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2008年05月03日

情報基地::手際が良すぎたような…



手際が良すぎたような…
2008年4月30日

 「結論が遅いですよ。野党は遅い」−。見応えのあった先日の党首討論で、福田康夫首相のこの発言は「想定外」だった。腰の重さを指摘されてきた当人から飛び出したからだ。

 こう大見えを切る以上、心境に変化でもあったのか。それをうかがわせるような「決断」があった。ガソリン税の暫定税率復活を含む租税特別措置法改正案を、三十日に衆院で再可決するとの態度決定だ。

 この方針は二十二日に首相と伊吹文明自民党幹事長らの会談で決まった。翌二十三日には自民、公明両党幹部が確認。二十五日には両党国対委員長が記者会見で表明するという手際の良さだった。

 当時は衆院山口2区補選の真っ最中。世論調査では再可決反対が多数派だったにもかかわらず、方針を明らかにしたのはなぜか。

 これ以上税収に穴をあけられない、その不退転の決意を示す、それが与党の矜持(きょうじ)…。当事者にはそれなりの理由はあるだろう。が、選挙戦は劣勢を伝えられていた。敗れた後での再可決方針決定へのためらい、脱力感、恐怖感を考えれば、既定路線にしておいた方がいい。そんな計算が働いたのかと勘繰りたくもなる。

 真相はともかく首相が後手対応を返上するというならば、その姿勢自体は結構なことだ。そこでこちらも驚くような決断を求めたい。野党もびっくりの衆院解散に踏み切るというのはどうだろうか。 (田畑豊)



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