移動手段として大変便利ですが、乗る際に心配なのは、やはり事故などのトラブルです。
被害者になるのも、加害者になるのも避けたいところですが、細心の注意を払っていても可能性はゼロではありません。
自転車事故による高額賠償事例
過去に起きた自転車事故による高額賠償の事例です。
(出典:一般社団法人日本損害保険協会発行「知っていますか?自転車の事故」)
< 東京地裁(平成15年9月30日) >
男性が夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入、横断歩道を横断中 の女性(38歳)と衝突。女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。
→ 賠償額:6,779万円
< 東京地裁(平成19年4月11日) >
男性が昼間、信号表示を無視して高速度で交差点に進入、青信号で横断歩道を横断中の女性(55歳)と衝突。女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。
→ 賠償額:5,438 万円
< 東京地裁(平成20年6月5日) >
男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。
→ 賠償額:9,266 万円
< 神戸地裁(平成25年7月4日) >
男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。
→ 賠償額:9,521 万円
< 東京地裁(平成26年1月28日) >
男性が昼間、赤信号を無視して交差点を直進し、青信号で横断歩道を歩行中の女性(75歳)に衝突。女性は脳挫傷等で5日後に死亡した。
→ 賠償額:4,746 万円
全国で自転車保険義務化の流れ
以前から、高校生の通学に際して、自転車保険加入の推奨または義務化を設定している学校は多かったようです。
ここ数年は学生だけでなく、自転車ユーザー全般を対象にした保険加入義務化が、全国で加速しています。
県で定める自転車条例
自転車保険について、県の条例で「保険加入を義務化する」と定めるところが増えてきました。
ちなみに福島県を例にとってみると、本年令和4年4月1日から、自転車損害賠償責任保険等への加入が「義務」となりました。
自転車保険の種類
個人向けの、自転車損害賠償責任保険等としては、次のようなものがあります。
[ 個人賠償責任保険 ]
・自転車向け保険(サイクル保険等)
自転車屋さんの店頭で扱っていることが多く、簡単な手続きで加入できます。
1年契約や、学生向けの3年契約のものがあります。
・各種保険の特約
自動車保険・火災保険・傷害保険などの保険に、特約として自転車に関する保険を付加します。
[ 共済 ]
・各種共済(全労災(こくみん共済)、県民共済など)
[ 団体保険 ]
・会社等の団体保険
・PTAや学校が窓口となる保険(総合補償制度等)
[ クレジットカードの付帯保険 ]
・クレジットカード会員向けに付帯した保険
[ TSマーク付帯保険 ]
・自転車安全整備士が点検整備した自転車の車体に付帯した保険
自転車安全整備店(自転車安全整備店検索)で、自転車の点検整備(有料)を受けて、TSマーク
を貼ってもらうと、保険が付帯されます。
TSマークには、青色マーク(第一種)と赤色マーク(第二種)があり、賠償内容が違ってきます。
(1店舗で取り扱うのは、青色・赤色TSマークのいずれか一種類です。)
保険の有効期間は、TSマークに記載されている日から1年間です。
TSマーク貼付自転車に搭乗中の人が対象となります。
まとめ
交通事情も日々複雑になっており、自転車乗車中も、予期しない事故が発生する可能性があります。
それに対応して、自転車に関する保険も、比較的安い掛け金で広くカバーできるものが出てきています。
早めの加入で、安心の自転車ライフを送りましょう。
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