2008年03月12日
ホトトギスの兄弟の:岡山の民話
ほととぎす兄弟の話
「おととかわいや、ほっとんかけたか」
昔むかし、時鳥の兄弟がいた。兄さんが病気になったので、弟は、滋養になるものをと、山の芋を掘っては食べさせていた。ところが、お兄さんは、
「弟は、わしにさえ山芋ののええところを食わせるんだから、あいつはどれだけええところを食びょうるやら」
と思って、弟を殺して腹をたち割ってみた。山芋の首が、ちょっぴりだけ出てきた。
「弟よ。わしが悪かった。こらえてくれえ。」
それから兄さんは、
「おととかわいや、ほっとんかけたか、おととかわいや、ほっとんかけたか。」
と、日に八万八声鳴くようになった。
そんなわけで、時鳥はいつまでもそういって鳴くそうな。
原話:真庭郡川上村 宮本千太郎
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