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2014年05月03日
【紙書】20世紀少年の脇役 え?脇役の駄作といわれた漫画を漫画化しちゃったのか!?
2014年05月02日
【文庫】11人いる! 萩尾望都の傑作SF、紛う事なき名作! 一部コラム
価格:607円 |
著者:萩尾望都
第21回小学館漫画賞少年少女部門を受賞作品。
映画アニメも作られているのでそちらもチェックしたいが今は難しい。
こちらの文庫版には「11人いる!」「続・11人いる!」の2作品が収録されている。
映画アニメは11人いる!の方で作られている。
超難関の宇宙大学の試験の課題に挑む若者たちのドラマだ。
最終課題となるのが一個まるまる宇宙船を使った試験。
外部との接触をシャットアウトされた孤独な宇宙船で生き延びることが課せられる。
だが本来の受験生は10人の筈だった。
なのに・・・宇宙船に辿り着いた瞬間にもう一人多い事が分かる。
不気味な11人目の存在が鍵となってくる物語だ。
【SFに触れるなら必ず読んで置きたい一冊】
漫画好きなら、絶対に読むべき漫画としてこの一冊を上げたい。
そりゃ流行り物も面白いけれど、そういった作品の過去には常に前例が居る。
SF作品で言えば手塚治虫などの名前も上がるし、書籍なら銀河英雄伝説の田中芳樹などは誰でも知ってるレベル。
それぐらいに普遍的な人達の一人として個人的に数えているのが萩尾望都さんだ。
少女漫画がSFの先駆者だった。
実際にはどうだったのだろうか?
認知度や広め拡散したのは少女漫画が一役買っていただろうとは思われる。
そりゃ、少女漫画サイドにも手塚治虫といった偉人が関わってたりするのだけれど、それ以外にも偉人は多い。
この漫画の魅力はコミカルとシリアスの使いどころと、キャラクターの設定だ。
生まれも容姿も違う、そんな若者達が揃っているのだがそれぞれに一癖ある。
主人公のタダトス・レーン愛称タダも直観力(テレパス・サイコメトリに近い能力)を持っている。
フロルは両性具有・・とは若干ニュアンスが違うが雌雄未分化の完全体である。
でも、一応はフロルはヒロイン枠。さっぱりとした性格は無邪気な少年っぽさもある。
とある星の王様や王族だったりと、既に社会的に実力を身に着けた者たちの力試しの場としても宇宙大学は活用されているようだ。
苦難とトラブルの連続ではある物の試験は進んでいく。
その中で起こる事件や、彼らの決断という物は既に試験の枠を越えるものだった。
11人目は誰なのか?
読み解いていくことで明らかになる真意や意図、そこで起こる真理的要因。
そういった物を考えながら読み進めてみるのも面白い。
人間が織り成すドラマのほぼ全てが集約されている。
たった一冊の書籍にこれだけの内容を濃厚に描かれている。
映画アニメ版も基本的には話の筋は同じ。
若干の違いはある物の、緊迫感のあるシーンは絶妙。
11人以外無人の巨大な宇宙船内部の寂しさや怖さもある。
いわば宇宙に浮かぶ密室のような物ですからね。
人の動揺といった物や不安が爆発し易い環境ともいえる。
その中で少しずつ信頼を築いて成長していく様や、友情や恋といった物を経て窮地を乗り越えていく。
原作よりも先にアニメの方を見たので印象的にはアニメの方が強いかな?
窮地を乗り越えた先に待つ結末とは・・・?
そこからは書籍を読んで貰いたい。
続の方は完全な番外編ではあるが、前作の王様を巡る物語となる。
多くを語ると大変なネタバレとなるのでここでは語らない。
こちらは本書でご確認頂きたいが、こちらも秀逸な物語である。
コミカルなシーンは少なく、シリアスな話展開なので私的には前作が好きだな。
ただ、かなり前作だけを知っていただけに続での出来事にショックを隠せないですね。
「なん・・・だと・・・!?」
と、なることは間違いない。
SFとしても人間ドラマとしても面白い本作を是非手に取って頂きたいものだ。
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価格:607円 |