクター、そんな彼を軽く流し、「今日明日という事ではありませんが、手術はするべきです。」ときっぱり。 
頬の下の骨が少し折れていた?という事で、将来目に影響する可能性があるからだとか。 
お父さんはきっぱり ”さっきあれだけハッキリ、骨はどこも折れてない、問題ないと言われたのだから、手術はいらない” と断り、顔の腫れもひき、17歳という若さゆえか、かなりの早さであっという間にかなり回復した息子を、数日緒後には無事退院させました。 

残念ながら、そういう方面で有名なこの病院。
”会計係”の存在がハッキリしたせいによる対応の変化、ととられても仕方ないのではないでしょうか...。

この病院でこのまま手術なんてなったら、幾らお金があっても足りません。
他の病院にレントゲン結果を持っていき、セカンドオピニオンをえるべき、ということでお父さんと話合いました。

でもとりあえず無事退院できて何よりでした。 お金のなる木があるわけじゃなし、こちらのヘルプにも限界有り、今後彼には絶対にヘルメットをつけさせるべきと念を押しておいたのは言う迄もありません。 

結局親が買ってあげたバイクなのでしょうし、本来であれば、ヘルメットを装着しなかったらバイクの鍵など渡すべきではないと思うんですが、外でヘルメットを外してしまえばそれまでだし。

ようやく病院から出て、ついたホテルでも足下みられ、スイートしか空いてないと言われたけれど、深夜ゆえノーチョイス。 ベッドになだれこんでゆっくりし始めたのが午前2時すぎでした。 ふぅ〜ッ....(゚ー゚;

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